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#113452 発掘する者

Basic Informations:

Subject ID:
#113452
Subject Name:
発掘する者
Registration Date:
2005-12-14
Precaution Level:
Level 4

Handling Instructions:

非異常のウリムーと携帯獣#113452を外見で判別することは不可能であり、未収容の携帯獣#113452が多数存在していると推定されています。案件担当者並びに収容チームに割り当てられた局員は、野生のウリムーを確認した場合速やかに手順ガランサス-Dを実行し、対象のウリムーが非異常か否かを確認してください。ウリムーが行動#113452によってオブジェクト#113452を地中から発掘した場合、対象を携帯獣#113452として直ちに捕獲、収容してください。捕獲後はジョウト地方フスベシティ第六支局まで移送してください。

収容された携帯獣#113452はモンスターボールへ格納の上、定期的な健康診断を除いては外部へ解放しない措置を取ります。外部へ解放する場合、携帯獣#113452が地面を掘ることができない室内またはコンクリート等で舗装された床のある場所で実施してください。決して地面を掘ることが可能な場所で解放してはいけません。

携帯獣#113452が発掘したオブジェクト#113452は、ジョウト地方フスベシティ第六支局に併設された中異常性物品保管庫のブロックC-12に、それぞれタグ付けを行った上で保管してください。オブジェクト#113452を使用した実験を行う場合、事前に案件担当者及び拠点監督者の承認を得た上で、複数名の立会いの元で実施してください。携帯獣#113452に新たなオブジェクト#113452を発掘させる試みは、予期しない事案を引き起こす可能性があるため承認されません。

Subject Details:

案件#113452は、地中から様々な異常特性を持つアイテム(オブジェクト#113452)を発掘する動作(行動#113452)を行うウリムーの異常個体(携帯獣#113452)と、それらに掛かる一連の案件です。

2005年11月下旬頃、ジョウト地方を中心に携帯獣の保護を行っている非政府組織から、当局に対して「その場にあるはずがないものを掘り起こすウリムーを保護した」との通報が寄せられました。当局は当該非政府組織よりウリムーを引き取った上で収容し、初期調査により通報された通りの異常特性が確認されたため、この携帯獣と異常物品を収容するための案件立ち上げが行われました。

携帯獣#113452は、外見上一般的な個体と一切の相違が見られないウリムーです。生態や習性、食性などについても一般的なウリムー個体と顕著な違いは見受けられず、後述する行動#113452を行うことを除いては非異常性の個体と差異は無いと考えられています。

行動#113452は、携帯獣#113452が取る動作の一つです。携帯獣#113452が不意に地面を掘り始め、その後三十分以内にオブジェクト#113452を発掘するというものです。行動#113452の開始後は、外部から行動#113452を妨害(モンスターボールへ格納する、物理的に携帯獣#113452を移動させる等)しない限り、必ずオブジェクト#113452が発見されます。これまでに観測された事例において、オブジェクト#113452が発掘されなかったパターンは確認されていません。

行動#113452の発生には3つのパターンが存在しますが、発生後に携帯獣#113452が取る行動と、最終的な行動#113452の結果に相違は見られません。第一のパターンは、所有物を紛失/遺失した経験のある人間が携帯獣#113452の3メートル以内に接近することです。第二のパターンは、何らかの物品を欲しいと考えている人間が携帯獣#113452の3メートル以内に接近することです。第三のパターンは、第一及び第二のパターンの条件を満たさないにもかかわらず携帯獣#113452が不意に行動#113452を開始するというものであり、開始のための正確な条件は分かっていません。いずれかのパターンに基づく条件が満たされ、かつ携帯獣#113452が「地面を掘削できる」と判断した場合、行動#113452が開始されます。

オブジェクト#113452は、携帯獣#113452の行動#113452によって掘り起こされるアイテムであり、異常特性を持つケースと非異常性のケースが混在しています。これまでに確認されたオブジェクト#113452のリストは下記の通りです:

[オブジェクト#113452-1]
袋詰めにされたヌイコグマドール。状態は新品と同様で、異常特性は確認されず。これまでに発見された中で最古のオブジェクト#113452である。発見した非政府組織の職員の証言によると、携帯獣#113452の発見時にオブジェクト#113452-1が既に掘り起こされた状態だったとのこと。近隣を通りがかった市民に反応して動作#113452が行われたと推測されている。
[オブジェクト#113452-2]
ステンレス製の水筒。中には冷たい紅茶が詰められており、いくら消費しても量が減らない異常特性を持つ。紅茶について異常は見られず。携帯獣#113452による動作#113452によって発見されたのち非政府組織の職員が個人的に保有しており、その後本人の申し出により当局が収容対象とした。当該職員からヒアリングを実施したところ、職員は「紅茶が飲みたいと思っていた」と語ったため、この職員がトリガーとなって動作#113452が行われたと結論づけられている。
[オブジェクト#113452-3]
プラスチックケースに収められたCD-R。ディスクにはAdobe社のソフトウェア製品である「Adobe Acrobat」の最新版が収録されていたが、本来製品に施されているプロテクトがすべて解除された上で、非異常性の製品には存在しない機能が複数追加されていた。オブジェクト#113452-2と同様、職員が同ソフトウェアを求めていたことが理由と判断。
[オブジェクト#113452-4]
キーホルダー付きの鍵。発見した非政府組織の職員が在住するマンションに対応した鍵。鍵は意図した通りマンションの共用玄関と自宅の扉を解錠できるが、それに加えてマンションの敷地内に存在するあらゆる扉を解錠できる異常特性を持つ。職員の子供が数日前に鍵を紛失しており、携帯獣#113452がそれを読み取って掘り起こしたものと推測。
[オブジェクト#113452-5]
アルミ性の箱に詰められた、毒属性を持つ携帯獣に対しても意図した効果を発揮する致死性の猛毒が封入された注射器10本。非政府組織の職員が不在の際に掘り起こされたオブジェクト#113452であり、このオブジェクト#113452の発見により非政府組織から当局へ通報がなされた。
[オブジェクト#113452-6]
糸電話の形状をした未知の通信機器。糸は地面につなげられており、具体的な全長は不明。耳に当てると一般的な電話の発信音が聞こえる。当局と非政府組織による収容手続きが行われている最中、携帯獣#113452が掘り起こしたもの。携帯獣#113452が収容違反を起こそうとした可能性があると見られ、即座に糸を切断して収容。破壊されたにもかかわらず、現在も電話の発信音が聞こえる状態である。
[オブジェクト#113452-7]
日焼けした状態の書籍「シンオウぶらりひとり旅」。著者は「守田 博彦」、出版社は「明星出版」、出版年は1978年となっている。該当する書籍は発行されたことが確認できず、内容には実際のシンオウ地方における地理から大きく乖離した記述や写真が多く見られる。携帯獣#113452の収容が行われる二週間前に退職した非政府組織メンバーの自宅から発見された。当該メンバーは現在行方不明となっている。

オブジェクト#113452は携帯獣#113452による行動#113452でのみ取得できるようで、携帯獣#113452が行動#113452を開始した直後に携帯獣#113452をモンスターボールへ収容し、当局の手で同じ場所を採掘した場合は、すべてのケースにおいて一切の物品を見つけることができないという結果に終わっています。このことから、携帯獣#113452がオブジェクト#113452を生成している可能性が強く示唆されています。

Supplementary Items:

本案件に付帯するアイテムはありません。

 

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体名・事件とは、一切関係ありません。

※でも、あなたがこの物語を読んで心に感じたもの、残ったものがあれば、それは紛れも無い、ノンフィクションなものです。