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翡翠の篝火

作者:OMUSUBI/若鷹さん

北埜とら ☆☆

 2800字しかないんだ……!コンパクトながら物語のおいしいところがぎゅっと詰まっている無駄のない構成だと思いました。物語の核となる主人公の仕事、その仕事に就いている舞台設定、相棒のヒスイバクフーンという選択のそれぞれが効果的に作用していて冒頭2800字で既に良質な二次創作感が出ています。あと扱うテーマが激重ながら、ミコトさんが明るくてかわいいのでお話が重い一辺倒にならずに済んでいるのが個人的には読みやすくて好きでした。
 読んでて、確かにそう考えてみるとコトブキムラのおかれてる状況って進〇の巨人みたいだな……って思いました。一歩外に出れば命の危機だもんな……この作品が原作主人公がこの世界にやってきてくる前のお話なのか後のお話なのか確信が持てませんが、仮に原作後のお話だとしても、町の外にいる強いポケモンが襲い掛かってくる脅威がなくなったわけではないから、町を発展させるために調査に出ていった人たちが帰ってこないみたいな事態は頻発してそうですよね~……。なのにギンガ団のひとたち普通に丸腰で単独行動してたりするからな……。冒頭で胸が苦しい系の物語になりそうな予感がかなりしていますが、主人公の尽力はきっとシマボシ隊長とかが認めてくれていると思うので、彼の活動が報われる日がくるといいなと思います。投稿お疲れさまでした!


まーむるもーま ☆☆☆☆

(コメントなし)


音色 ☆☆☆☆

これいいなって思ったの、3000字以下なのにそれ以上の満足感と密度が詰まってるんですよね。読み終わって文字数見てもっかい読んで「……マジ?」ってなった。体感2倍くらいある。
他の作品は「あ~~これ最後までちょっと駆け足なとこあるからもうちょっと字数ほしかったんだろうなぁ」っていうのもちょこちょこあったんですが、これで十分すぎる内容なのが素晴らしい。
厳しいヒスイの大地、アルセウスの世界観で絶対に出てくる未開の地における死者の回収……調査隊じゃなくて『探索隊』ってあたりがね。一人しかいないのは本当に誰もやりたがらないからなんだろうなぁ……。
事故や事件以上に野ざらしになってたり行方不明になっていたりする人間の数は少なくないだろうから、ロクさんの心労がすごそうである。でも「誰かがやらなければいけない」っていう責任感の強さがね……。
相棒の篝君と手を合わせる姿が大変絵になりますね。これから直面するであろう更なる探索事案、どういう風になるのかとても気になります。


スカイブルー ☆☆☆☆

まず内容に触れる前に。すっごいボリューミーで第一話として過不足無いハイクオリティさだったと感じたんですけど、これで3000文字も書いてないのってマジですか?一文辺りの密度が濃いのに、めちゃくちゃ読みやすい。とんでもなく書くのが上手いとしか言いようがないです…。
で、物語について。ロクさんがとても思いやりがあり、自己犠牲の精神が強いのが伝わってくる。だからこそ「誰もしてなかったことですし」と重すぎる責任を一人で抱える役回りにもなっているわけで。ヒスイの地方の厳しさを考えれば野で命を落とす人だって少なくないでしょうし、心労がヤバそう…。
今後も続くであろう捜索の中でどのようなドラマが生まれるのか、ロクさんの想いはどのようになっていくのか。気になるところです。


よしぇ ☆☆☆☆

(コメントなし)


円山翔 ☆☆☆

 ヒスイのお話だ! 今も昔もこういう役回りの人がいるんだなあと思うわけです。実際、いたんじゃあないかなあなんて思えてきます。あの世界ではポケモンに襲われるなんて茶飯事だったでしょうし、広大な土地で迷子になる人も多発していたでしょうし……そういう生々しい部分にスポットを当て、悲しみを背負う立場から描いているのが良いですね。理不尽にさらされながら指名を全うする、その姿勢が好きです。


浮線綾 ☆☆☆☆

(コメントなし)


逆行 ☆☆☆

これも中々興味深いと言いますか、心が惹かれるお話でした。アルセウスというゲームの隙間と言いますか、本編で描かれていない部分を上手く描いているなあと感じます。家族の了承も得ず遺体を焼くのは結構まずい気もしますが、食い破られた遺体を遺族に見せられないから、ポケモンとの共存を推し進める必要があるから、という理由づけはなるほどなあと思いました。冒頭の「終わりは誰にも等しく訪れるが、その全てが幸福なものではない」というのがまさにこのお話を表していると感じます。


ion(ioncrystal)

必要でしょうね、あの世界ならそんな仕事も。そこに興味は非常にあります。
重いテーマすぎてそれ以上の感想は差し控えたい。

もっと踏み込んで行くと、自分はミコト先輩以降のくだりがあまり好きではありません。
展開への清涼剤ってのは重い話の文字数をもっと稼いだ先にあるものだと思う。好き好きですが。


鈴志木 ☆☆☆

アルセウスは未プレイなのですが、あの死と隣り合わせの環境ならば犠牲者も多いだろうし、御遺体を回収してあるべき場所へ還す役目を担いたい気持ちも理解できます。
葬送の物語になるのでしょうか。御遺体の回収も過酷なのでしょう。


あしゃまん ☆☆☆

 そりゃあ、あるよね。帰れなくなることも、悲惨な最期を迎えることも……。
 せめてもの弔いをする立場を主人公に据える、なんとも陰惨な展開が続きそうですが、どう物語が広がって行くんでしょうか。彼の物語が少しでも前向きな結論に至ることを願うばかりです。


ミュウト ☆☆☆☆

(コメントなし)


フィッターR ☆☆☆☆

短い字数ながら起承転結が纏まっていて、しっかりとお話を読み取ることができました。
体も心もかなり消耗する仕事だろうに、ひとりきりに任せてしまって大丈夫なのかな、と思ってしまいます。ロクにいい仲間ができますように。


参加者A ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


葉穂々 ☆☆☆

アルセウスの苛酷な世界を考えると、ロクのような役目を持つギンガ団員も本当にいそうです。
面白い連載になりそうですが、題材が題材なだけに、読むには覚悟が必要かもしれません。


森羅 ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


はやめ ☆☆☆

レジェンズアルセウスの二次創作ですね。ギンガ団の捜索隊は確かゲームに無かったと思うので、そうくるか!!と掴みでグッと引き込まれました。
ポケモンとようやく共存の兆しが見え始めた頃の時代。まだ人を襲うポケモンに、罪を被せたくないという主人公の気持ち、なぜ遺骨を焼いてしまったのかと責める遺族の気持ち、どちらの視点も無理が無く、心情を推して測る部分がありました。


照風めめ ☆☆☆

ポケモンに襲われたり、単純に高所から飛び降りてゲームオーバーになったりと従来のポケモンシリーズより過酷なヒスイ地方でしたが、本作もかなりシビアな世界観に思いました。
ポケモンと共に歩き始めた、と言及があったのでシナリオ終了後の世界観でしょうか。ゲームでは調査隊や製造隊、警備隊などいましたが、捜索隊というのもヒスイの地では確かにありそうだなと腑に落ちる設定でした。
ポケモンが直接人に襲い掛かってくるヒスイではポケモンに食われる、というのもありそうなことですよね。単純に広大な大地でもあるので迷子になった人の捜索というのもあるかと思いますが。
そしてそんな主人公の手持ちが炎・ゴーストタイプのヒスイバクフーンというのもいいなあと思いました。
この捜索隊という仕事が今後どのような話に広がっていくのか続きが気になります。


きとかげ ☆☆☆☆

 おお~好き。
 ロクが憎まれ役を引き受けている理由がいい……ロクは何も悪くないけど責められる仕事、いや〜~良いな~題材が好きです。遺体を燃やす&魂を導くヒスイバクフーンがロクの手持ちとしてこれ以上なく合っていますね。
 ただ、綺麗に終わっているので、逆に「続きが楽しみ」という観点では評価しづらかったのです……好きです好き。
 面白かったです。


タマゴサンド ☆☆☆☆☆

『LEGENDS アルセウス』には(たしか)存在しなかった捜索隊というオリジナルの部隊の設定がいいですね。
作中の死体の悲惨さはあの羆事件を参考にされたのでしょうか。
『帰るべき場所に送ってあげたい』が故人を家族のもとへ帰すこと。パートナーのヒスイバクフーンの「さまよう魂を食らい炎で浄化し、あるべき場所へ還す」という設定の二つの意味が込められているのが好きです。


加藤ブドウ糖液糖 ☆☆☆

(コメントなし)


rairaibou(風) ☆☆☆

 アルセウスもの、こういう原作で書かれていない部分を補完するのは二次創作の醍醐味ですし、こういうストーリーの作り方はアルセウスという原作の舞台を活かしてて面白いと思います。作中の役割的に暗い話が多くなりそうですがそこのところどうなんでしょうか


586 ☆☆☆☆

・出だしからとてつもなく重厚、そしてハード。厳しい大地の厳しい現実が伝わってきます。3,000字に満たないにもかかわらずこの厚みは特筆すべきです。
・描写というか言葉が整理されていて、状況が非常に掴みやすいです。そして主人公が何を仕事にしているのかも……。
・生真面目な主人公、それを緩和するように軽口を叩くミコト。コンビとしてとても良い形だなあ、と思いました。

<コメント>
投稿いただきありがとうございます。『アルセウス』で登場したヒスイ地方が舞台で、作風も『アルセウス』のそれを基にしたなかなかにハードでシリアスなものとお見受けしました。とても良かったです。今後さまざまな形でヒスイの地にて「帰れなかった者」が出てくるのだ、そう思うと胸が締め付けられると共に、是が非でも見届けなければならないな、そういう気持ちになります。ぜひ連載のほどを!


空色代吉 ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


じゅぺっと ☆☆

(コメントなし)


雪椿 ☆☆☆

(コメントなし)


早蕨 ☆☆☆☆☆

 捜索隊の話。なるほどなあと思いました。たしかに調査隊や警備隊は花形でしょうし、今後のヒスイのためになる仕事をやっている、という実感がやっている者達にあるのでしょうが、その裏側で、事故にあった者達を捜索する役割があるのも納得ですね。放置ではギンガ団の倫理が問われるでしょうし、誰かがやらなければならない仕事感があります。自分でそれを選んでいるのか、仕方なくそこにいるのか、主人公がその仕事にどうやりがいを見出しているのか、気になるところです。投稿、お疲れ様でした!


島ハブ ☆☆☆☆

(コメントなし)


秋桜 ☆☆☆☆

とても良かったです。とても3000文字にいかないとは思えない満足感でした。続きも気になる。投稿お疲れ様でした。


ジェード ☆☆☆☆☆

あ、好き……ややスポットの当たりにくいお仕事の話、どストライクです。
亡くした人の捜索隊だなんてもうね、ドラマしかないんですよ。この短い文章でも十二分に惹き付けられてしまいました。

死を題材にしたポケモン小説でも珍しいと思いますが、あのレジェアルとマッチさせてるのが本当にいい。バクフーンの図鑑説明とも合ってますよね。
最初に「連れて帰ってくる」って言って、でも救助じゃないと端的にこの作品のコンセプトか表れていてスマートですよね。
その後に「ポケモンが悪者になる」という言葉から、主人公の人となりだとか、難しい立場に身を置いた葛藤がね、手に取るようにわかるんですよ。これって、とってもすごいことです。

題材からして重苦しい話になりそうなものですが、バクフーンとの日常は癒される。特に下顎をのせているところが好きです。結果として、全体にそれほどヘビーな印象がなく、ヒスイの寒さに合った物悲しい雰囲気が良いなあと。

はあ、好きです。これは私にめっちゃ刺さる作品でした。
投稿お疲れ様でした。


花鳥風月 ☆☆☆

(コメントなし)


カイ ☆☆☆

ヒスイ地方って行方不明者いっぱいいそうなので、捜索に特化した隊は需要ありそうですね。クロの隊もこれからどんどん大きくなっていくのでしょうか。悲喜交々の物語の予感がします。
ところで完全に余談ですが、HISUI NO KAGARIBIってなんかカッコいいユニット名みたいでいいですね、とマスクネーム見て思いました。


水雲 ☆☆☆

 タイトルと文章、そして締めで物々しさを感じましたが、思っていたよりも短くすっきりまとまっており、第一話として非常に手堅く仕上がっていると感じました。ギンガ団視点での「同胞」への弔い。向こうには向こうの世界があるんでしょうね。


匿名 ☆☆☆

(コメントなし)


オクトノリシゲ ☆☆☆

(コメントなし)


リング ☆☆☆☆

ヒスイ時代の状況を考えればどれだけの人間が死んでしまうか、わかったものではないですね。作中では天才扱いをされている主人公ですら何度死んでいるかもわからないような過酷な状況なので、死者も遭難者も沢山出そうです。時にはそのどちらでもない逃亡者なんかもいたりするでしょうし、コトブキ村に返ってこない人間にはそれぞれ物語があったことでしょう。その一つ一つがどういった物語になるか、期待です。


久方小風夜 ☆☆☆☆☆

ああ、ヒスイ地方ならこういう仕事もあるだろうなぁ……。この時代なら土葬も多かっただろうし、まあ遺族も憤るよなぁ……。
相棒がヒスイバクフーンなのはまさに! って感じですね。ベストチョイス。
しかし捜索隊、主人公ひとりなのか。まあ大人数必要になる事態も嫌だけど……。


FOMA(FOMA_ug_px) ☆☆☆☆

(コメントなし)


あまよし ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


セコイキング ☆☆☆☆

なんだこの文句なしにまとめ上げられた第1話は。なかなかキツい仕事の様子から始まり、先輩との会話から主人公の人となりを描き、最後に主人公の役職を明かす。読む人を引き込むために必要な要素を厳選して書かれたんだろうなと感じます。文を飾り立てずに淡々と事実と心情を描写していくことで作品のやるせない雰囲気が増しているようにすら思えます。こんなに心が掴まれる3000字弱は珍しい。300字!?(二度見)
重たい“死”という題材を扱いながらもそれを“送る”という優しい目的が提示されてるからなのかな、ひたすら悲しくて読む気が滅入るということもないんですよね。むしろ何話か続いた先に小さな暖かい篝火を見ることができるんじゃないかという期待がある。こういう救いのない事象の中に1つの救いを見つけようとする物語、好きな人多いと思うんですよ。いいお話だった(第1話です)
ところでご婦人の旦那さんを焼いたの、カガリくんの炎なんでしょうかね。図鑑説明を踏まえるとこの上なく優しい火葬だと思うんですが、これカガリくんも色々感じながら捜索隊の仕事を手伝ってるんじゃないかと想像してしまい……1人と1匹、どうか彼ら自身にも幸いがありますようにと願ってしまいます。


トビ ☆☆☆

レジェンドアルセウスの世界観のギンガ団捜索隊という設定がすごく面白いと思いました。ゲームでも迷子のヒトを探すミッションがありますし、なるほどなと感心しました。
唯一の捜索隊とのこと、ひとりで任務をこなすのは危険が伴うと思いますが、危機管理はどうなっているんでしょう。どうしてリクは捜索隊に選ばれたのかとか、様々気になります。カガリがロクを真似て手を合わせる姿を想像すると萌えますね……。
投稿、お疲れ様でした。


赤星 ☆☆☆

ワイルドエリア以上に身の危険を感じるヒスイ地方、さらに開拓期ともなれば人身事故も多かったろう……というところで新設された捜索隊。せめてロクさんにミコトさんやカガリさんといった理解者がいるのが救いですね。ゲーム本編からは少し後の時間軸なのかな? これまでギンガ団に存在しなかった捜索隊が編成されたきっかけなどもこれから語られるのでしょうか。末文にある「『帰れなかった者』を『在るべき場所』へ、帰す者だ。」が、ただ遭難した人々やポケモンたちだけを指すのか、未来からやってきたテル/ショウ(レジェアル主人公)やノボリさん、あるいは時空の歪み関連にも広げられそうな言い回しで、次の話が待ち遠しいです。


門森 ぬる ☆☆

(コメントなし)


水のミドリ ☆☆☆☆☆

そんなに描写が細かなわけでもなかったんですけど、冒頭の僅かなやりとりから主人公の仕事風景が見えてくるんですよね。捜索隊とは名ばかりで見つかるものの大抵は損傷が激しく、回収することさえままならずに、霊タイプになったバクフーンに導かれるようにして、ぽつりぽつりとヒスイの大地を彷徨い歩く。1歩1歩踏みしめるような固い地の文からシーンが思い描けて、それだけで没頭できるほど信頼が置ける冒頭でした。
ロクはゲーム本編の主人公のED後的な立ち位置なのかな。それとも別人なのかしらん。後者ならばゲームの主人公を出した方が、対比で裏方の捜索隊という汚れ仕事が鮮やかになったのでは……と思います。


天波 八次浪 ☆☆☆☆

つらい仕事だなぁ……でもこのお仕事をしてくれる人がいるから大自然の恐ろしさに人が立ち向かえる……えらいなぁ。


赤灯路 ☆☆☆

(コメントなし)


ポリゴ糖 ☆☆☆☆

 Legendsアルセウスにおける主人公たち調査隊から見ると、残酷な裏側の部分を担った捜索隊のロクが主人公ということで、全体的に悲し重しな雰囲気でしたね。ゲームをプレイしていると往々にして体力が0になることもありましたが、確かにそんな状況で倒れたら死んじゃうよなあと思い返しました……。ポケモンの怖さというか、野生の恐ろしさというものが間接的に伝わってくるのも見どころでした。その中にあって先輩とのやり取りといった清涼剤もあり、ロクのポケモンと人間とのかかわりにおける考え方が見えるのも美味しいポイントでした。
 第2話以降でも悲惨な様子が次々出てくるのかもしれません。ロク君には折れずに頑張ってもらいたいところですが、果たして。あるいはLegendsアルセウスのシナリオに巻き込まれていくとか、そういうのもアリかもしれないと思いました。
 投稿お疲れ様でした。


農協じゅんの人 ☆☆☆☆

アルセウスのハードな世界に正面から挑んだようなストーリーと設定がめちゃくちゃ好きです。ゲーム通りの異世界転生が無ければ、あの世界を救うのはロクなのかも。引きの一文も格好良かったです。


若鷹 (評価スキップ)

このような場に参加することが初めてで、早々たる作品の数々に身を縮めまくった大会期間でした。主催の586さん、お疲れさまでした。そしてありがとうございました。
この話を書くにあたって、イメージしたのは「アンナチュラル」というドラマでした。司法解剖をする法医学者の物語なのでまったく異なるのですが、「不自然死」という最悪の結果が起きてしまったところから見えなかった真実を探す。そんな感じの話です。そんなこんなでポケモンの世界と理不尽な死って噛み合わないよなぁと考えていたところでアルセウスの世界がぶち込まれたものですから、これが僥倖ってやつかと。
他の方の感想でも勝手に荼毘に伏せたことを触れられていた方がいましたが、理由としては医学も発達していない時代で遺体は大概が傷み切ってしまうだろうし、野生動物から見れば肉ですから無惨な姿にもなってしまうでしょう。仮に遺体を見つけたとしても「ポケモンに襲われて亡くなった」のか、「亡くなった後にポケモンが」なのかが判断がつかない。けれども「ポケモンに食い破られている」という事実がそこにあるのなら、遺族の矛先はポケモンに向かってしまう。それを一人で判断して……という感じです。書きながら「村の端に墓地もあるんだろうなぁ」とか「他の隊員のどうしようかなぁ」とか……ちなみに、隊長はいる設定です。他は割とノープランでした。
そんなこんなで実際書いてみるうちに壁にぶつかりつつ、膨らんだものもありつつで、ゆっくりではありますが「続きを書いてみたいな」という思いも出てきましたので、頑張ってみたいと思います。出すならスクエアか、ピクシブか……ですかね。
元々3000字前後を目安に書いている人なので、5000字近くで出される作品の数々を見て少しばかり不安にもなりましたが、自分が一番やりやすい形で今回参加させていただきました。
TLで公開された感想の中では暖かい言葉をたくさん頂き、恐縮しっぱなしであったことと同時に感謝の気持ちで一杯です。

ただ1つ、いや2つほど申し訳なかったのは、完成した勢いのままで投稿したので校正を怠り、誤字や1マス空けが不十分な場所があったこと。そして32番のお話がすごく温かくて愛らしい話だったのに、こんな重たい話を持ってきてしまったことです。

投票してくださった方々、本当にありがとうございました。
作品を投稿された皆様方、本当にお疲れさまでした。作品の数以上にたくさんの刺激を頂きました。


夏十字 ☆☆☆☆

ラスト一文を読み終えて、淋しいようなあたたかいような、何とも言いがたい気持ちになりました。
非常につらい、でもやさしい強さを抱いた作品だと感じます。
ロクはどうしてこのような道を選んだのでしょうね。他者をおもんばかり、それゆえに背負い込む彼にとって捜索隊という生き方は適任であり、大変な呪いでもあるように思いました。
続きが気になります。


キノコです。福山雅治ではありません。 (評価スキップ)

流麗に紡がれた文章表現が光る作品でした。一つ一つの所作や情景が丁寧に描かれているため、キャラクターそれぞれの内心が、景色や行動とともにジワジワと伝わってきます。
そのような作りだからこそ、主人公のやるせなさや、ミコトのぶっきらぼうな優しさをしっかりと受け取ることができました。
村人からすれば、大切な人の死体を勝手に火葬するなんて許せるはずもありません。しかし、ぐちゃぐちゃになった死体を遺族に見せるというのもあまりに酷な話であります。それに加え、ポケモンに悪感情が向くことは避けなければいけない。
様々な考えが入り混じり衝突した末に、主人公は「自分が犠牲になるしかない」と考えるようになってしまった。非常に説得力のある行動理論が展開されていると思いました。
全ては主人公の優しさ故に起こした行動なのですが、結局は村人に責められる結果に終わります。ここが本当に切ないところですね。
そんな孤独な主人公の思いを汲み取ろうとしてくれるキャラクター「ミコト」は、読者にとっても救いの存在です。
ですが主人公はその優しさに対して、少しばかりの鬱陶しさを抱えていますね。各々が善良な思いを抱えているからこそ起こる食い違い。そこの描写がリアルで良いと思いました。
主人公がミコトと真の意味で分かり合える瞬間が来ることを、願わずにはいられない。そんな作品になっていると思います。


マの字 ☆☆☆☆

(コメントなし)


りゅうおう ☆☆

(コメントなし)


小樽ミオ ☆☆☆☆

社会というものが自己犠牲の集合の上に築かれていることを改めて考えさせられる作品でした。ロクのしていることはミコトの言う通り「損な役回り」の側面があると思うんです。今回のように変わり果てた遺体に遭遇したり、遺族のやり場のない感情をぶつけられたり。できれば避けて通りたいと多くの人が考えるはず。でもロクやカガリが「捜索隊」を務めてくれるからこそ、気持ちを救われる死者や生者がいる。そこに自らを投じることができる彼は、使命感に満ち、人の気持ちを想像することのできる人物なのだなと感じました。
「捜索隊」の特性上、物語がこれから多数の死に遭遇することは想像に難くありません。それだけに、これは完全な好みの問題なのですが、「ロクは自分なりの納得にたどり着ける」「ロクのしたことは報われる」という示唆が欲しいと感じました。ロクは感謝されるために「捜索隊」にいるのではありませんが、拝読している身としては彼が報われないまま最終話を迎えてしまっては気持ちが辛いです何か彼の前途に差す光を連想させる要素がもう少し散りばめられていてもよかったかなと、個人的には思います。


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