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「りめんばー・ぱーるる・はーばー。」(作者:ionさん)

1.

 一言で言わせてもらえばそいつはヨワシだった。

「やーい、やーい、コソクムシー!」

「この真っ黄っきマンキー!」

「帰れよさっさと!」

いったいそいつは誰なんだ、ってこともう少し説明するのなら、ヨワシみたいに目をウルウルさせていたけど、れっきとした人間だ。

ヨワシはいつどんな時も(たとえ水が影も形もない場所、ビルの屋上だとしても!)まず仲間を呼んで相手を怯えさせるけれど、そいつの仲間はその時出てこなかった。

代わりに出てきたのは、情けない泣き声。ぎゃはは、と周りの品のない笑い声×9。

呆れつつも、オレは技の最終練習を行う。

「えんまく。」

「はじけるほのお。」

「・・かわらわり!」

3体ぶんの技を調整する間もまるで集中できやしなかった。ヒトカゲはそんなオレを不思議そうに見上げていたので、

「やるぞ、」

と気合を入れ直すとバトルロイヤル受付に走った。

今度も、グラジオにはぼろ負けした。


「子供が何人も集まれば、自然と知り合いになるもんだ。」

「・・そう?」

「都会でせせこましく生きてたおめえがどーだったか知らんけどな、アローラはそーいう場所なの。人の温かみってものがあるの。」

「そうなんですか。」

エーテル財団の視察、と言っても大げさなものではなく、天井に破れ目がないか、フンはちゃんと掃除されてるか、それらを書類にまとめるだけのことで。

退屈した団員の世間話の相手は自然、一番暇そう(とみんなに思われてるらしい)な見習いの俺に回ってくる。

オハナ牧場、その通称リザードン支島。ポケリゾートと呼ばれている無人島たちの一つを改装したその島が、アローラの空輸を支えている、らしい。

あれから数年経つ。遠い地方から正義に燃えて来たんだろうその10歳ほどの職員は、たぶん、当時の実感がない。あの頃の俺とそう変わらない年齢のそいつは、無感動に相槌を打った。

山のように思える体によじ登って、ライドギアと呼ばれる機械を取り付けると、やはり少し嫌そうに唸る。

暴れられた時にどれだけ罪悪感を殺せるかが一人前の証だ、と俺に得意そうに言っていた奴は、一頭を事故で殺した後じいちゃんに一喝されてクビになった。

乗せるのがどんな相手だとしても、こいつらはそこに強制的にワープすることになる。科学の力はすごい。

ごめんな、と言い残して降りる。これで、預かりシステムの応用だかなんだかで、たとえ屋内でも利用者のところにライドポケモンは転送される。

「リーグとか、行こうとか思ったんですか?」

「この俺がトレーナーに見えるか?」

「見えませーん。今はね。でも、さっきバトルロイヤルに挑戦したって。」

「別に、バトルするからトレーナーとも限らないだろ。島巡りっていうのがあって、積極的にトレーナーにならなくてもポケモンの扱いは学ばなきゃいけないの。」

「それは知っています。」

でも、お前は経験していないだろうーー内心のつぶやきを飲み込む。代表の子供たちがずっと箱入り娘、息子として育っていた例は有名だが、

エーテル財団の職員の家族の多くもパラダイスの中で寝泊りしていて、普通に暮らしていると接点は少なかった。

「でも、もう現地の人にしても絶対じゃないんでしょ?」

「法律上はな。」

「だったら、どうして?」

「まどろっこしいなあ!お前は何が聞きたいんだよ。」

少し怒ると目に見えて怖がられて、非常に罪悪感が沸く。

「わたしは、なんでこんなにバトルが世の中で盛んなのか、それがわかりません。だから聞きたくて。」

団員は話題を変えるためにか、グラジオ代表といえば妹さんが帰ってくるらしいですよ、と言った。


 すごすごとリングから降りていくと、そのヨワシは端っこでまだメソメソしてた。

一回戦でグラジオと当たりいつにも増して歯が立たなかったので、時間があまり経っていないことを考えると当然っちゃ当然かもしれない。

周りのにぎやかしは消えていた。たぶんあいつらもグラジオを倒すべく修行に出かけたんだろう。結構なことだ。

そのヨワシが時々悪口を言われているのは知ってた。こっちにも気が食わない理由はいくらでもある。

でも弱い者いじめのような悪いことはカプが許さない。そうさんざん聞かされてきたから、イジりの輪に入ることは怖かった。

「・・おい。」

声をかけたのはただの気まぐれに過ぎなかった。

「悔しくないのかよ。」

「・・・」

「泣いてたってさ、誰も助けてくれないんだぞ。」

「しってる。」

鼻水声でそいつは答えた。

「お前、ポケモン持ってないの?」

「どうして?」

「腕っぷしでかなわないならさ、そっちでバトルしてあいつらやっつけちまおうとか、思わないの?」

一番オレが気が食わなかったのは、メソメソするその甘えた根性だ。

だがそいつはそんなこと思ってもみなかった、とでもいうように、ぽかんと口を開ける。

「・・なんでそんなことになるのさ。」

「悔しいだろ?あっと言わせたいだろ?」

そいつは少し頭をグリグリして考えて、絞り出すような声で言った。

「そんなことしても、ボクがよそ者なのには変わりないでしょ?」

どうしてこいつが、白と水色のボーダーTシャツのダサいこいつが構われるのかと言えば、”違う”からだと思う。

肌の色じゃない。あいさつは遠慮がちにハロー、だし、ボールの投げ方もおぼつかないし、とにかく何もかもが違った。

たとえばアローラのやつらは小さい頃から自然と触れ合っていたりイシツブテ合戦が他の地方よりビリビリ危険だったりして、体の使い方は自然に覚える。

「だから何だっていうんだよ。」

早くも、オレは関わったことを後悔し始めていた。何を考えているのかまるでわからない。

それはあっちも同じようで、口をぎゅっとつぐんでいた。

「ボクだって、好きでアローラに来た訳じゃない。だけど、そんなの何の言い訳にもならない。」

お互いに気まずい空気が支配し始めた頃、そいつはこう言った。

「・・ポケモンバトルをしよう。」

1対1のシングルバトル。最もシンプルで、すぐに終わるルール。

「いけ、ボクの相棒!」

ボールを格好良く投げようとして、やはり足元に取り落とす。

かわいい声が響いて、正直少し引いたけど、あっちじゃそんなに珍しいモノでもないんだっけと思い直す。

ぎざぎざの尻尾したピカチュウ。この辺ではハウオリシティで捕まるポケモンだ。

施設のハイテクな回復装置でもう元気になっていたヒトカゲを繰り出す。

「・・ヒトカゲだぁ。」

「いいだろぉ。先手必勝、はじけるほのお!」

たとえ避けたとしても火の粉は周りに弾け、狙い通りダメージを確実に与える。

「大丈夫か?でんきショック!そして距離を詰めろ、でんこうせっか!」

「かわらわり!」

「へっ!?」

まるで瓦を割るように、ヒトカゲは突っ込んできた相手に腕を振り下ろした!

その傷が、少なからず黄色い毛皮をえぐった。

「なんでそんなの覚えてるの!?」

「知り合いに技マシン借りた。勝ちたい相手がいてな。」

「勝ちたい相手?」

「グラジオ。お前も知ってるだろ?」

「そんな有名人なんだ・・」

「えっ?」

そこで2匹の視線を感じる。お兄さん方。話し込まないで、バトルに集中してくださいよ。

仕掛けたのはあいつの方だった。

「うん!ほっぺすりすり!」

赤いほっぺから漏れ出す静電気が、ヒトカゲの動きを鈍らせる。

「もう一度かわらわり!」

すばやい動きで後ろに下がるピカチュウを追うような攻撃は、しびれによって今一歩、届かない。

「そのままあまえる!」

傷だらけの体を見せつけて、小首をかしげる。

その様にさらにひるんだヒトカゲに、大声で叱咤する。

「もう少しだヒトカゲ!はじけるほのお!」

とまどいながら吐かれたそれは相手に直撃し、ピカチュウはよろめいた。

「でんこうせっか!」

「はじけるほのお!」

あちらの攻撃が早かったけれど。戦意を失いつつあるヒトカゲに対し、ピカチュウは歩くのも辛そうで。

「勝負あった、かな。」

「・・ありがとう、ナギサ。」

「ナギサ?」

「こいつの名前。」

それをヒトカゲは立たせ、傷をなめてやる。ピカチュウは痛そうにしながらされるがままにする。

「ってかお前さ、ふつーにつええじゃん・・」

空をーーじゃなく天井を見上げる。正直な感想だった。

考えてみれば当然だ。こんな場所に入り浸ってるやつが、トレーナーとして弱いわけがない。

「だったら余計、なんであいつらに。」

「だから、意味ないでしょ、って。ポケモンで勝っても、嫌われてることにはかわりないんだからさ。」

「なんで決めつけるんだよ。」

「なんで、って?」

「それ見せれば見直すよ、絶対。」

「・・ポケモンは、人間同士を仲良くしてくれるためにそばにいる。」

「は、何それ?」

「って言葉、知らない?」

「知らねえ。」

「海の向こうのイッシュのこういう施設で、ある研究者が盛んにいうセリフ。テレビでよく出てる。」

「ふーん。」

手が差し出される。握手する。

「・・ずいぶんと身勝手なセリフだよね。」

「え?」

「なんでもない。ありがとう。楽しかった。」

なんだか丸め込まれた気もしながら、おれは笑った。

「こういう時は、アローラ、って言えよ。」

「・・ありがとう、もだっけ?」

「うん。」

「・・アローラ。」

「アローラ!また会ったらバトルしようぜ。名前、教えろよ。」

黒い野球帽の影から、気弱そうな目がのぞいた。

「ヨウ。」

「そっか。」

そいつのおかげでスカル団が解散したと聞いたのは、それから数ヶ月足らずのこと。アローラで起きた一連の事件、その全部が終わった頃。


「おい、俺のこと覚えてる?」

ヨウの居場所を探し出すのはとても簡単だった。ポケファインダーで積極的に周りのポケモンを撮ってネット上で人気を確立しつつ、

バイト先の宣伝もちゃっかりこなしていたからだ。ハウオリショッピングエリアに新開店したパンケーキ屋。

そこのスーツに蝶ネクタイという制服をライチュウのナギサとおそろいで着ながら、店の外を囲む塀の上に立たせてさまざまなポーズをとらせていたそいつは、俺の声に気づくと

じ、っと目を見た。考えればこの表情も、あまり変わっていない。

「すみません、どちら様ですっけ・・」

そうだよな、っと納得する。

「バトルロイヤルに入り浸ってたヒトカゲのトレーナー、覚えてないか?」

そこで破顔一笑したそいつは、オーナーに休憩を延ばしてもらうんで待っててください、と走っていこうとした。

「いいんだよ、そんな。」

「せっかく来てくれてるんですから、おごりますよ、パイルスペシャル。これでも稼ぎ頭なんですから。」

看板少年。そういう単語が頭に浮かぶ。街は、いつになくさまざまなチラシやビラで飾られていた。

「それに、おいしさを布教するのがボクらの利益にもつながるのです。丸くてふわふわなパンケーキのおいしさを。」

そういうのは口に出さないもんだと思うが。

出されたそれは、まあ正直、可もなく不可もなく、という味だったが、向こうの席には10段ほども積み上がっていた。

「・・全部食うの?」

「だいたいはナギサが。」

というセリフも終わらぬうちに”いただきます”の手を合わせた、カントーの文化が移っているらしい彼は、でんこうせっかのスピードで食べだす。

周囲を見回すと、その姿を映しているファンがたくさんいて面食らった。

「チケット?」

「え?」

「このタイミングで僕を訪ねてくるってことは、チケットが欲しいのかな、と。」

「まあな。」

言い方に少し胸が痛んだ。ふざけるな、と思う気持ちも少しある。

「ありますよ、もちろん。お目当てはどれですか?」

4色のオドリドリが同じポーズをそろえて載った、アローラリーグ発行の入場チケット。

代表の子供たちがこの地方にそろうことを1大ニュースとして演出し、さまざまなイベントを同時開催することで、観光地としてのアローラをアピールする。

それがククイ博士の意向らしい。その中の、エーテルパラダイスで行われるオドリドリショー、という奴が、俺が選んだ方法だった。

「興味あるんですね。そんなの。」

「正直、どれでもいいといえばいい。」

島巡りを終えた身分の俺が、代表としてのグラジオに会う手段に選んだ方法。

たぶん、会ってどうするというわけではない。ただのデバガメ、暇つぶし。

「そういえば、あのヒトカゲは?」

「今はライドポケモンとして空を飛び回ってるよ。」

「そ、っか。」

「そんなことよりさ、お前の口から聞いてみたかったんだよ。」

「何を?」

「なんでチャンピオンの推薦から降りたのか。」

夢中になってむさぼっていたナギサは、ふと口を止めた。手がさみしいと感じたのか、そんなナギサをヨウは抱き上げた。

「・・いや、お前も食えよ。」

「検討しときます。」

「で?」

「公式にテレビで言ったこと以上のことはないですよ。」

「四六時中マラサダのCMばっか流してるテレビな。」

そのセリフに反抗するように、当時のドキュメンタリーが、似てもない俳優によって流れている。

「最近はそれでもましになりました。ククイさんがリーグを作った後の改革で。」

アローラにリーグを作る。その意思を聞かされたヨウは大いに反対したらしい。

「なんかいやだったから。」

というのが当時の理由だったと、何度もヨウは笑って答えている。

「・・でも、そのなんかいやだった、は、普通に思われてる意味とかじゃなくて、僕の道を勝手に決められてるみたいでいやだったんだ。

最近そう思うんです。だから今何か付け加えるとしたら、僕が子供だったから、です。」


 生まれも育ちもオハナタウンのオレは、小さい頃自慢話の歌を聞いて育った。

いわく、リザードンがいかに力強く空を飛んだか、それがどれだけ人々に感謝されたか、をだ。

リザードンたちの出処はじいちゃんもよく知らないらしい。家系図で辿れる最初には、もうリザードンを育てている記録が書いてある、らしい。

らしいだらけだ。ついでにいえば、最近はバトルロイヤルの立地には秘密があるらしい、とも噂されている。

そんな時、同時に彼らがいつも見つめるのが、海の向こうに最近できたという白いメガフロートだった。

昔のアローラの人たちはそれが今ある、メレメレ島の南端を「パールルのいる港」と呼んでいた。

エーテル財団がここにメガフロートを建てた理由は、アローラ地方の中でも空間が最も不安定な場所で、自然にウルトラホールが出現しやすいから、とは後に判明したこと。

いずれにせよこれも確かなのは、オレが生まれた頃、フシギバナというポケモンはアローラでよく見られる種だった、ということ。

じいちゃん自慢のリザードンの牧場の脇。ピンクの花畑の中でも特に目立って咲き誇る巨大な花の主。それを見ながら、じいちゃんは話した。

昔、この「パールルのいる港」にカントーの軍が不意打ちで攻め込み、カントーやジョウトから来たアーカラの移民はみな卑怯者扱いされた。

それでなくても、イッシュに少なかったカントーやジョウト、ホウエンの人間は、アローラに輪をかけ、たとえカントーを憎み、一種の、イッシュの文化、アローラの文化を愛していても信用されなかった。

たとえばカロスで、別の地方で。彼らは、とある地方のとある人の理想に酔って、たくさんの人を殺そうとしている場所を解放し、たくさんの人を殺した。たくさん死んだ。

イッシュへの忠誠を示すため。イッシュの自由のために戦った。あんな真っきっきマンキーなんかじゃない、誇りある種族なんだ。そう証明するために。

ーーその自慢話の歌が、耳に残っている。彼らは第442連隊と呼ばれていた。

戦争が終わったずっと後、エーテル財団がやってきた。その少し後スーパーメガやすがつぶれた後、お金がないとじいちゃんたちは嘆いていた。


2.

「そういやアローラのライチュウってどうしてこんな姿になったんでしょうね。」

「そりゃ、」

リーリエがぐっと息を呑むが、

「丸くてふわふわのパンケーキを食べたからじゃない?」

「らいらーい。」

冗談交じりのその声音は、いっときこそいち研究者ーーククイの背中を追っていたとはとても思えないものだと自分でも思った。

「ヨウさん。」

もう彼女にも、あの頃の清楚な面影はそんなにない。

「ふざけないでください。」

メレメレ島遠洋。つまりはほぼ元パールルハーバー。2頭のラプラスライドを利用して、ぼくたちは浮かんでいた。

僕が旅を終えた後、カントーの研究所で配られたあの三匹の進化系に会い見える機会があった。

アローラにいる、とロトム図鑑は言った。

確かにフシギバナはアローラのどこかにいそうだね。バーネット博士は無邪気にそう言った。

様々な文化が混じり合い、いつか簡単に変えられてしまう。これがデフォルトなのだろう。平和ボケなカントーと違って。

『アローラ出身でない僕がアローラの頂点に立つ。それが重要だったんだと思うよ。偶然母さんがククイに会っただけで、誰でもよかったんだ。』

僕はあの日、彼にそういった。実際、旅の間、ずっと罪悪感に苛まれていたことに、この白い風のように素敵な女の子は気づいていたのだろうか。

何よりもリーリエを、騙している。ククイが作り上げた人形のチャンピオン候補は、zストーンとか他のもろもろでやっと成立するものだから、

ハウにわざと負けた僕はリーリエを見送った後、それでもリーグに挑戦を勧めるククイさんを、もう”悪”としてしかとらえられなかった。

伝統の破壊とか、改革とか、わからないことはたくさんあったけど、そのzストーンのおかげで、僕はククイに勝利を収めた。

『・・もうほっといてください。約束の通り、二度と僕にリーグ挑戦を薦めないでください。』

僕はただの力のない子供だった。

「・・リーリエ。ゼンリョクで生きてたこいつたちに比べたら、ボクらは今あまりに無力だ。そうだよね。」

「いきなりどうしたんですか?」

「ヨワシだな、と思ってさ。いや、そう呼んだ奴に会ってね。結局は、僕はまだアローラの、ククイさんの保護の中にある。」

ヒトカゲの彼から聞いた話とか、必死で生き延びようと進化するポケモンとか、いろいろ考えて。

「一緒に頑張りましょう。」

君はそういうけど、誰かの犠牲の上に保護られた平和。いくらぐるぐる考えたって、

「・・りめんばー・ぱーるる・はーばー!」

ぼくは叫んだ。

「え?」

「・・ごめん。忘れてくれ。」

「いや、それだけ言われても逆に気になります。」

「・・りめんばー・ぱーるはーばーだよ。ボクはこの場所を忘れない。アローラと、イッシュとカントーと、リーリエの故郷の地方。

こうやって、今一緒にいられることを覚えていれば、何かが変わるんじゃないかな。」

「あの、ヨウさん。それはもしかして、remember Pearlulu harborのことをおっしゃっているのですか・・?」

「そうそれ。」

流れるような発音でリーリエは続ける。


いきていてもそうでなくても おなじくうかんにたどりつく それはパルキアのおかげだ


「ーーって、そういうことを言いたいんですよね?」

「何それ。」

「お兄様が最近よく読んでらっしゃる本に出てきてくるんです。」


3.

「ボクは、今日この日を忘れない。」

「絶対に?」

「絶対に。」


「だから、リーリエもいつもいつまでも変わらないでいてね。」

「うーん、考えときます。」


「そっか。」


ナマコブシがのそのそと砂浜に上がってくる。

それはそれとして数年後どこか遠い地方が津波に襲われてカントーはカスミを筆頭とした水ポケ軍団を派遣して救助に向かったり、

どこかの街がダムに沈んだりしたのだけど、それはまた別の話。めでたしめでたし。


追伸 タイムアップもはなはだしい

さらに追伸 586様の御厚意により、とっさにこの”追伸”を書いたという精神的な醜さを晒す行動を訂正する機会をいただいたのですが、やっぱりそれはフェアじゃないな、と考え、身勝手な折衷案としてこのような形をとらせていただきます。

 

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体名・事件とは、一切関係ありません。

※でも、あなたがこの物語を読んで心に感じたもの、残ったものがあれば、それは紛れも無い、ノンフィクションなものです。