Subject #128617

Basic Informations:

Subject ID:
#128617
Subject Name:
オオタチ通信網
Registration Date:
2010-10-04
Precaution Level:
Level 2

Handling Instructions:

対象を収容することは物理的に困難であるため、既存の「通信網」がどのような形で整備されているかを研究する取り組みに焦点が置かれています。新たな進入口#128617を見つけた場合、ポイントをデータベースへ登録してください。これまでに確認されている進入口#128617の一覧については、リストL-128617-1を確認してください。リストL-128617-1は毎日16:00に自動更新されます。

進入口#128617を塞ぐような行為は新たな進入口#128617の形成を誘発してしまうため、推奨されません。当局の敷地内を含む問題のあるポイントに進入口#128617が形成される事案が発生した場合、速やかにリストL-128617-2に掲載されている支局まで連絡してください。連絡が為された場合、当局と雇用契約を結んでいるオオタチの局員が現地へ向かい、該当する進入口#128617を使用しているオオタチに説得と交渉を行います。これまでのところやり取りに際してトラブルが発生した事は無く、問題なく敷地内から退去することが分かっています。

局員は当局が要注意ポイントとして指定した進入口#128617を監視し、該当する進入口#128617を出入りするオオタチの様子に注意を払ってください。不審な荷物を運んでいると判断した場合はその場で呼び止め、荷物の内容について検査するようにしてください。過去の事例において、この検査により未然にいくつかの犯罪を防止することに成功しています。

Subject Details:

案件#128617は、全世界に張り巡らされていると推定されるオオタチのみが通過可能な洞窟(通信網#128617)と、それに掛かる一連の案件です。

少なくとも2002年頃から、遺失物が数日後に極めて離れた地域で発見されるという事案が相次いで発生していました。当初は単なる悪戯行為の類と考えられていましたが、報告される件数が増加するにつれて当局が異常事案の疑義有りと判断し、局員が調査に乗り出しました。その過程で、遺失物の発見に各地域に生息するオオタチが度々関与している事が分かり、追跡調査の結果後に通信網#128617と認定される洞窟が発見されました。

通信網#128617は、その大きさ故にオオタチのみが通行可能な直径30cmから40cm程度の穴(進入口#128617)です。進入口#128617の付近には常に数匹のオオタチが待機しており、荷物(オオタチが持ち運び可能なものに限られます)と大まかな場所を伝えることで、最寄りの進入口#128617まで荷物を輸送します。依頼に基づいて荷物を輸送することもあれば、理由は不明ながらオオタチ自身が荷物を持ち込んで輸送することも確認されています。輸送には恐らくバケツリレー方式が用いられていると推定され、最終目的地に到達するまでに相当数のオオタチの手を介すると考えられています。

2005年7月下旬、カントー地方シオンタウン第三支局に在籍する局員から「支局の敷地内に進入口#128617が作られている」との連絡が寄せられました。支局では当初、進入口#128617を封鎖し、近隣に生息していたオオタチをすべて捕獲するという対処を行いましたが、別の新たな進入口#128617とオオタチの出現という結果を招きました。物理的な封鎖が難しいと判断した局員が上長と相談の上、オオタチと対話が可能な携帯獣の職員についての問い合わせを全支局宛てに投稿しました。これを受けたジョウト地方ヨシノシティ第二支局の局員が、平時は局間便の輸送担当として勤務しているオオタチの局員にこの課題について連携しました。翌日カントー地方シオンタウン第三支局にオオタチの局員が出張し、進入口#128617近辺にいたオオタチと対話、最終的に敷地内から進入口#128617をすべて取り除くことで合意しました。現在の取扱い手順は、この事案を元にして制定されています。

過去に複数回行われた通信網#128617を使用した輸送実験により、恐らくほぼ地球規模で通信網が形成されていると考えられています。実験結果の一例としては、実験セッション27が挙げられます。このセッションではシンオウ地方ミオシティにある進入口#128617-224からホウエン地方フエンタウンにある進入口#128617-386まで、およそ52時間で実験用荷物が輸送されたことが確認されました。

これまで当局が保有する探査用ドローンを用いた内部調査が幾度となく提案され、いくつかの提案においては実際に調査が執り行われました。しかしながら、いずれの実験セッションにおいても通信網#128617の複雑な構造故に調査が難航し、さらに通信網内部に潜んでいるオオタチの敵対行動によってことごとく探査用ドローンを紛失するという結果に終わっています。これ以上の損失を防ぐ意味合いで、探査用ドローンを用いた調査は予め却下されることとなっています。

通信網#128617そのものについては、そのあまりに長大な規模を除けば、オブジェクトそのものに特段の異常性は無いと考えられています。しかしながら、ほぼ全世界的に通信網が形成されていること、どのような経緯で通信網#128617が構築されたのかが一切分かっていないこと、そして実際のところオオタチが通信網#128617をいかなる目的で利用しているのかが不明であることなどから、決して楽観視することはできません。

さらに上記に加えて、通信網#128617を利用した犯罪行為が複数確認されています(盗品の輸送/武器や情報の授受等)。これらは当局以外の個人あるいは組織が通信網#128617の性質を相当程度把握し、明確な悪意を持って利用していることを示していると言えます。この事から、裁定委員会は本案件の警戒レベルを「2」(異常性は低いが、注意が必要)とする結論を下しました。

Supplementary Items:

本案件に付帯するアイテムはありません。