Basic Informations:
- Subject ID:
- #110804
- Subject Name:
- シンオウ地方241番道路
- Registration Date:
- 2005-02-11
- Precaution Level:
- Level 1
Handling Instructions:
対象は物理的な保全が不可能なため、存在の有無を突き止めるための作業に焦点を当ててください。管理局が入手した物件からは間接的に存在が示唆されていますが、これまでのところ実在した/実在しているという証拠は得られていません。新たな物証、または証言が得られた場合は、既に得ている資料との整合性を検証してください。矛盾している場合も、それらには変更を行わずにそのまま保全対象に加えてください。
得られた物証は、第十四低異常性取得物保管庫のブロック2-Hにある棚へ保存してください。研究のため物証を持ち出す場合、様式F-110804に所定の内容を記述し、ワークフローを回付してください。それぞれの物証について異常性は見られないため持ち出しが許可されていますが、紛失を防ぐため持ち出しに際しては必ず一人以上の局員が付き添うことが求められます。保管庫への入退出時は監査ログが記録されます。
Subject Details:
案件#110804は、これまでのところ実在が確認されていないシンオウ地方241番道路と呼ばれる未知の道路と、その存在を示唆する物証からなる一連の案件です。
2005年初頭にホウエン地方ムロタウンにあるポケモンセンターから案件管理局へ通報があり、本件の存在が提起されました。ムロタウンのポケモンセンターでは日々「ポケモン預かりシステム」との通信ログを集計し、システムの稼働統計レポートを自動作成する運用となっていましたが、その際2件の例外データが発生していることを確認しました。サービスエンジニアが例外扱いとなった2件のログを確認したところ、それらはいずれも携帯獣の出身が「シンオウ地方241番道路」と記録されていたことが判明しました。例外データとして除外されたのは、稼働統計レポート作成に使用されるバッチジョブがこの道路を認識できなかったことが原因です。対象の携帯獣は既にトレーナーによって「ポケモン預かりシステム」から引き取られていたため、その時点ではさらなる調査は難しいと判断されました。
その後、同様の通報がカントー地方シオンタウン、及びジョウト地方エンジュシティのポケモンセンターからも寄せられました。通報の内容はいずれも存在しない道路の名称が記録されているというものです。この段階になって、管理局ではこのデータ異常を案件として取り扱うことが決定されました。
管理局による広範な調査においても、シンオウ地方241番道路なる道路が存在した記録は見つかりませんでした。しかしその後も、各方面からシンオウ地方241番道路の存在を示唆する物証が次々に寄せられています。以下はその一覧です:
- 物証#110804-1/2005-04-30取得
- カントー地方セキチクシティにて運営されている自然公園「サファリゾーン」にて、他地域から受け入れた一部の携帯獣の移動履歴に「シンオウ地方241番道路」が記録されていることが確認されました。それらの携帯獣は一般のポケモントレーナーからの寄贈という扱いでサファリゾーンへ持ち込まれましたが、該当するトレーナーのIDは既に登録を抹消されていました。
- 物証#110804-2/2005-06-09取得
- 数ヶ月前にサービスが開始されたGoogle Inc.が提供する地図情報サービス「Google Maps(グーグル マップ)」にて、地名のオートコンプリートの候補として「シンオウ地方241番道路」が登場しました。オートコンプリートのリストに現れるにもかかわらず、実際の検索ではこの道路は検索結果に現れません。本件について、Google Inc.の窓口担当者に詳細な調査依頼を出しました。
- 物証#110804-3/2006-01-14取得
- シンオウ地方ミオシティにある「ミオ図書館」に収蔵されていた1985年発行の古い学習用の地図帳に、索引として「シンオウ地方241番道路」が存在しました。索引は実際には機能しておらず、該当するページ内に「シンオウ地方241番道路」は存在しません。地図帳の出版社は1992年に経営破綻し、現在は清算されています。
- 物証#110804-4/2006-02-19取得
- ホウエン地方カイナシティにある造船所の駐車場に放置されたナンバープレートの無い自動車を駐車場の管理者が撤去しようとした際、中から「1/18 シンオウ241番道路にて合流」と走り書きされた付箋が発見されました。車両の所有者に関する情報は車内に残されておらず、その他の物証は異常性を示しませんでした。車両はよく整備され、燃料も最大まで補給された状態で放置されていました。
- 物証#110804-5/2006-02-28取得
- オーレ地方にて活動中の局員から、地域で催されたバザーにて「シンオウ地方241番道路」について言及した書籍を入手したとの報告がありました。書籍のタイトルは「シンオウぶらりひとり旅」、著者は「守田 博彦」、出版社「明星出版」、出版年は1978年となっています。タイトル・著者・出版社はいずれも実在したという記録がありません。後に局員から送付られた書籍を確認したところ、著者が241番道路を経由してクロガネシティへ向かったとの記述が見つかりました。いかなる資料においても、クロガネシティから241番道路なる道路へ接続していたという記録はありません。
- 物証#110804-6/2006-07-18取得
- カントー地方トキワシティの遺失物保管所に、数十枚のデジタル写真が保存されたUSB接続のフラッシュメモリが届けられました。管理局が内容を確認したところ、「241」と記された看板の写り込む積雪した道路の写真が数枚発見されました。残る写真はそれらと関連の無い道路を撮影したものですが、いずれの写真にも人影は見当たりません。フラッシュメモリの所有者は今に至るまで現れていません。
- 物証#110804-7/2007-03-07取得
- かつてカントー地方ハナダシティに住んでいた、現在はジョウト地方アサギシティ在住の男性が、「小学生の頃にシンオウ地方241番道路で消息を断った同級生がいた記憶がある」と知り合いに話していたことが分かりました。男性から同意を得た上でヒアリングを実施し、その記憶に間違いは無いとの証言を得ました。男性によると同級生は女の子で、シンオウへ旅に出たまま失踪、その後行方不明のまま葬儀が行われたとのことでした。該当するトレーナーの洗い出しが進められています。
シンオウ地方在住のおよそ30,000人に対する無作為の聞き取り調査の結果では、3,419人から241番道路を通過したことがあるとの回答が得られました。どのような経路で通過したかという質問の結果は、統計的に有意な結果が一切見られない著しく矛盾したものとなりました。
Supplementary Items:
本案件に付帯するアイテムはありません。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体名・事件とは、一切関係ありません。
※でも、あなたがこの物語を読んで心に感じたもの、残ったものがあれば、それは紛れも無い、ノンフィクションなものです。