Basic Informations:
- Subject ID:
- #109108
- Subject Name:
- ヒワダ第三小学校のホームページ
- Registration Date:
- 2004-07-29
- Precaution Level:
- Level 3
Handling Instructions:
ウェブサイト#109108を市民が偶発的に閲覧する事例を防止するため、国内の大手インターネットサービスプロバイダには当局の定めるコンテンツフィルタが導入されています。コンテンツフィルタによってウェブサイト#109108がブロックされた回数は月次で集計され、統計的に異常な頻度でブロックが行われていないかを案件担当者が検査します。
ウェブサイト#109108は不定期に未知の手法でコンテンツフィルタを無効化するため、フィルタのアップグレードが必要になります。フィルタの無効化が検知された場合、案件担当者は所定の技術スタッフへ様式F-109108に沿って報告とサンプルの提出を行ってください。通常一週間以内に、インターネットサービスプロバイダに提供するフィルタの開発が行われます。
ウェブサイト#109108が指し示す学校施設(施設#109108)の捜索が続けられています。施設#109108はこれまで得られた多くの証跡から実在しないものと推定されていますが、いくつかの資料は施設#109108がかつて存在した可能性を示唆しています。施設#109108についての情報が得られた場合、速やかに案件担当者へ連絡してください。
案件担当者は、少なくとも直近4年以内に失踪した親族のいない局員から選ばれなければなりません。案件の担当中に親族の失踪が認められた場合、案件担当者を速やかに変更する必要があります。
Subject Details:
案件#109108は、インターネット上で観測される「ヒワダ第三小学校」なる未知の学校施設(施設#109108)のウェブサイト(ウェブサイト#109108)と、それにかかる一連の案件です。
ウェブサイト#109108が始めて観測されたのは、2004年の6月下旬です。ウェブサイト#109108を閲覧した市民から「数年前行方不明になった従兄弟に似た人物が写真に映っている」との申出があり、応対に当たった局員が詳細なヒアリングを行いました。ヒアリングの結果異常性が認められたため上席に報告し、案件として取り扱うことが決定されました。
ウェブサイト#109108は、その内容から施設#109108の公式ウェブサイトと見なされているサイトです。ドメイン名として「hiwada-daisan.ed.jp」が割り当てられていますが、同名の教育機関向け(.ed.jp)ドメインが貸し出された記録は見つかっていません。体裁は一般的に見られる小学校のウェブサイトのものと類似しており、ソースコードからはウェブサイトの開発にアイ・ビー・エムの「ホームページ・ビルダー」のバージョン6.5を使用していることが確認できます。サイトの作りは全体として質が低く、一部のクライアントではレイアウトが著しく乱れます。ウェブサイト#109108を閲覧することによる人体や機器への直接の影響は一切なく、閲覧後の機器や閲覧者に対し特異な事象が発生するケースは確認されていません。
ウェブサイト#109108の特異性は、ウェブサイト内に貼り付けられた写真の被写体として、ウェブサイトの更新から六年以内に行方不明になった市民と同定可能な人物が頻繁に映り込んでいることです。被写体は確認されたすべてのケースで七歳から十二歳程度の児童の姿をしており、他の行方不明者や他の未知の児童と共に学校行事に参加している様子が観測されています。失踪者の本来の年齢に関わらず、被写体となった失踪者は例外なく児童の姿をとっています。
ウェブサイト#109108は不定期に更新され、その都度「学年だより」として学校行事の様子を撮影した写真がアップロードされます。過去にアップロードされた写真はすべて残され、いつでも閲覧が可能です。これまでに確認された学校行事は、運動会・遠足・合唱など一般的に小学校の学校行事として異常性のないものが大半を占めていますが、2001年7月の更新では「精霊流し」、2002年2月の更新では「針供養」といったように、一般的に見て学校行事とは見なされないものが複数確認されています。
少なくとも本稿執筆時点において、ウェブサイト#109108に掲載されている写真及び文章中に、携帯獣及び携帯獣と強い関連のある事項についてはまったく出現が認められません。過去に数回飼育小屋の様子が撮影された写真が掲載されましたが、飼育されているのはいずれもウサギやニワトリといった非携帯獣の生物のみです。現在の学習指導要領では、児童が飼育する生物として携帯獣のみが指定されています。
施設#109108については、入手可能な記録の多くから、実在する学校施設ではないと考えられています。「ヒワダ第三小学校」なる小学校が実在する記録はなく、また過去に設立された記録も存在しません。ただしいくつかの証跡は、「ヒワダ第三小学校」が伝聞や噂話の形で認知されていたことを示しています。その場合「幽霊が集まる小学校」「普通では行くことのできない学校」という文脈で登場し、通常の学校機関としての機能を備えた組織ではないことが読み取れます。
被写体として登場する行方不明者については、特にポケモントレーナーとして活動中に失踪した人物が多く含まれていることが確認されています。その多くは小学校を卒業しておらず、トレーナー資格を取得すると同時に地元を出ていることが分かっています。施設#109108が小学校と思しき施設であることを踏まえ、何らかの関連性があるとの見方が示されています。
Supplementary Items:
本案件に付帯するアイテムはありません。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体名・事件とは、一切関係ありません。
※でも、あなたがこの物語を読んで心に感じたもの、残ったものがあれば、それは紛れも無い、ノンフィクションなものです。