Basic Informations:
- Subject ID:
- #106386
- Subject Name:
- 完全に無害なヘドロ
- Registration Date:
- 2003-09-18
- Precaution Level:
- Level 2
Handling Instructions:
携帯獣#106386と同等の性質を持つベトベター/ベトベトンを発見した、あるいは市民から発見の報告を受けた場合は、一般的な手順にて捕獲した上で、速やかにカントー地方タマムシシティ第六支局まで移送してください。タマムシシティ第六支局には、携帯獣#106386が生育可能な環境が整備されています。携帯獣#106386はその性質上、外界にて長期間生存することは困難であると判明しています。
タマムシシティ第六支局にて携帯獣#106386の生育に当たる局員は、携帯獣#106386の収容フロアを常に清潔に保ち、一日に二度、殺菌された水と専用に調合された固形食品を給餌してください。これら以外の飲食物は例外なく携帯獣#106386にとって有毒/有害なものとみなされ、健康状態に悪影響を及ぼすことが分かっています。実験目的を除いては、指定された飲食物以外は決して与えないでください。
性別の異なる携帯獣#106386同士を、決して同一のフロアに収容してはいけません。この条件を満たした場合、♀の個体がタマゴを生む可能性があります。携帯獣#106386のつがいからは非常に高い確率で通常のベトベター個体が孵化するため、放置した場合は携帯獣#106386の死亡に繋がります。収容フロア内でタマゴを発見した場合は、可及的速やかにフロアから除去してください。
Subject Details:
案件#106386は、ある特異な性質を持つベトベター及びベトベトン個体(携帯獣#106386-1及び携帯獣#106386-2、総称して携帯獣#106386)と、それに掛かる一連の案件です。
携帯獣#106386が初めて確認されたのは、2003年7月頃のことです。当局がポケモンセンターへ設けている窓口に、市民から「子供がベトベターと遊んでいるのを見て止めさせたが、ベトベターの様子が何かおかしかった」との申し出が寄せられました。局員が通報者と共に現場へ向かうと、外見上特に異常なところは見られないベトベターが這っていましたが、ベトベターの特徴である異臭/悪臭がまったく生じていないという点に気が付きました。局員は通常のモンスターボールを用いて対象を捕獲、初期調査を実施しました。
その後、同種の特徴を持つベトベター及びベトベトン個体が立て続けに3体発見・捕獲(うち1体は捕獲直後に死亡)され、初期調査では判明しなかった特徴が多数判明しました。異常性ありと判断した局員は詳細を取りまとめて本部へ報告、新規の案件として承認されました。
携帯獣#106386は、外見上は異常性の無いベトベターまたはベトベトン個体と差異が見られませんが、体組織が人体及び携帯獣に対して一切の有毒性を発揮しないという特異な性質を有しています。人間や携帯獣が携帯獣#106386に直接接触しても何ら悪影響は無く、極端な事例では携帯獣#106386を摂食しても健康に問題が生じることはありません。この場合、体組織は胃液によって完全に消化されることが分かっています。この性質のため、通常のベトベター及びベトベトン個体から生じる悪臭は、携帯獣#106386からは一切生じません。
もう一つの特徴として、携帯獣#106386は通常個体に比して自身の耐毒性について著しく低下しているか、もしくは耐毒性を有していません。このため携帯獣#106386が通常個体と接触した場合、治療・回復の措置を執らなければほぼ100%の確率で死に至ります。これに限らず、人体には明らかな影響を及ぼさない程度の有毒物質であっても過敏に反応し、衰弱を引き起こすことが分かっています。携帯獣#106386が摂取する食物についても例外では無く、専用に調整された食料を除いては、新鮮な果実や野菜類といった限られた食物しか摂食することができません。
携帯獣#106386が毒性を有していない明確な理由は不明です。通常のベトベター/ベトベトン個体が突然変異を起こしたという仮説が有力ですが、完全に別種の携帯獣である可能性も示唆されています。しかしながら現状、携帯獣向けに開発されたあらゆるデバイスは、携帯獣#106386を例外なく通常のベトベターまたはベトベトンであると認識しています。案件担当者は、携帯獣#106386の由来についてのさらなる調査が必要であると報告しています。
Supplementary Items:
本案件に付帯するアイテムはありません。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体名・事件とは、一切関係ありません。
※でも、あなたがこの物語を読んで心に感じたもの、残ったものがあれば、それは紛れも無い、ノンフィクションなものです。