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マリーンライン・メモリーズ

作者:ぴくぜろ/水雲さん

北埜とら ☆☆☆☆

 確かに深海のおさかなって暗い海の中で生まれて、海の上に空や陸があるなんて思いもしないまま一生を終えるものが大半なんだろうなあ、想像してみたことすらありませんでした。想像してみたことすらない世界に想像を馳せることができたっていうだけで、この作品にはすばらしい価値があるというものです。特に「ライズ」と表現される気泡が精霊として扱われている点がとても美しくて感銘を受けました。気泡の動き方って確かに何か生き物めいているところがありますものね。作者様の想像力、発想力には脱帽です……!
 初読のさいチャプター56は何か一般的な表現なのかな?と思って一旦読書の手をとめ検索してみて、あれ違う?なんだこれ?となりました。読んでいると(>当時の記憶をそのまま語れる歌い手は、〜のあたりなど)初読では容易に理解できない部分があるのですが、海域・エリアという用語について途中で解説されるあたり、回を重ねるごとに段々判然としていくものと推察します(まあ今回は企画なので回を重ねるとかはないんですが)。今回は一話だけの企画なので、個人的には「意味が分かりづらい」ことも「それがなんなのか気になる」かどうかで評価点になりえると考えます。その点ではこの作品は、自身の住んでいる場所以外のことをよく知らない主人公と同じように、無知の読者として暗い海の中をゆらゆらと漂っているような感覚で、私は結構この分からなさが作品の味わいを深めていて心地いいな〜と感じました。よって続きが気になります!!投稿お疲れ様でした!!


まーむるもーま ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


音色 ☆☆☆

これまた面白い上に勝負を仕掛けてきた世界だなとしみじみします。深海のポケモンからしたら確かに世界はそこだけだもんな。なおジーランス爺ちゃんの鍋蓋はおそらく正解の模様。
こういう独特の世界を表す独特の単語、今作ではエリアやチャプター、奇物などぽこぽこ出てくるのは若干のSFみがありますね。良いね~~~……ライズは空気というか泡のことなんだろうけど、エンドが地上(というか、この場合は海上かな)っていうのがまたいいな、
チャプターがおそらく世代のことを指すんだろうけど、海の中(上?)で戦争的なものが発生して、一定の海域以下の世代は何も知らずに過ごしているとかそういう具合なんでしょうが、あくまで第一話としての「最低限の触り」の説明に「なるほどわからん」となってもそれが正しいという。だって肝心の語り手たちも「それ以上振れるなって事でしょ?」つってんだもんな。おちゃめなサニーゴちゃんからするとこの手の話題はあくまでも「怪談じみた噂話」の類って事だもんな。
ランターン君が探している珍しい漂流物のほとんどは流れ流されたものなんだろうけど、その深海に到達するまでに奇跡的に形状を保っていたモンボから知らんポケモンが出るとかするのが次の話なんでしょうか。続き、気になります。41より上には何があるんだ……。
ここまで3作、全部毛色の違う第一話なのがとても温度差があるのが良い。バトルが主流じゃない世界観で部活に誘われた日常からちょっぴりに非日常へ入る(かもしれない)1作目から、大々的に世界の危機だ!商売のチャンスだ!つって大冒険へ出向する2作目からの、うってかわって深海の底の静かな静かな世界でひっそりはじまる第一話へ。コンテストじゃないとお目に掛かれない並び……ランターン君の世紀の大発見は次のお話から!(ですよね?)


スカイブルー ☆☆☆☆☆

す、好き…とにかく好き(語彙力低下)。雰囲気に心奪われました。
お宝探し大好きなランターンちゃんのほのぼの物語…の裏に隠れる、『海域』『エリア』『チャプター』といった謎の言葉の数々。海に生まれ海に生き海に死ぬ、それ以外のこと以外は知らない者達だけの世界では一見使われなさそうなワード。この要所に散りばめられた謎に大冒険の始まりも感じるし、底知れない不穏も感じる。
様々な展開に繋がりそうな予感がします。個人的にはタイトルの『メモリーズ』から、深海に流れ着く奇物から地上の世界の歴史、つまり昔の者達の記憶を紐解いていくような物語になったりするのかなーとか思ったりしてます。海しか知らないランターンちゃんにそれができるのかは謎だけど。でも『すごい発見』から何か始まるかもしれないじゃん!
あとランターンちゃん可愛い。お宝探しに夢中で無防備なとことか、怖くなってサニーゴちゃんをはたくのが提灯でなとことか。もういちいち可愛いんですよね。無邪気で楽観的な子はいいぞ~。
二回目になりますがめっちゃ好きです。ベストスカイ賞受賞したいくらい。あわよくば続きも…とは本企画のコンセプト上言えないので、自分で妄想しておくことにします…(厄介オタク)。


よしぇ ☆☆☆

(コメントなし)


円山翔 ☆☆☆

 我々の知らない海の底では、こんな風に世界が分けられているのだろうか。そんな風に考えるとなんだかワクワクしてきます。わからないことや単語はまだ多いのですが、世界観が良いですね。地上を知らない彼らからすれば、「エンド」の果てにある世界やそこから落ちてくるものは物珍しいものになりそうです。収集好きのランターン、パルスを出して物を探したりやり取りをしたりするというところが好きです。
 ランターンが何を見つけたのか、それによって海底の世界にどんな変化が訪れるのかが気になります。


浮線綾 ☆☆☆☆

(コメントなし)


逆行 ☆☆☆☆☆

深海に生きるポケモン達を主役にして物語を展開していくというのがまず面白いし、ただっぴろい海を数字で住所みたいなものをつける設定も面白いです。気泡をライズや精霊と呼んでいるなど、深海のポケモンの立場になって想像を膨らませられるのがすごいなあと思いました。また、キャラも可愛らしく楽しく読み進めることができました。水圧の働きで原型をとどめていないなど、今後物語のキーになるであろう『奇物』の描き方も良かったです。最後にランターンが何を見つけたのかも気になるところ。総じてハイレベルな物語の作り方だなあと思いました。


ion(ioncrystal)

>ランターンの様子はスキだらけである
平和な証拠ですね…管理社会の気配を感じられる世界の中では、口惜しいことに

「ナベブタ」と考え合わせると、タイトルはどこかのゲームのedテーマの曲名のもじりでしょうか。全く関係なかったらごめんなさい。

前の感想で言った通り、主人公の行動原理にはある種イヤな、余裕がないときは同族嫌悪を感じるようなリアリティがありますね。
何も積み重ねがないのに、同じことを繰り返すしかないような。
>この種の予感にはいくらの価値もない。(中略)毎回毎回こんなことを呪文のように唱えているランターンにとってはなおさらありがたみの薄いものだ、


主人公は賑やかなところが好きなのでしょうか。その辺の願いがちゃんと叶わんことを。


鈴志木 ☆☆☆

オリジナルの世界観?で何か壮大な物語が起きそうな予感。手のひらで泳がされているような展開が待っている気もします。


あしゃまん ☆☆☆☆

 海の中! ポケモンオンリーでも海中世界は珍しいのでなんだかワクワクします。奇物、海の果てという海中世界ならではのロマンが散りばめられつつ、なんだか不穏な陰謀も感じさせつつ、ランターンの趣味が何らかの事件を引き起こしそうな引きで、ここからが楽しみです!


ミュウト ☆☆☆☆

(コメントなし)


フィッターR ☆☆☆

海中に生きるポケモンの世界の描写が深く作りこまれているところが目を引きます。文化や歴史に至るまで緻密です。
ただ、それらの世界観の描写に追い込まれて、ストーリーの展開があまり進んでいないのは玉に瑕と思いました。


参加者A ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


葉穂々 ☆☆☆☆

ポケモンとSFの親和性は高いと感じます。
ランターンは何を見つけたのか。エンドには何が広がっているのか。それは私達が知る世界と異なるものなのか?
続きが気になります!


森羅 ☆☆

(コメントなし)


はやめ ☆☆☆

TL上からも高い人気度がうかがえる作品でした。文章や言葉のチョイスからも、海の中、深海のような静かなイメージが伝わってくる作品です。練り込まれたであろう世界観や設定に、唯一無二の発想力を感じました。


照風めめ ☆☆☆☆

チャプター、海域・エリアといった人為的な区分や人工物を奇物と呼ぶ不思議な世界観。そして統率者、ウォーヘッドなど気になる設定が目白押しでした。
エンドやライズなども作中での用語ですが、それぞれ読み手が現実の何を示しているか置き換えられる情報を提示してくれていることで、よりこの独特な世界観へ飛び込めるような造りになっているのが非常に妙です。
読者目線では知らない作中の専門単語を出す、というのはなかなか難しく、物語を惹き込ませる要因になるか、逆に無関心の要因となるかの両極端になりがちです。ですが知らない単語でも容易に想像できる導線を丁寧に引いているため成功していると感じました。
やられっぱなしのチャプター3、正史であるチャプター56や戦っている何者か、などの詳細もすごく気になります。
今後話が続いていくとランターンもそれらと接することになっていくのでしょうか。
ルーティン的な日常から非日常への転換! というヒキもすごく今後が楽しみです。


きとかげ ☆☆☆☆

 おお、これはまた魅力的な世界観……! 独特な世界観て伝えるの難しいですよね。これは無理なく説明が入っていてすごい。
 ついライズやエンドの話に気がいきますが、やられっぱなしのチャプター3が続いてる、って歴史を繰り返して試行錯誤してる……? そしてランターンは何を見つけたのでしょう。海が舞台で、海のポケモンがたくさん出てきそうなところも楽しみです。


タマゴサンド ☆☆☆☆☆

単刀直入に申し上げます、この作品大好きです。
5000文字の字数制限の中、出てくるキャラクター3匹(メインは2匹)で、作者の方が展開する濃密な世界観の「エリア」に一気に引き込まれてしまいました。
主人公のランターンが最後になにを発見したのか書かれず、次回以降に引っ張るの上手いなと思いました。
ランターンがなにを見つけて、そこからどうなるか、あらすじだけでもいいからその先を知りたくなる作品でした。


加藤ブドウ糖液糖 ☆☆☆☆☆

海域、エリア、チャプター、ライズ。聞きなれない言葉ですが、海にすむポケモンの目線を考えてみると確かにそういう区分はあるだろうな、という気がしてきます。3次元的な移動を得意とする水生生物ゆえの縦の世界の広がりが感じられてとても面白い雰囲気でした。これが塔やビルだと上手くいかない気がします。切り離してきた非日常との接触に、この海はどうなってしまうのか。とても気になります。執筆お疲れさまでした!


rairaibou(風) ☆☆☆☆☆

 全体を通しておしゃれな感じを感じました。上から落ちてくる『奇物』と、海を上がっていく『ライズ』の関係性であったりとか、それに関連して海の上に広がるかもしれないライズばかりの世界に関して『海がないなんて信じられない』と表現するところになんかが、記憶に残るような文章を書こうとしているなと感じました。
 結構設定の説明が多いんですが、そこら辺をうまく展開に落とし込んでいる印象でした


586 ☆☆☆☆

・「チャプター56」「海域45・エリア72」「『ライズ』」「『エンド』」……特有のワードチョイスが世界観形成に大いに寄与しています。それでいて読んでいてある程度の意味はスムーズに取れるところが絶妙です。
・深海が舞台、かつランターンが主人公という話自体も目にしたことがなく新鮮でした。そういえばランターンは深海に棲んでましたね……(忘却
・ランターンとサニーゴの関係性が、長い付き合いで互いを知っている間柄同士というのが伝わってきて良きでした。

<コメント>
投稿いただきありがとうございます。この話だけでもひとつの短編として締められているようにも見えますし、どのように広げるかも自由、という印象を持ちました。ぜひともお話の舞台となっている海のように、このお話を大きく広げていって欲しいなと思います!


空色代吉 ☆☆☆

(コメントなし)


じゅぺっと ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


雪椿 ☆☆☆

(コメントなし)


早蕨 ☆☆☆

 不思議な世界観。海しか知らないポケモン達の会話。地の文で書かれる人間が付けたような海域やエリアの数字。彼らにとってエンドとは何なのか。読者が知る、想像するエンドで本当に良いのか。世界が広がった先に何が待っているのか。ワクワクする期待感のようなものが沸いてきますね。どういう物語になるのかはちょっと想像つかないですが、想像つかない、というのも次を読みたくなる話という事なんだなあと思いました! 投稿、お疲れ様です。


島ハブ ☆☆☆☆☆

世界観の構築の技法がずば抜けていると思いました。読者を世界に引き込むための小道具選びやその表現がすごいです。


秋桜 ☆☆☆

上手いなあと思いました。世界観から物語の展開まで上手だと思いました。投稿お疲れ様でした。


ジェード ☆☆☆☆

冒頭から、神秘に満ちた冷たい海底の空気を感じる、いいなあ。静謐な世界観に惹き込まれる作品ですね。

基本的にはランターンのサニーゴの会話で成り立っている作品ですが、ランターンの会話中の小さな提灯の動作まできっちりと描写されていて、この子達が小説世界で生きてるな~って感じる、解像度の高さはその部分でしょうか。
ランターン達は海の世界しか知らない。なので、知っているものや価値観は全て海底の基準。鍋蓋は奇物で、私達のいる地上が『エンド』と呼ばれるようなね、このギャップがいいですよね。
ランターンは奇物を集めて、お友達に見せたいのか~。なんと平和な目的でしょう。
今後の展開としても、穏やかな海中探索が続くと読めますね。
投稿お疲れ様でした。


花鳥風月 ☆☆☆☆

(コメントなし)


カイ ☆☆☆☆

この世界観めっちゃ好きです~~~!地上を知らない海のポケモンたちだけの世界のようでもあり、ポストアポカリプスのような雰囲気もあり……。海域・エリアという独自のマップ表現や、海中に発生する気体に対する捉え方も素敵ですね。チャプターは私たちで言う世紀とか年号みたいな感じでしょうか。
もっとこの世界をのぞいてみたい、そんな気持ちになる第1話です。


水雲 (評価スキップ)

 SF書きたかった。そんだけです。
 ここ数年、空ネタと海ネタが続いたので、そろそろいい加減地上ものへ戻らなければ酸欠です。


匿名 ☆☆☆☆

(コメントなし)


オクトノリシゲ ☆☆☆

(コメントなし)


リング

ちょっと世界観がわかりにくかったです。何も知らずに手に取っても、読み進めるのは苦痛になるかもしれません……


久方小風夜 ☆☆☆☆

この物語独特の使い方の言葉がたくさんあるけど、さらっと読ませる力が強い。
今のところ主人公のランターンと周辺のポケモン、主人公の知っている世界設定の話しかないけど、現実(というかゲーム本編)に近い世界なのか、それとももしかして全世界が水没とかしてるのか、いったい何と戦っているのか……この世界の真実が気になります。


FOMA(FOMA_ug_px) ☆☆☆

(コメントなし)


あまよし ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


セコイキング ☆☆☆☆☆

海のお話だ! これジャンル的にはSFですかね。SFじゃなくてもS(深海の)F(ファンタジー)ということにさせていただくんですが……。
個人的にランターンもサニーゴも大好きなのでまず彼女らがメインに抜擢されている時点で嬉しかったです。世界観も好みでした。用語を何となくで流して読まないとなかなか進まないタイプのお話にはなってしまっているんですが、それでもこの海の謎が用語とともに解明されていく楽しみの方が大きかったです。
そしてこれはただの好みの話になるんですが、好奇心旺盛なランターンとそれより落ち着いててちょっと物知りなサニーゴというキャラ付けが絶妙だなと感じています。会話の温度感も仲の良い女の子同士という雰囲気に溢れていて可愛らしいです。やめてよーって提灯でツノをばしばし叩くところなんか完全にJKじゃないですか。可愛いですね。これは素直に続きが読みたいなと思います。


トビ ☆☆☆☆

マリーンライン・メモリーズというタイトルがオシャレで好きです。
ポケモン図鑑では「深海の星」とも称されるランターンが、深海で発するパルスを使って色々な奇物を発掘している。発想が面白いですね。鍋蓋が落ちてきたとのこと、2人の会話で出てきたエンドはヒトの住まう世界なのでしょうか。どれほど深い海の中に住んでいるのか、色々想像が膨らみます。その存在を知っていたジーランスはエンドに行ったことがあるのでしょうか。
ライズ、ウォーターヘッドと、独特の世界観に文字数を割いているので、こだわりを感じました。この世界を統べる者がどんな存在なのか気になります。そもそもチャプターという概念はなんなのでしょうか。文明の始まりには戦いがあったのだとしたら、何と何との何のための戦いなのか。想像がつきません。
今回発見したのはなんだったのでしょう、そこからストーリーが発展していくのでしょうね。
投稿おつかれ様でした。


赤星 ☆☆☆☆

海中が縦横に区画整理されていて、ポケモンたちがポストアポカリプスめいた暮らしをしている……という世界観がすごく好きです。海底から発生する空気を「ライズ(昇るもの)」「妖精さん」と呼ぶのもいい。そしてランターンやサニーゴ周りがほのぼのしているだけで、世界自体はきな臭く、光の届かない暗海の向こうで脅威が蠢いているのが海底という舞台にもぴったりです。特に歴史の指針となるはずのチャプターの数え方が恣意的であるところが、『統率者』側に公平な歴史を紡ぐ気がないのが見えて良いですね。ラストでのランターンの発見がエンドへ繋がるきっかけになるのか、ランターンがどんな事件に巻き込まれていくのか……など、気になる部分が多すぎて次の更新が待ち遠しくなってしまいました。


門森 ぬる ☆☆

(コメントなし)


水のミドリ ☆☆☆☆☆

チャプター56、海域45、エリア72、統率者、ウォーヘッド。何があって大海原が区切られるようになったか、詳しい時代背景は描かれません。なのに海底から描かれる海面がこれほどワクワクさせられるとは。それでいて、設定をキャラにくどくど喋らせないのがいいよね。地の文で説得するだけの自信と底力があるといいますか、キャラを説明させるだけの装置にしていないのが信頼できます。
奇物を収集しているランターンよりも、サニーゴの方が上の世界――エンドを意識している。この種族による(かどうかはわからないが)差が世界観を補強してくれます。泡をライズとか妖精さんとか表現していたり、ポケモンらしい視点なのも陶酔ポイント高いですよね。


天波 八次浪 ☆☆☆☆☆

海上を知らない深海もの!!! すごく好きです! 壮大な深海文明社会の設定と主人公たちがその全体像を把握していない局所感、限られた情報を分析して未知の領域に繋がっていくSF感が最高です。この先、馴染みのない異質な感覚と出遭っていくだろうその時どう感じてどんなことを考えるのかが知りたいです。もっと続きが読みたいです!


赤灯路 ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


ポリゴ糖 ☆☆☆☆

 深海における独自の世界観というのが目を引きますね。ライズ、エンド、チャプター。地上を生きる我々とは見る世界が違うのだということが、かれらの語る内容の端々から見えるのは興味深いところです。水底の世界も安穏としていられるような場所ではなく、何かしら定期的に殺伐とした争いのようなものが起こっているあたり、野生のシビアさも表現されているようにも思います。おじいは地上世界の『ナベブタ』のことをどうやって知ったのでしょうね? それともただの偶然?
 2話以降、「『何者か』との戦い」というイベントが良くも悪くも転換点となるのでしょうし、そこまでに上手く盛り上げていけるかどうかがキーになるのかもしれません。そこに「奇物」がどう関わってくるのかは見ものになるのでしょう。
 投稿お疲れ様でした。


農協じゅんの人 ☆☆☆

海の中ならではの視点から作り出された独自の言葉が、唯一無二の雰囲気を生み出していますね。海のように深い世界観を持った作品になりそうです。


若鷹 ☆☆☆☆☆

読み終わってふと過ったのは宮澤賢治の「やまなし」でした。海の中だからこその独自の世界観と日常。彼らにとっては当たり前に交わされる言葉でさえ、読み手はそれに類似するものを想像しながら読んでいく。例えば、チャプター〇〇は西暦〇〇〇〇年みたいな感じでしょうか……。人間のガラクタを『奇物』と称して集める様は、リトルマーメイドのアリエルのようでもあり、可愛らしかったです。物語はテンポよく進んでいくので、いい意味で「考えなければ置いて行かれる」と感じました。追いつきたいから何度も読み返しました。とても面白かったです。


夏十字 ☆☆☆☆

独特な世界設定で独自の単語がたくさん出てくるのですが、それがストレスにならず寧ろわくわくさせてくれる、絶妙な塩梅だと感じました。重厚な設定を感じつつも、そこに生きるランターンとサニーゴのやりとりが軽妙でかわいらしいお陰でとっつきづらくならない、というのも大きいかもしれません。
第一話から「よい小説を読ませていただいた」と満足させてくれますし、今後がとても気になります。


キノコです。福山雅治ではありません。 (評価スキップ)

なんとなく哲学的な、もしくはSFチックな雰囲気を感じた作品でした。しかしお堅い内容かというと決してそんなわけではない。キャラクターの言動からは暖かさと柔らかさを感じます。そのギャップのおかげでしょうか、とても不思議な読後感でした。
作中にも出てくる『夢物語』という言葉が、このストーリーにはぴたりと合うのではないでしょうか。
本作に出てくるランターンというキャラクターは、好奇心旺盛で、他の登場キャラとはかけ離れた鋭い感性を持っています。その好奇心と感性が、今後のシナリオに大きな影響を与えていきそうです。
また、この物語は、様々なパターンの考え方ができると思いました。私はまず「この世界における人間や地上の生き物は生きているのか」について考えました。
もし人間が滅びていたのならば、奇物は滅んだ文明の遺産ということになりますよね。その文明はなぜ滅んでしまったのか、一度考え出すと楽しい妄想は止まりません。
正直なところ、まだまだ謎の多い世界観設定でした。その分物語が進めば、考察しがいのある骨太な作品になるのではないでしょうか。
それにしても物語の締めかたが上手いです。
『今度ばかりは、良くも悪くも大きく違った。』これが良いですね。
「一体何が起きたんです?」と、思わず存在しないページを捲りたくなる終わり方でした。


マの字 ☆☆☆☆

(コメントなし)


りゅうおう ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


小樽ミオ ☆☆☆☆☆

オリジナルの(原作の舞台に拠らない)世界観を、5,000文字という枠の中でここまで作り込めるのかと終始圧倒されました。大好きです。
まず「ナベブタ」をめぐるランターンとサニーゴのやりとりの段階からして愛らしく、表情もほころびっぱなしでガッチリ心を掴まれました。そこに突然「チャプター56の世代を生きるランターン」という一文が放り込まれる。これが凄い。全く置き去りにされているという感じがしない。むしろ「あれだけかわいらしいものを見せてくれたというのに、まだ新しいものが見られるのか!」という期待で胸が高鳴るばかりでした。硬質な響きの「チャプター56の世代」との間には相当な質感の差、温度差があるはずなのですが、そのギャップすらも自由自在に扱う技術は圧巻でした。
物語には宝探しの興奮あり、大冒険の予感あり。愛らしいキャラクターと、統率者やウォーヘッドら一部の存在以外には開示すらされていない未知なる上方の世界。ストーリーへのワクワク感があったことはもちろん、質感に硬軟ある語彙を使い分けているのも素晴らしいと思いました。拝読していて体力の回復する小説で、本当にいい栄養を補給していただいたと思います。


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