Basic Informations:
- Subject ID:
- #113064
- Subject Name:
- クリムゾン・ガーデン
- Registration Date:
- 2005-10-30
- Precaution Level:
- Level 3
Handling Instructions:
エリア#113064の周囲1kmは立ち入り禁止区域として封鎖し、人間及び携帯獣が進入できないよう常時警戒を維持します。エリア#113064への進入を試みた人間は例外なく拘束し、進入した理由についてヒアリングした後、必要に応じてプロトコルUXによる記憶処理を実施の上解放してください。
エリア#113064内に出現したオブジェクト(オブジェクト#113064)及び携帯獣に近似した生体(生体#113064)については、都度回収すべきかを判断の上、必要に応じて回収を行ってください。回収したオブジェクト#113064並びに生体#113064はエリア#113064から少なくとも20km以上離れた支局にて保管し、異常特性の有無について確認します。異常特性が確認された場合、エリア#113064における事象と関連性があるかを確認してください。
エリア#113064の起源を探る試みを続けてください。エリア#113064はかつて異常特性を保持していないことが確認された時期があり、ある特定のタイミングで現在の状態へ遷移したものと考えられています。エリア#113064が異常特性を発現させた時期及びその原因について調査し、レポートへ取りまとめてください。
Subject Details:
案件#113064は、さまざまな異常現象(事象#113064)が頻繁に発生する廃棄された公園(エリア#113064)、エリア#113064で確認されるオブジェクト(オブジェクト#113064)並びに各種の携帯獣に近似した生体(生体#113064)、及びそれらに掛かる一連の案件です。
エリア#113064はカロス地方ハクダンシティ南部にある公園で、都市計画の一環として1990年代後半に閉鎖された経緯があります。ハクダンシティの行政担当者に対するヒアリングから、閉鎖された時点ではエリア#113064には何ら異常な点は見られなかったことが明らかになっています。一方現在エリア#113064にて発生する各種の事象#113064については、当局の調査で少なくとも2002年頃から市民の間で目撃されていたことが分かりました。
エリア#113064にはかつて公園として利用されていた際に設置された遊具及び公共施設(休憩所及びトイレ)が残置されており、それらは公園が閉鎖された年代から見て一致するレベルで風化/老朽化の兆候を見せています。すべての遊具及び公共施設には、携帯獣の「フシギダネ」「モンジャラ」「マダツボミ」系統の身体器官と近似した構造を持つ蔓状の生体が絡み付いています。当局による複数回の除去にも関わらず、除去されて十二時間以内に蔓状の生体は完全に再生します。生体は切断すると人間の血液に類似した赤色の液体を流出させますが、成分分析の結果は著しく異なっていました。
事象#113064は、エリア#113064で発生する特異な事象です。事象#113064の発生は完全に不定期で、確認された限り37分から46日の様々な間隔を空けて発生しています。事象#113064には特異なオブジェクトであるオブジェクト#113064、外見上携帯獣に酷似した生体である生体#113064の出現と消失が伴うケースが存在します。
オブジェクト#113064及び生体#113064については、いずれか一方が出現するケース、両方が出現するケース、いずれも出現が確認できなかったケースのすべてが確認されています。また、出現後に一切の痕跡を残さずすべて消失するケース、一部を残して消失するケース、すべてのオブジェクト#113064及び生体#113064が残置されるケースのいずれもが確認済です。これらの出現物の由来は不明です。
以下はこれまでに当局が確認した、エリア#113064における事象#113064の記録の抜粋です:
- [事象#113064-1]
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確認日時: 2005-10-20 23:09
事象詳細: エリア#113064に進入した市民が撮影した動画で確認された事象#113064。当局が記録している中で最古の事象#113064。敷地内に赤色のバケッチャが64体(生体#113064-1-1から-1-64に分類)出現し、腹部から赤色の光を放っている。撮影時に市民は生体#113064-1について視認しておらず、撮影した動画を後日確認した際に映り込んでいたと証言。後に実施した当局による調査では、生体#113064-1については例外なく消失していたが、バケッチャ由来の南瓜の種子(オブジェクト#113064-1-1から-1-28に分類)が残されていた。オブジェクト#113064-1について異常性は確認されず。 - [事象#113064-2]
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確認日時: 2005-10-24 16:28
事象詳細: 当局がエリア#113064に監視カメラを複数台配備してから初めて確認された事象#113064。葉に相当する部分が赤色化した6体のナゾノクサ(生体#113064-2-1から-6に分類)が、廃棄された遊具の一つである滑り台を降りている光景が映像に記録されていた。記録された時間帯は監視を担当する局員が交代のため持ち場を離れており、生体#113064-2を直接視認することには失敗した。 - [事象#113064-3]
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確認日時: 2005-10-25 05:44
事象詳細: 赤色の花を持った13体のフラベベ(生体#113064-3-1から-13に分類)が突如としてエリア#113064に出現し、その後ほぼ同時に一斉に生命活動を停止した。生体#113064-3はすべて回収された。後に実施された情報化試験による生体#113064-3の分類は、全個体が「シェルダー」と判定されるという結果に終わっている。 - [事象#113064-4]
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確認日時: 2005-11-02 08:09
事象詳細: 監視に当たっていた全局員が「一般的な個体の七倍近い大きさの巨大な赤いフシギバナ(生体#113064-4-1に分類)」を目撃したと証言。映像記録には何ら異常は見られず、後に実施された調査では生体#113064-4-1の実在を示す痕跡は何一つとして発見されなかった。映像記録は途中で乱れており、データを確認したところ、08:34以降のデータがすべて「003」のパターンの繰り返しで埋められていたことが判明した。機材の入れ替えを実施。 - [事象#113064-5]
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確認日時: 2005-11-02 22:56
事象詳細: エリア#113064の奥にある手洗いのすべてのトイレから、蔦状の生体を切断した際に流出するものと一致する赤い液体が溢れるという事象が発生。液体は40分近く流れつづけた後、土壌に浸透する形で消失。直後に行われた調査で、手洗い周辺の土は乾燥していたことが判明。トイレに赤い液体の痕跡は残されていなかった。 - [事象#113064-6]
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確認日時: 2005-11-07 13:27
事象詳細: 遊具や施設に絡み付いている蔦状の生体で編まれた136個のリース(オブジェクト#113064-6-1から-136に分類)がエリア#113064の広範囲に渡って降り注ぐという事象が発生。オブジェクト#113064-6はすべて回収されたが、16時間後に保管していた倉庫からすべて消失していたことが発覚。倉庫に備え付けていた監視カメラの映像を確認したところ、オブジェクト#113064-6が自然集合して赤いモンジャラ(生体#113064-6に分類)を構成し、その後突如として消失したことが分かった。生体#113064-6の行方は不明。 - [事象#113064-7]
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確認日時: 2005-11-10 17:22
事象詳細: 監視に当たっていた局員のうち数名について、衣服のポケットに赤い未知の種子(オブジェクト#113064-7-1から-19に分類)が不明なタイミングで入れられていた。全局員を召集の上オブジェクト#113064-7を回収、一部をサンプルとして保管し、残ったものは焼却処分した。 - [事象#113064-8]
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確認日時: 2005-11-12 07:01
事象詳細: 局員が持ち込んでいたラップトップ端末の内蔵ハードディスクに、エリア#113064内で赤いスボミーに如雨露で水を与えている8歳前後の少女を撮影した画像ファイルが278枚追加されていた。画像ファイルは外見上全ファイルが完全に一致するにも関わらず、ファイル比較ソフトウェアを使用した検証はすべてが著しく異なるファイルであるとの結果を示した。画像ファイルをすべてCD-Rへ書き込んだ後、オリジナルのファイルは消去した。 - [事象#113064-9]
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確認日時: 2005-11-30 21:18
事象詳細: エリア#113064の中央付近の地中から赤いヒマナッツ(生体#113064-9-1から-6に分類)の群れが姿を表し、携帯獣の「タマタマ」のような動きをしながら21分間に渡ってエリア#113064内を徘徊する事象が発生。その後生体#113064-9は沈黙し、生命活動を停止したことが確認された。情報化試験による判定結果は、対象は一貫して「携帯獣ではない」というものになっている。
事象#113064の内容は発生する都度著しく異なりますが、そのほぼすべてに関して、赤い色をした携帯獣と思しき生体またはオブジェクトが関与していることは特筆すべきことです。案件担当者からは、事象#113064と何らかの関係があるとの仮説が提起されています。
Supplementary Items:
本案件に付帯するアイテムはありません。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体名・事件とは、一切関係ありません。
※でも、あなたがこの物語を読んで心に感じたもの、残ったものがあれば、それは紛れも無い、ノンフィクションなものです。