Basic Informations:
- Subject ID:
- #102428
- Subject Name:
- 廃棄された月面ポケモンセンター
- Registration Date:
- 2002-06-17
- Precaution Level:
- Level 2
Handling Instructions:
施設#102428は通常の手段では物理的なアクセスがほぼ不可能な位置に存在し、また天体観測によっても発見することが極めて困難であるため、現状以上の保護措置は必要ありません。ホウエン地方トクサネシティ第三支局に所属する本案件担当の局員は、月面に配備した監視用ドローンから送られてくる情報を日々収集・整理し、異常が無いかを確認してください。施設#102428内の探索結果については、資料R-102428-13に取りまとめられています。
Subject Details:
案件#102428は、月面に存在するポケモンセンターに類似した由来不明の施設(施設#102428)と、それに掛かる一連の案件です。
本案件の中核に位置付けられる施設#102428が発見されたのは、当局とトクサネ宇宙開発事務局が連携して打ち上げた月面探査機「かとれあ」の運用開始直後のことでした。月面にこれまで確認されていなかった施設が確認され、速やかに調査を行うことが決定されました。「かとれあ」を経由して探査用ドローンを展開して一次調査が行われ、その特異性から案件の立ち上げが決定されました。
施設#102428は、月面のポイント276にて発見された、恐らくかつてポケモンセンターだったと推定される未知の施設です。外装は各地に存在する一般的なポケモンセンターとほぼ同様であり、随所にポケモンセンター特有の意匠が見られます。付近に設置された看板には「ポケモンセンター月面第壱支局」と書かれています。これは地球に存在する特異性の無いポケモンセンターの命名規則とほぼ一致するものですが、唯一漢数字の「一」ではなく「壱」が使用されている点で異なっています。
内部についても一般的なポケモンセンターと概ね一致する間取りとなっており、長年放置されたことによる経年劣化の兆候こそ見られますが、ほとんどの設備や備品がそのまま残されています。確認されたのは植木10本、小型椅子20個、大型椅子6個、1990年代後半に見られたモデルのデスクトップコンピュータ10台(業務用2台、利用者用8台)、標準的なリカバリーマシン、未知のベンダーのロゴが描かれた自動販売機3台、広報やチラシを積載したカタログラック2台などです。デスクトップコンピュータに付いては、利用者向けに用意された8台分はいずれも電源が入っておらず、現在は稼働していません。残る2台については現在確認中です。
探査用ドローンの機能不足のために、施設#102428の全貌に付いては未だ明らかになっていません。しかしながらこれまでに数十回に渡って行われた調査により、この施設が明らかにポケモンセンターとしての機能を提供していたこと、何らかの理由によりかなりの長期間(推定で200年ほど)放置されていたこと、そして内部に残された備品が放置された期間と比べて経年劣化のペースが著しく遅いことなどが判明しました。
これまでに月面にポケモンセンターが建設された記録は無く、また現時点においては将来的に建設するという計画も存在していません。施設#102428の由来と建設された背景、そして廃棄されるに至った経緯についての調査が行われています。
[2003-03-14 Update]
月面探査機「かとれあ」に搭載したアイテム転送装置を使用し、現地に最新式の多機能ドローンを送り込みました。このドローンは従来機よりも行動範囲が広く、より精細な操作が可能です。すべての準備が整ったところで、24回目となる施設#102428の探査が実施されました。
探査セッション24において、これまで詳細が明らかになっていなかった業務用のデスクトップコンピュータ2台が存在するポイントへの進入が行われました。セッション中にドローンが端末の1台に接続されているマウスに誤って接触した際、スクリーンのロックが解除されパスワードの入力を求める画面が表示されました。これは施設#102428で発見された設備/備品の中で、唯一稼働が確認されたものになります。
端末のパスワードを解読してログインを試みる提案がなされましたが、物理的な試行の困難さから現在は保留された状態になっています。
Supplementary Items:
本案件に付帯するアイテムはありません。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体名・事件とは、一切関係ありません。
※でも、あなたがこの物語を読んで心に感じたもの、残ったものがあれば、それは紛れも無い、ノンフィクションなものです。