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#95587 キュウコンと共に生きた女

Basic Informations:

Subject ID:
#95587
Subject Name:
キュウコンと共に生きた女
Registration Date:
2000-04-18
Precaution Level:
Level 3

Handling Instructions:

Eliza Valentineこと、参考人#95587の行方を追ってください。最後に目撃されたのはイッシュ地方ソウリュウシティですが、報告から半年以上が経過しているために既に有効な情報ではありません。イッシュ地方及びカロス地方に存在する全支局の局員は、本来の職務と共に参考人#95587を捜索する任務を帯びています。参考人#95587を目撃した、あるいは参考人#95587につながる情報を得た場合は、どのようなものであっても報告し、データベースに登録してください。

仮に参考人#95587を発見することができた場合は、当人の許可を得て同行を求めてください。ヒアリングを実施した上で、異常性の有無について判断してください。結果の如何に応じて、以後参考人#95587を当局にて収容するか否かを決定します。収容すべきと決定された場合は通常の対人収容プロトコルが適用される予定ですが、参考人#95587が何らかの特異な能力を保持している可能性が示された場合は、専用の収容プロトコルを追加で制定することで対応します。

Subject Details:

案件#95587は、いくつかの不審な点が見られる女性「Eliza Valentine」(参考人#95587)と、それに掛かる一連の案件です。

2000年4月中旬頃、イッシュ地方ライモンシティ近隣で別案件のためにフィールドワークに当たっていた局員が、数名の市民が「Eliza Valentineなる女性が最近パートナーのキュウコンを亡くした」との話をしているのを耳にしました。別の市民が続けて「タマゴからロコンを孵してキュウコンまで育て上げて、最後は老衰で天寿を全うしたらしい」と口にしました。これを聞いた局員が疑問を覚え、市民に身分を明かしていくつかの質問を行いました。

キュウコンは大変な長寿で知られ、一般的には約1,000年ほど生きると言われています。これについては実際に900歳を超えるキュウコン個体が数十体確認されていることから、高い信憑性を持つ情報と考えられています。キュウコンの死因は、不慮の事故や感染症によるものがほとんどであり、老衰で死去したというケースは少なくとも記録上は確認されていません。キュウコンは他に類を見ない長寿であり、またそれは科学的に裏付けがなされているものであるということを認識してください。

その上で、仮に市民の証言が嘘偽りの無い事実であった場合、Eliza Valentineはキュウコンがロコンであった頃から含めて1,000年近く共に生きていることになります。局員は市民からEliza Valentineの居住地を聞き出し、応援の局員を伴ってEliza Valentine宅を訪問しましたが、局員が到着した時点では既に彼女の姿は無く、家財一式と共に家を引き払った後でした。当局は本案件を案件#95587、Eliza Valentineを参考人#95587と指定、捜索が開始されました。

参考人#95587について各地でヒアリングを実施したところ、彼女の素性に関するいくつかの証言が得られました。以下は参考人#95587に関する証言の一覧です。

証言#95587-1:
参考人#95587は穏やかな性格をしており、庭でハーブを育てたり油絵を描くなど、悠々自適の生活を送っていたように見えました。傍らにはいつもキュウコンが帯同しており、参考人#95587を護っていたように思います。外見は20代後半から30代前半ではっきりとは判別できませんが、いずれにせよ年老いているわけではなかったという点では間違いありません。これに加えて、庭で子供が遊んでいる光景を何度か見ています。
証言#95587-2:
参考人#95587の元には時々地元の子供たち、特に女の子が訪れ、何がしかのレッスンをしていたように見えました。雰囲気としてはピアノやバイオリンのような楽器を教えているように思えましたが、具体的に何を教えているのかは分かりませんでした。女の子は中学に上がるかトレーナーとして旅立つ頃には参考人#95587の家を訪問しなくなり、また別の子供たちがやってくるというサイクルが繰り返されていました。
証言#95587-3:
夜間になると参考人#95587の家は消灯されていることが多く、その間参考人#95587はどこかへ出かけていたようです。どこへ行っていたのかは分かりませんが、少なくとも近隣で見かけたことがないのは間違いありません。車を持っているわけでもなく、公共交通機関も整備されているとは言えないので、普段どこへ出かけているのか不思議でなりませんでした。時には数日家を空けていることもあったように思います。
証言#95587-4:
以前参考人#95587の家へ誘われて遊びに行った子供が、参考人#95587が不思議なものを見せてくれたと話していました。具体的には何がどう「不思議」だったのか聞くと要領を得ない答えが帰ってくるのみでしたが、とりあえず何かを見たというのは間違いなさそうです。以前から思いも寄らぬ場所にいたりすることもあって、何人かは参考人#95587のことを「魔女」というあだ名を付けていたそうです。

いくつかの不審な点が見られることから、当局では参考人#95587が何らかの特異な能力、あるいは特異体質の持ち主であるとの前提の元に、現在も捜索を続けています。

Supplementary Items:

本案件に付帯するアイテムはありません。

 

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体名・事件とは、一切関係ありません。

※でも、あなたがこの物語を読んで心に感じたもの、残ったものがあれば、それは紛れも無い、ノンフィクションなものです。