お昼休み。購買で買った焼きそばパンを無心で押し込むと、僕はすぐさま屋上へ向かった。名目上は立ち入り禁止になっているけれど、僕らのように人のいないところで話をしたい人たちは、当然のようにこの場所を使っている。先生達も別段気にするほどのことではないと考えて、特に注意しようとは思っていないみたいだった。ガラスの小窓の付いた思い鉄扉を押し開けて、僕は屋上に足を踏み入れる。
フェンスに寄りかかって強い風を浴びながら待っていると、背後からギイと音がして、もう一人の校則違反者が現れた。僕はフェンスから手を離して、重い扉に少し梃子摺っている様子の彼女のところへ向かった。
「大丈夫?」
「あっ、川島くん。ごめんね、ちょっと扉が重たくて……」
「だいぶ長い間手が入ってないから、きっと蝶番が錆びちゃってるんだよ」
「それなら、556を差してあげたらいいかもね」
「用務員さんに言ってみようかな」
バタンと扉を閉める。中原さんは僕を除いて他に誰の姿も無いことを確認すると、さっきまで僕がいた屋上の隅へ行こうと指差した。僕も同じ考えだったところだ。中原さんに先んじて、僕が歩いていく。中原さんも続く。程なくして、所定の位置までたどり着く。
風にあおられる二つ結びを軽く押さえながら、中原さんは少し改まった表情を見せていた。多分、僕も同じような表情をしているのだろう。気が付かない間に、僕はいつになく気が逸っていることに気付いた。確かにいきなり訊ねるには唐突で、少しばかり切り出しづらい内容だけど、そんなにあたふたすることはない。まずは、中原さんがポケモンを連れていること、それが間違いの無いことかどうかを確認することから始めるんだ。僕は気を静めるよう言い聞かせて、呼吸を整えた。
僕は中原さんが「見えるか」を確認するに当たって、まるで身の入らない授業中にいろいろ考えてみて、多分一番手っ取り早いと思い至った方法を取ることにした。
「中原さん。いきなりで悪いんだけど」
「うん。どうしたの?」
「僕の足元を、見てみてくれる?」
「足元……? ――あっ」
僕の言葉を受けて素直に足元へ目を向けた中原さんが、漏れ出た言葉の通り「あっ」という表情を見せて、瞬時に目の色を変えた。一目瞭然とは、まさしくこのことだ。僕は大きく頷く。中原さんは口に手を当てたまま、僕の足元にまじまじと視線を向け続けていた。
「ああ、やっぱり。中原さんにも見えるんだ」
「……うん。見えるよ。骨を被った、小さな怪獣みたいな子がいるね」
「こいつは”カラカラ”っていうんだ。中原さんのは、今はどこに居るの?」
「えーっと……ごめんね、ちょっと待ってね。よいしょっ」
そう言うと、中原さんはおもむろに制服のリボンを少し緩めて、続けざまに首根っこを掴んでぐいっと広げた。突然の行動に面食らっていると、制服と中原さんの体の間にできた僅かな隙間、つまり中原さんの胸元の辺りから、勢いよく小さな影が飛び出してくるのが見えた。そのまま僕の目の前に着地して、互いに目が合う。点を打ったような赤い円らな目は、僕の瞳に真っ直ぐ向けられていた。
「びっくりした……中原さん、普段そんなところに隠してるんだね」
「ホントは、別の場所がいいんだけど……わたしが昔から服の中に入れて隠してたから、チェリンボも慣れちゃったみたい」
「へえ、この子の名前、”チェリンボ”って言うんだ」
中原さんの服から飛び出してきたのは、サクランボに顔が付いたような不思議な姿をした”チェリンボ”というポケモンだった。昨日、中原さんが去っていくときに見かけた姿とまったく同じだ。これは間違いない。
「わたし、ビックリしたよ。川島くんにも、ポケモンがいたんだね」
「僕も同じだよ。中原さんにポケモンがいただなんて、思いもしなかったし」
「いつもはこうやって隠してるんだけど……やっぱり、昨日のあのときかな?」
「そう。最後に中原さんが帰っていくときに、足元にくっついてるのが見えたんだ」
「昨日もいつもみたいに大人しくしてたんだけど、急に外に飛び出しちゃって。どうしたの、って追いかけてたら、そこで車に轢かれそうになってる川島くんを見つけたんだよ」
「なるほど、そういうことがあったんだ」
「その後もずっと外に出てたから、もしかして……とは思ってたけど、バッチリ見られちゃってたんだね」
少し気恥ずかしそうにしながら、中原さんはチェリンボを抱き上げた。チェリンボはカラカラと違って中原さんにもよく慣れていて、僕を見ても怖がる素振りは見せていない。少なくとも、人見知りはしなさそうだった。
「そっか、川島くんにもチェリンボが見えるんだ。それにわたしも、川島くんのカラカラが見える……これって、夢じゃないよね?」
「こんなヘンな生き物が出てくるんだから、夢の可能性だって十分ありそうだけど、あいにく全部現実だよ」
「あははっ。それもそうだね。ゴメンゴメン、ヘンなこと言っちゃった。わたし、ちょっと気持ちが高ぶっちゃってるみたい」
昨日ほどではないけれど、頬をりんごのように染めた中原さんが、照れ隠しに笑って見せた。僕は一瞬その姿に見惚れそうになって、慌てて意識を現実に引き戻した。
「カラカラくんのこととか、チェリンボのこととか……話したいことはたくさんあるけど、このお昼休みじゃ、全部はちょっと難しいかな」
「そうだね。なら、僕と中原さんは家も近いし、一緒に帰るのはどうかな?」
「うん、いいよ。わたしも同じこと考えてたところ。今日は部活もないし、それで決まりだね」
笑みを零す中原さんが頷いて、つられて僕も頷く。中原さんが嬉しそうにしてるのを見ると、不思議と僕も同じように楽しい気持ちになってくる。そんな気がした。
こうして、話の続きは放課後に持ち越されることになった。
いつもは一人で帰る道を、今日は中原さんと並んで帰っている。目的はお昼休みの続き、僕らにしか見えないポケモンの話をするためだ。カラカラはいつも通りどこか落ち着かない様子で、僕の足元にくっ付いてちょこまかと歩いている。
「中原さんは普段チェリンボを服の中に入れてるみたいだけど、あれって苦しくないの?」
「うん、全然平気。重さも大きさも全然感じなくて、ただ『チェリンボがいる』って感覚だけがあるだけだよ。くすぐったくもないしね」
「そっか。ポケモンには質量が無いから、そういう場所に入れておくのもアリなんだね」
「そうそう。外に出してあげるときも、ホントは襟を広げたりしなくてもいいはずなんだけど、ああすると『外に出ていいよ』っていうのがはっきり分かるから、チェリンボも安心して出られるみたい」
「外に出ていいっていうサインというか、合図というか、そういうものだね」
「うん。中に入れておいたら、誰かに見られる心配もないし……と言っても、今までチェリンボが見えたって人は、誰もいなかったけどね」
わたし以外にチェリンボが見えたのは、川島くんが初めてだよ。中原さんはそう言うと、胸に抱きこんだチェリンボを優しい手つきで撫ぜた。撫でられたチェリンボはリラックスした表情を見せて、今にも眠ってしまいそうになっていた。
「そうだ。川島くんは、いつもカラカラくんをどうしてるのかな? カバンの中に隠してたりとか?」
「いや、僕は特に何もしてないよ。カラカラのしたいようにさせてるんだ。でも、いつも隅っこに隠れてるんだ。ほら、今も」
「ホントだ。足元にくっ付いちゃってる」
「どんなときもこんな調子なんだ。だから中原さんも、今まで見えなかったんだと思うよ」
「見た目は強そうだけど、ちょっと恥ずかしがり屋さんみたいだね。なんだか可愛いよ」
中原さんにはまったく悪気は無くて、むしろ素直な褒め言葉の類だと思うんだけど、正直なところ僕はちょっと複雑な気持ちになった。けれど彼女の言うとおり、ごつごつした骨でがっちり攻防を固めてるのに、いつもこそこそ物陰に隠れてちっとも表に出てこないのだから、このカラカラというポケモンはやっぱり恥ずかしがり屋なのだろう。これは僕も認めざるを得ない。
「なんだかね、不思議な気持ちだよ。チェリンボは他の人には見えない、わたしにしか見えないって、ずっと思ってたから」
「僕らみたいにポケモンの見える人同士でも、相手のポケモンが見えるなんてことは、あんまり例が無いらしいからね」
「そうそう、そうなんだよ。川島くん、よく知ってるね」
「カラカラが見え始めたときから、ポケモンのことはいろいろ調べてるんだ。小学校から中学校へ上がる前後くらいが、一番見えるようになりやすい時期だ――とかね」
口ぶりからして、中原さんもポケモンについては結構詳しく知っているみたいだった。多分僕と同じように、本を読んで調べてみたり、テレビで(ほとんど興味本位で)放送される特集を見たりして、ポケモンについての知識を身に付けていったに違いない。
ポケモンが見えるようになる人は、大体一万人に一人くらいと言われている。それも年齢的に若い人に限られるから、周囲で同じ状態にある人はそうそういない。自分にしか見えない不思議な存在に戸惑ったり、悩んだり、理不尽さを感じたりするというのはよく聞く話だ。他の人には見えないし、認識することもできないから、必然的に外から情報を集めて自分がどういう状態にあるのかを知ろうとする。その過程で、ポケモンが如何なる存在かを知るということだ。
「最初チェリンボが見えるようになったとき、中原さんはどう思った?」
「うーん……こう言うとヘンに思われるかも知れないけど、『あっ、いる』って思ったよ。『ヘンな生き物だ、怖い』とか、『なんだろう、気持ち悪い』とかじゃなくて、『あっ、いる』って。なんだかすごく自然に感じたかな」
「へえ、全然驚いたりしなかったんだ」
「うん。見えるようになってすぐは、チェリンボがわたし以外の人にも見えてると思って、さっきみたいに服の中に隠したりしてたっけ。けど、そのうち他の人には見えてないって分かって、チェリンボはわたしにしか見えないんだって理解できたかな。川島くんはどうだった?」
「僕はそこまで落ち着いてられなかったよ。足元に小さな怪獣みたいなのがいてさ、なんだろうって思って見てみたら、怖がって僕の足元に隠れちゃうんだ。参っちゃったよ」
「あははっ。カラカラくん、出会った頃からそんな感じだったんだ」
「まあね。僕も中原さんと同じで、最初のうちはカバンの中に隠したりしてたけど、他人には全然見えてないって分かってからは、ずっと外に出しっぱなしかな」
カラカラに所謂質量や重さが無いってことも、見えるようになって割と早いうちに分かった。ポケモンは実体が無くて、現実世界にあるものに影響を及ぼすことは基本的にない。言ってしまえば、自分にしか見えない幻覚や蜃気楼みたいなものだ。ただ、ちょっと変わっているところもあって、一概にそれらと同じとは言い切れない。
まず、ポケモンは地形や障害物に「ほどほどに」干渉を受ける。その気になれば壁や物を通り抜けられるけど、普段はきっちり地面に沿って歩くし、階段だって一段一段丁寧に登らなきゃいけない。それと、僕や中原さんのような「見える人」は、ポケモンに対してこれも「ほどほどに」干渉できる。ほどほどというのは、厳密な基準が分からないからお茶を濁していると思って欲しい。とりあえず、中原さんが今チェリンボにしているように「抱く」ことはできるし、僕は僕でしばしばカラカラを「持ち上げて」いる。この時に限っては、曖昧ながらポケモンのカタチを感じられる。回りくどい言い方だけど「持つのに手頃な重さ」を感じられるといったところだろうか。僕は、この感触はポケモン自体の重さというわけではなくて、人間が「物を持つ」ために必要な重さを、ポケモンが必要に応じて僕らに感じさせているんじゃないか、そう思っている。
「ネイティの話、知ってる?」
「もちろん知ってるとも。世界で初めてポケモンが見えた女の子の話だね」
「そうそうそれそれ。確かね、弘前理子(ひろさき・みちこ)さんって人。この間ウィキペディアに記事があったのを見つけて、あっ、この人だったんだ、って分かったよ」
「即時削除されなかったってことは、そこそこ特筆性があるって認められたのかな。ポケモンって言葉を作るきっかけになった人だし、あり得るかもね」
「そうみたい。だからひょっとすると、川島くんやわたしも、ウィキペディアに載るくらいの『特別な人』だって可能性がある、ってことなんだよ」
「なるほど。弘前さんのネイティみたいに、僕らにだけカラカラやチェリンボが見えてる。クラスメートや家族にも見えてなくて、僕らだけが見られるんだ」
「うんうん、そうだよね、そうだよねっ。カラカラくんもチェリンボも、わたしと川島くんにしか見えてないんだよ。わたし達だけが見えてるんだよ」
口に出して言ってみると、僕はちょっと楽しい気分になった。そんなことを深く意識したことは今まで無かったけれど、自分たちにしか見えないと考えてみると、これがなかなか面白いものだと思う。中原さんも同じ気持ちだったみたいで、大きく身を乗り出して頷いた。ひょっとすると、僕以上かも知れない。
「別にやましいことでもなんでもないけど、秘密を共有してる感じだよね、これって」
「そうなんだよね……そう思うと、ちょっとどきどきしちゃうよ」
胸に手を当てて「どきどきする」とつぶやく中原さん。今まではただ「真面目」だってイメージしかなかったけど、こうやって仕草を見ていると――僕が言うのもなんだけど、ちゃんと「女の子」してるな、って思う。お前は隣で何を考えているんだかと、僕の冷めた部分が突っ込みを入れてきた。仕方ないじゃないか、女の子と二人で歩くなんて久しぶりなんだから。
「中原さんのチェリンボは……少なくとも、僕は見たことないな。もしかして、中原さんが初めて見た人じゃない?」
「ふふっ、多分ね。わたしも調べてみたけど、”チェリンボ”って名前のポケモンは見つからなかったし。でも、川島くんのカラカラくんもそうじゃないかな?」
「そうみたいだね。僕もあれこれ調べてみたけど、こんなポケモンが見えたなんて人は見つからなかったよ」
ポケモンの”種類”は、最新の調査でおよそ六百種類ほど確認されていて、具体的な総数ははっきりしていない。それに加えて不可思議なことに、ポケモンが見えるようになった人の中には、同じ名前かつ同じ種類とほぼ断定できるポケモンが見えるようになった人が複数いたケースもあったりする。ここで比較的よく名前が挙がるのは、サナギのような形をした”コクーン”や”トランセル”(これは、「自分には特別な力があって、それがいつか目覚めるに違いない」と信じている人が見ることになるらしい)、鋼の翼を持った鷹のような”エアームド”(小さいころに虐待を受けていて、「自分は弱い存在だ」と刷り込みを受けた人が、なぜかこのポケモンを多く見ているという報告がある)といったところだ。
しかもこんな複雑なケースもあった。同じ”ニドラン”というポケモンが見えていたという人が二人いたのだけれども、どうも二人の話す”ニドラン”の特徴が噛み合わない。そこで調査した結果、実は”ニドラン”には「♂の”ニドラン”」と「♀の”ニドラン”」の二種類がいて、それぞれ異なる性質を持っていることが分かった。散々議論されて、ニドランだけは♂♀で別のポケモンとして取り扱うことになったというから、実にややこしい。
ニドランのような例は枚挙に暇が無くて、個々に挙げていけばキリが無い程だけど、極めつけの例として”アンノーン”のエピソードを出しておこうと思う。
この”アンノーン”は当初、「黒く薄っぺらい手鏡のような体に、一つ目の付いたようなフォルムのポケモン」と考えられていた。実際、一番最初に見えた人の”アンノーン”は手鏡のような形をしていたし、その時点では間違いとは言えなかった。ただ、アンノーンのフォルムと見えた人の間に因果関係を見つけることができず(その人は「自分自身の存在価値」について深く悩んでいた)、特別なケースとして扱われていた。
ところがそれから暫くして、別の人から”アンノーン”を見たという報告が入って、関係者がヒアリングを行った。すると出てきたのは、手鏡とは到底似ても似つかない、強いて言うなら「アンテナ」のような形状をしたポケモンだった。それでいて「黒く薄っぺらい体に一つ目が付いている」という意匠は似ていたものだから、実に大きな混乱を招いてしまった。ちなみに「アンテナ」型のアンノーンが現れたと証言したのは、同級生の彼氏との関係が進展しない事に悩んでいた女の子だった。
混乱する中で出された、「最初に見つかったアンノーンは♂(もしくは♀)で、後から見つかった方は♀(あるいは♂)である」という仮説がある程度支持を集めていた矢先、実に笑えない事態が起きた。また別の形のアンノーンが確認されたのだ。今度はダーツを投げつける「的」のような形をしていて、先に見つかった二種類とは似ても似つかないフォルムだった。ここに至って、単純に♂♀がどうといった従来の区分ではなく、アンノーンというポケモン特有の何がしかの区分があるに違いないとの結論に至った。
これまたたくさんの偉い人たちが、侃々諤々の議論を戦わせ合って――
「アンノーンって知ってる? ほら、あの黒い体に目が付いた……」
「知ってる知ってる! あれって結局、『文字』がモチーフになってるってことなんだよね?」
「今だとそれが一番有力な仮説だって言われてるね。僕もそう思うよ」
そうした結果最終的に行き着いたのは、アンノーンは「文字」、それもアルファベットをモチーフにしているのではないか、という説だった。さっき出てきた「手鏡」は「I」、「アンテナ」は「A」、「的」は「O」だと、それぞれの形状から定義付けが成された。今までのところ、これを覆すような報告はされていない。
「そうそう。最近また新しいのが見つかってさ、今度は『?』(クエスチョンマーク)かも知れないって言われてるんだって。また変な形が出てくるんじゃないかな?」
「一体全部で何種類いるんだろうね? わたしは、三十種類くらいかな、って思ってるけど」
「僕は四十種類くらいかな。これから数字が出てきそうな気がするんだ」
他にもポケモンを連れている人はいるのかなとか、他愛の無い話をしていると、いつの間にか住宅街に入っていた。僕は中原さんを家まで送り届けて、そこから自分の家へ帰ることにした。
「川島くん、今日はありがとう。いろいろ話ができて、わたし、楽しかったよ」
「僕もだよ。そうだ、中原さん。せっかくだから、明日一緒にお昼ご飯でも食べない?」
「ふふっ、気が合うね。わたしも同じこと考えてたよ。楽しみにしてるねっ」
続きは明日のお昼に持ち越すことにして、僕は中原さんと別れた。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体名・事件とは、一切関係ありません。
※でも、あなたがこの物語を読んで心に感じたもの、残ったものがあれば、それは紛れも無い、ノンフィクションなものです。