Basic Informations:
- Subject ID:
- #137972
- Subject Name:
- フェアリー・システム
- Registration Date:
- 2014-09-21
- Precaution Level:
- Level 1
Handling Instructions:
機器#137972と拡張機器#137972はそれぞれ異なる低異常性物品用の汎用金庫に保管し、開錠に必要な暗証番号を案件担当者と副担当者がそれぞれ設定します。機器#137972と拡張機器#137972は相互に接続されていない限り、異常な性質を発揮することはありません。機器#137972に対応するその他の拡張機器#137972の存在が示唆されており、今後拡張機器#137972の回収に成功した場合、拡張機器#137972について再分類が行われる可能性があります。
Subject Details:
案件#137972は、ある限定的な特異性を持つ機器(機器#137972)及びその拡張機器(拡張機器#137972)、及びそれらに係る一連の案件です。
2014年8月中旬、カロス地方ミアレシティ北東部に位置する建物の管理者より、かつての入居者が残置した物品を確認及び回収してもらいたいとの依頼が寄せられました。該当するテナントが要注意団体の一つである「エーテル財団」の活動拠点であったことから、当局は専任の回収チームを派遣して作業に当たらせました。物品の接収は成功裡に終了し、残置されていた物品はすべて当局が回収しました。機器#137972及び拡張機器#137972は、この回収作戦の実行時に発見されたものです。
機器#137972は外見上ヒューレット・パッカード社製のラップトップ型コンピュータ「HP Pavilion g4-1000」モデルと一致する電子機器で、動作させるためには一般的なACアダプターを用いた給電が必要になります。機器#137972にはマイクロソフト社のオペレーティングシステム「Windows 7」の英語版がインストールされており、一般的なWindows 7端末と同様に使用することができます。当局によるハードディスクの検査ではWindows 7のインストールされた領域の外に異なるオペレーティングシステムがインストールされ、起動するシステムを任意に選択可能にするデュアルブート仕様となっていた可能性が示唆されていますが、Windows 7のインストールされた領域以外のディスクはすべてゼロフィル処理が行われており、具体的なシステム構成を突き止めることには失敗しました。
機器#137972が持つ左側のUSBポートには、既知のあらゆるデバイスと一致しない未知のカードリーダー装置が取り付けられています。カードリーダー装置は機器#137972と構造的に一体化しており、非破壊的に取り外すことはできません。機器#137972に搭載されたマザーボード及びWindows 7は、カードリーダー装置を「リムーバブルデバイス」と認識しています。これは一般的なカードリーダー装置に対する振る舞いと同一のものです。
拡張機器#137972は機器#137972のカードリーダー装置に挿入可能なカード型のリムーバブルデバイスであり、こちらも既知のリムーバブルデバイスと一致するものは確認されていません。拡張機器#137972の端子部分の構造は一般的なSDカードに類似していますが、非異常性のSDカードリーダーでの拡張機器#137972の読み取りテストはいずれもデバイス不良エラーにより失敗に終わっています。このことから、拡張機器#137972はSDカードをベースとした媒体ではありますが、エーテル財団が何らかの目的をもって構造に改変を加えたとの見方が示されています。
機器#137972に拡張機器#137972が挿入されると、Windows 7はリムーバブルデバイスに関連付けられた「ar_b1035.exe」というアプリケーションを自動的に起動します。ar_b1035.exeは起動後に拡張機器#137972に対する読み取りテストを行い、テストをパスした場合はサブウィンドウを開き「#17: verified / certified.」という文字列を表示します。文字列表示後のar_b1035.exeは待ち状態に入り、これ以上の変化を見せません。ar_b1035.exeは通常のアプリケーション終了手順でいつでも終了させることができ、システムにおける位置づけは一般的なアプリケーションソフトウェアと変わりません。また、終了後もar_b1035.exeがインストールされたパスを指定することにより、手動で実行させることが可能です。
拡張機器#137972を挿入した後の機器#137972に見られる特異性は、一般的な携帯獣用のデバイスのほぼすべてが、機器#137972を「フェアリータイプを持つ未知の携帯獣」と認識するようになることが挙げられます。多くのモンスターボールは活性化した機器#137972に対して投擲されることにより、通常の捕獲プロセスの実行を試みます。これは携帯獣でない生体/物体に対して投擲した際には顕著に異なる挙動です。確認された事例すべてでモンスターボールは機器#137972に対してプロセスを完遂することができず、機器#137972の捕獲は失敗します。モンスターボールに記録されたログからは、機器#137972を携帯獣として認識しつつも、対象が携帯獣としての要件を満たさないことから捕獲プロセスが異常終了したことが確認できます。
フェアリータイプの携帯獣と誤認されることを除き、機器#137972及び拡張機器#137972に特異な性質は確認されていません。また、拡張機器#137972が挿入されていない機器#137972に関しては、先述した特異性も発揮されません。機器#137972の電源を落とし、拡張機器#137972と個別に保管することで容易に異常性を喪失させることが可能です。現在の収容手順はこの性質に基づいて策定されました。
拡張機器#137972を挿入した際のメッセージから、当局が未確認の拡張機器#137972が存在し、機器#137972に対して異なる異常性を与える機能を持っている可能性が示唆されていますが、これまでのところ拡張機器#137972に類する異常な物品が回収された記録は存在しません。
現在の案件対応方針は、エーテル財団が機器#137972及び拡張機器#137972を開発/保有していた目的について探ることに焦点が当てられています。
Supplementary Items:
本案件に付帯するアイテムはありません。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体名・事件とは、一切関係ありません。
※でも、あなたがこの物語を読んで心に感じたもの、残ったものがあれば、それは紛れも無い、ノンフィクションなものです。