コンテストのページへ戻る

ガャラムドゥラス

作者:mundus sine deo/あきはばら博士さん

北埜とら ☆☆☆☆☆

 これなんかすごい私好きなんですよね……宗教系とかが結構苦手意識あるので冒頭ではちょっとウッとなってたし、途中も特殊設定が強すぎてちょっと読むの大変だなと思っていたはずなのに、気付けば途中から「もっといっぱい読みたいから終わってほしくない」と思いながら読んでいたので、何かこう癖になる的なものがあるんでしょうね。読者である我々はヴォングリーがぼんぐりであることを知っているし、ガャラムドゥラスが何故町の中に突然湧いて出るのか答えを知っている。作中の人物が知らないことを知っている面白さっていうか全能感っていうか……なんかそんなところが癖になるのかな……
 とにかく設定が面白い! 禁断の果実をぼんぐりと絡めてくる発想めっちゃイイなあと思いました。自分はこういう凝った設定は逆立ちしても出てこないし思いついても書けないので、読んでいてすごく楽しいです! 境界を守るもの『ガャラムドゥラス』とかすごいかっこいいし、設定だけじゃなくて地の文の一文一文や登場人物の一挙手一投足もかっこいいんですよねえ。すごく読み応えがありました。内容としては結構この一話で仕上がっているような気がするし最後の一文を見ても第二話では別の時代の話になるのかな……?どんな内容になっていくのかまったく読めませんよね。この設定を活かしてどんな物語が展開されるのか楽しみです!投稿お疲れさまでした!


まーむるもーま ☆☆☆

(コメントなし)


音色 ☆☆☆

ぼんぐりのことヴォングリーって表記されると一周回って面白いのずるくないですか????
それはそれとして、なるほど聖書の中身をこういう風に解釈するのすごく上手いですね。ポケモンたちも感じでバカスカ平気で出てくるし、ルビがあったら楽しいという気持ちと読み解いてやるぜという部分が戦争を起こしました。良いなぁ~~~。
ポケモンが鎧をつけてるのもアルセウスの映画を思い出しますね。あれは拘束具だったけども。ヒスイのあれこれが感じられるアイテムだけどアルセウスとはまた別地方、時代が近しいのかな。ヒスイのガーディ、メカクレ可愛い。
今回のタイトルボスはおそらくあれかな、ギャラドスかな。しかし、ここからどういう風に世界が転がっていくんだろうか。
世界観が綺麗にぶち抜かれていてお見事です。


スカイブルー ☆☆☆☆☆

神話上の語りっぽいというか、全体的に聖書みたいな雰囲気の一作。直接的なワードでポケモンや道具を書くことはなく、それでいてしっかりと読者には読み解ける範疇なのが面白いです。ヴォングリー、はちょっと面白いな。
最後のワンシーンで語られる「弱くて臆病で人畜無害な赤い雑魚の魔獣」はコイキングのことでしょう。からのギャラドスの出現、進化そのものが人々に認知されていないとこういう認識になるのでしょうね…。天災のような理解不能な事象を"神罰"として捉えるのが本当に神話っぽい。
どの描写を見ても一切妥協がなく、細部までこだわって世界観を作り上げられているのがめちゃくちゃに伝わってきます。あまりにも完成度が高すぎる!素敵な一作でした。


よしぇ ☆☆☆☆☆

ポケモンから程遠く離れてしまい、まるで北欧神話のような雰囲気を醸し出しており、普通に見ればただのポケモンバトルなのに神々の黄昏かのように描き切ってしまう技量に脱帽です。厨二心がくすぐられて、良かった!


円山翔

 聖書のくだりから始まり、荘厳な雰囲気漂う読了感でした。ガラルやカロスの時代物を書いたらこういう感じになるのかなあと思えてきます。徹頭徹尾雰囲気を貫いているのも良いですね。
 ちょっと気になったのは、「ガャラムドゥラス」「ヴォングリー」といった横文字と、ポケモンの名前を漢字で記した表記とが混在している点。漢字表記自体は良い表現方法だと思いますが、西洋風の物語に合わせて横文字にするとより統一感が出るのかなあなどと思いました。


浮線綾 ☆☆☆☆

(コメントなし)


逆行 ☆☆☆☆

世界観がとにかく独特ですね。それでいてポケモン二次創作である必然性がかなり強いお話でもありました。『ヴォングリー』の語感の良さですよ。言葉のセンスがすごいですね。ステルスロックの使い方が上手です。相性が悪い強大な敵といかにして戦うのかよく考えられているなあと思いました。文章力も高く世界観とマッチした硬派な文章だと感じました。この硬派な文章を連載でずっと書き続けるのは大変かもしれないので、連載をする予定なら無理せず頑張って欲しいなと思います。


ion(ioncrystal) ☆☆☆☆☆

スラブの宗教や神(ペルーンとか)がキリスト教に駆逐された話をヒスイ地方の話に見立ててる訳ですよね、取り急ぎ。
作者予想込みで、これは本当に続きあるんじゃないかって思ってるのですが、そうだったら嬉しいなぁ
みんな言ってるけど重厚な文章よ。
やっぱヒスイといえばギャラドス、ギャラドスといえばガャラムドゥラスですよね!! ちゃんと調べてないけど似た言葉見つけてきたならすごいと思います。境界を守るものとかそのまんまやん。


鈴志木 ☆☆☆

ファンタジックで言葉遊びが効いている面白い世界観ですね。読者目線ではコイキングがその辺にいる世界だから、ギャラドスが突然現れてもおかしくないんですが、初代から詐欺に使われるくらいですから想像もしないのでしょうね。


あしゃまん ☆☆☆

 なんぞ? と思ったらこれギャラドスなんですね……。名前からギリギリポケモン名がわかる絶妙なネーミングが面白いです。ヴォングリーにはさすがに草を禁じえませんでした。
 内容ですが、古代なのかコイキング→ギャラドスについてすら知られていない時代背景で、歴史も深く深く練り上げられてるんだろうなと思わされるほど投げかけてきます。実際の神話に絡めてしかもちゃんと読めばポケモンとわかる、噛みごたえのある作品だと思いました。


ミュウト ☆☆

(コメントなし)


フィッターR ☆☆☆☆

大河ドラマの幕開けのようなお話だと思いました。宗教の中におけるポケモンのあり方の描写も作り込まれていて、よく考察されているなと思います。
歴史のお話で締めているので、これから先の展開がどうなるのかが気になります。時代を一気に下ってオムニバス形式になったりもしそう。


参加者A ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


葉穂々 ☆☆☆

ヴォングリーはわかりやすくて笑ったのですが、
ガャラムドゥラスに関しては、水棲ドラゴンならキングドラかドラミドロ?……と暫く考え、コイキングを示唆する記述でやっと正体に気が付きました。
今後の話も、登場ポケモンの正体予想をしながら読んでいくのは楽しそうです!


森羅 ☆☆

(コメントなし)


はやめ ☆☆☆☆

聖書とポケモンの併せ技に恐れ入りました。あまり詳しくないのですが、ポケモンの道具や種族名をそれらしく表現しているところも世界観に違和感なく没入出来るポイントでしたね。「ガャラムドゥラス」「ガーディア」「ヴォングリー」ポケモン好きはすぐピンと来ますよね。ヴォングリーの字面を見たとき思わず笑ってしまいましたが笑 
少なくとも自分には絶対に描けない作風ですので、作者の方は一体どなただろうと思いつつ、楽しみました。
お話自体も非常に面白く、続きも気になる展開です。これは壮大なプロローグなのでしょうか? 「堕落した聖教会」が物語をどのように動かしていくのか。
また、魔獣との戦闘も圧倒的な迫力でした。雷で自滅するところ等、戦闘描写自体ユニークで一つ一つ見逃せない場面でした。逆鱗、格好いい! 連載お待ちしてます。


照風めめ ☆☆☆☆

冒頭は聖書らしき一説から厳かに始まったと思えば、直後のヴォングリーでふと笑ってしまいました。ヴォングリーはズルすぎる。
改めて前後を見通せば、アルケーウスもアルセウスですし、印象的なタイトルであるガャラムドゥラスもギャラドスであることが分かるのもテクいし面白いな~と思います。
お話としては端的に言えばガーディとギャラドスがバトルをする、というだけなのですが、その周囲の掘り下げ方によって圧倒的な個性を放っており、すごいと思います。
魔獣が神の果実に捕獲されて使役されると存在は浄化されて赦される、といったある意味都合の良い解釈も宗教ぽいし、おそらくまだ進化について研究が進んでいない時代であることから(かつ、コイキングを使役する人がいないであろうという点からも)突如ギャラドスが現れることを謎、と称していることもその時代らしい解釈と感じました。
続きがどうなるかは一切予見できませんし、本当に続くのかも分かりませんが、続くのであればとても楽しみです。


きとかげ ☆☆☆☆

 ポケモン二次創作で信仰、それもキリスト教モチーフの話ががっつり主題なの、珍しい……!
 珍しさだけでなく、世界観と溶け合うように再配置されたポケモンの呼び名も面白い。
 ヴィルヘルム、とっさにペルンの名が出るような、そういう背景の持ち主であるのが気になるところ。
 面白かったです。


タマゴサンド ☆☆☆☆

宗教とポケモンを織り混ぜた世界観が好きです。
ポケモンたちの具体的な名前は出てきていないのに「シシイヌの魔獣ガーディア」などどんなポケモンかわかりやすく、いわゆる「それっぽい」名前なのもいいですね。


加藤ブドウ糖液糖 ☆☆☆

(コメントなし)


rairaibou(風) ☆☆☆☆

 これ面白いですね、ただギャラドスと戦っているだけなんですけど、そこにいくつかの世界観をプラスすることで神聖なものに見せる上手い小説だと思いました。
 すごくいいと思うんですけど、咆哮や環境音をセリフなどで表現しているところが個人的にはちょっとだけ読みづらさがあったかなと思いました。


586 ☆☆

・パッと見「これはポケモン二次創作なのか?」と目を疑ってしまうのですが、よく読むとちゃんとポケモンなのが分かりますね。
・この作品特有のルールに基づくワードの言い換えが行われていて、これだけで個性は十分に発揮できていると感じます。
・一方で言い換えられたワードを読者の頭の中で元に戻す作業がどうしても発生するため、読んでいて少し引っ掛かりを覚える部分があります。この点は私の読解力もあると思います。

<コメント>
投稿いただきありがとうございます。投稿いただいた作品の中でもタイトルの「なんだろうこれ?」感は非常に高く、その点で読者の印象に残る度合いの強さがあると感じました。このお話の特色は何といっても全編に渡って散りばめられた独特のワードで、よく読むとほとんどがポケモンまたはそれに関する要素なのだと理解できます。この点は独自性があると思いましたが、一方で「これは何なのか?」を理解するためにどうしても一瞬読む手が止まってしまう部分があり、一長一短な印象を受けました。今後の展開に期待しております。


空色代吉 ☆☆☆

(コメントなし)


じゅぺっと ☆☆

(コメントなし)


雪椿 ☆☆☆

(コメントなし)


早蕨 ☆☆☆

 旧約聖書から引っ張った文章、ガャラムドゥラス、ギャラドスとの戦い、救世主の死後、正教会は東西に分離した挙句に崩壊、北に活路を見出す。史実をもじった、ポケモン世界の話ですかね。抜群の雰囲気と文章の拘りが垣間見えて、自分にはとても出来ません。凄いなあと思うしきりでした。ヴォングリー、というネーミングもナイスですね。今後、どういう話になっていくのかについてはいまいち想像がつきませんが、救世主の再来のようなお話が展開されるのではないかなと想像しております。どういう意味でかは分かりませんが、現代的な意味合いで境界線を越え、再びガャラムドゥラスが現れようとしているのかなあ、なんて考えます。一気に話が現代にまで進んでいくのか、どういう文章になっていくのか含め、気になるところです。投稿、お疲れ様でした!


島ハブ ☆☆☆

(コメントなし)


秋桜 ☆☆

ヴォングリーは発明。とても格好いい作品でした。「グギャ!!」など書かなくても格好良く戦闘を書けそうですが、文字数の関係ですかね? 投稿お疲れ様でした。


ジェード ☆☆☆

これは荘厳なお話ですね〜。
レジェンズアルセウスが下敷きにあり、ポケモンそのものの解釈をキリスト教をベースに再解釈。こういうね、ベースがしっかりとしてて、現実よりなお話って私は大好きですね。
あとヴォングリーは天才だと思いました。ちょっと唐突なぼんぐりは笑いそうになった。
実際、物語の緩衝材的な役割も感じますし、モンスターボールの成り立ちも合わせてこれは上手いな〜と。

名前がギャラドスっぽいな……って思ってたら本当にガャラムドゥラスはそれらしいですね。何とも言葉遊びが粋。ほかの種族も「元はこう呼ばれたのかな」みたいな名残りがあっていい。邪教の存在やあのラストに、これからの布石や広がりも既に感じますね。
文章も格式高いのに読みやすくて、センスを至る所から感じました。
投稿お疲れ様でした。


花鳥風月 ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


カイ ☆☆☆

「神の果実ヴォングリー」を見た瞬間、これはめちゃ面白い作品ではないかと予感しましたね。
神話調で進む物語は一見難解ですが、そこかしこにポケモンの描写がちりばめられていて、世界観は見えないのに情景だけはありありと目に浮かぶという不思議体験をしました。タイトルのガャラムドゥラスを始め、ポケモンを表現するための独特な単語がとても印象深かったです。


水雲 ☆☆☆

 なるほどガャラムドゥラス。さすがコンテスト、この発想はなかったと毎度のごとく膝を打ちます。文章の運びが広大で、神話を彷彿とさせます。ポケモンのいる世界にはこういう古くからの伝説が数多くあるのでしょうね。


匿名 ☆☆☆

(コメントなし)


オクトノリシゲ ☆☆☆

(コメントなし)


リング ☆☆☆☆☆

何のことかと思ったらギャラドスじゃねーかw 古代ローマの話っぽい雰囲気を出しつつ、やたら大仰にポケモンの物語を繰り広げる。全力でふざけているようで、このノリをどこまでも見ていきたいです。


久方小風夜 ☆☆☆☆

あー、ヨーロッパの古い文献とかカタカナ表記のブレありますもんね。そういうアレか。しかしヴォングリーはパワーワードだ。そう来たか。好き。
それにしてもこれ続き必要? ってくらいしっかりまとまってますね。タイトルが”ガャラムドゥラス”だけどもう若干片付いてる感もあるし。
他のポケモンがいい感じの当て字とか表記ゆれもらってる中名前がもはや文章のコイキング、哀れ。


FOMA(FOMA_ug_px) ☆☆☆☆

(コメントなし)


あまよし ☆☆☆☆

(コメントなし)


セコイキング ☆☆☆☆☆

うおおおおおオイラの進化系だあああああ(大嘘)いえね、ガャラムドゥラス、タイトルだけじゃなんのこっちゃなんですが、彼が何者か分かった瞬間にブチ上がりました。進化系なので(大嘘)。進化したらHNガャラムドゥラスにしよ(しないよ)。ガャラムドゥラス、公式でもちょくちょく思い出したようにキケンなポケモンだって説明が挟まりますからね。彼の脅威をしっかり描写しているところが個人的にとてもよかったです。
聖書の知恵の実(生命のほうかもしれんが多分知恵のほうだ)をぼんぐりと結びつける発想、すげぇや。ガャラムドゥラスもそうなんですけど、ヴォングリーとかアルケーウスとか、元の単語が分かる程度に響きをそれっぽく変えるあたりも語感センス光ってんなぁと思います。弱くて臆病で人畜無害な赤い雑魚の魔獣』しかいない場所からガャラムドゥラスが爆誕する理由も読者にはよく分かるんだけど、この時代のこの世界観なら「煙のように現れる神罰のような存在」と捉えるのもナャルホドゥラス(あのさぁ……)読者だけが分かる作中の謎からしか摂れない栄養、ありますよね。ところでこれ次話は聖教会の没落を辿っていくのか、没落しきった1000年後の時代から始まるのか、どっちなんでしょう。どっちでも面白そうだな~~~。


トビ ☆☆☆☆

ヴォングリーとガャラムドゥラスは「声に出して読みたい単語アワード2022」にノミネートされましたね…何回でもつぶやきたい。ガャラムドゥラス、ヴォングリー、ほんと、この発想はなかった…世界観を表現するために、単語を別の言語(古代ギリシャ語?)っぽく変換してしまうとは素晴らしい、アイデア日本一ですよねほんと。一瞬で没入しました。ヴォングリーは神の果実なのですね。禁断の果実ヴォングリーがモンスターボールになった、みたいな解釈をプラズマ団あたりがしてきそうだなと妄想してしまいました。
ヴィルヘルムとストミールを中心にストーリーが進んでいくのかなと思いましたが、文末を見るとこれがプロローグのような存在で、この後の望まぬ栄華を見ていくストーリーになるのでしょうか。
単語を言い換えるなど、ここまで丁寧な描写がある中で、一部の技名などが原作に忠実なのは何か意図があったのでしょうか? ポケモンの叫び声をセリフとして描写するところは、この世界観と合わないかなとちょっと思いました。
投稿、お疲れ様でした。


赤星 ☆☆☆☆☆

「ポケットモンスター」という題材のアレンジとして本コンテスト中最高の世界観構築だと思います。作品に合わせたポケモンや技の言い換えも直感的にわかるもので読む手が止まることもなく、それでいて中盤でガャラムドゥラスが登場した時の、タイトルの意味がわかったときのカタルシス。物語は聖協会によって悪魔というラベリングをされてしまった土着神ガャラムドゥラスについての信仰と宣教の話になるのでしょうか。これだけ作品全体で荘厳な雰囲気を出しているにも関わらず、弱点タイプのガャラムドゥラスと戦うのヤだな~って思ってるストミールがかわいいのもずるい。非常に楽しませていただきました!


門森 ぬる

(コメントなし)


水のミドリ ☆☆☆

ポケモンというシステムを独自の神話体系へ再定義する演出、初めて読みました。面白い試みだし世界観バッチリ、このくらいの難解度ならどうにか5000字は読み切れます。想像する主人公たちがテルマエ・ロマエばりに顔の彫りが濃いの、なかなか楽しい読書体験でした。ストミールってけっきょく何の種族なんだろ……。
しかし連載となると……負担に感じちゃうかも。独自言語を現代語訳し、それが正しいか判断しながら読み進めるのは相当な文章力を必要としそうです。読み手の読解力と集中力も。そのくせステルスロックとかストーンエッジとかアクアテールとか、現代ポケモン用語(?)が出てくると世界観が崩されたような気がして醒めてしまう……読者とは実に身勝手な生き物なり。やるなら徹底的に貫き通してほしい気持ちはあります。


天波 八次浪 ☆☆☆☆

舞台設定がたいへん面白いです。壮大でケレン味のある描写にわくわくします。うまく訛らせた用語の持つ雰囲気と叙事詩めいた文体が、語感で感じ取る空気の大きさを実感させて小説って言葉で綴られる物語なんだなと再認識しました。


赤灯路 ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


ポリゴ糖 ☆☆☆☆☆

 「ガャラムドゥラス」……発音からして難しく、いったい何ぞやと思わせて引き付ける効果が高いですよね。実際はギャラドスのようで、確かにコイキングから進化して暴れ始めると突然出て来たようにも見えますよね。全体的に、既知のポケモン小説の世界観とはがらりと変わっていて、基督教的な神と悪魔、邪教のような概念が出てきたり、ヴォングリー=ぼんぐりを神の果実と見做してそれによって浄化するという設定には舌を巻きました。
 第2話以降、ヴィルヘルムとストミールを中心に進んでいくもよし、1話1場面で世界観を描き出していくもよし、といったように進め方が色々見えるのも面白いところでした。昔はガャラムドゥラスを敬っていたのに今は討伐対象になってしまったのは何故なのか、といったところも出てくるでしょうか。
 投稿お疲れ様でした。


農協じゅんの人 ☆☆☆

ヴォングリーはずるい!笑 変換法則がもしかしたらあるのかもしれませんが、分からないのが歯がゆいところです。あと技名は普通なんかい!と突っ込んでしまいました。
割とこの一話でお腹一杯になっちゃいましたけど!? というのも笑って突っ込みたくなってしまうポイントではあります。笑


若鷹 ☆☆☆☆☆

"ヴォングリーの一言に尽きます。声に出して読みたい言葉第一位。
何事も文章で描写するときは「どれだけ膨らませられるか」という事が大切だと思っているのですが、いい意味で全てをこれでもかと大袈裟に描かれていた作品だと思います。難解に感じてしまった部分もありましたが、圧倒的な描写力でぶん殴ってくる。この人絶対めちゃくちゃ書くの上手いと感じさせられる、そんな作品でした。"


夏十字 ☆☆☆

兎にも角にも発想の勝利だと思いました! 相性の悪いガャラムドゥラスを相手にして心折れず立ち向かい打ち破ったストミールを称えてあげたいです。
ガャラムドゥラスが一体どこから現れるか。読み手の9割9分は分かると思うので、終盤の「その謎に多くの者の頭を悩ませて続けていた」という記述に歯痒さを抱くと同時に、少しクスっとしてしまいました……。
ところで、決着の際に「安らかな眠りがあらんことを」とヴィルヘルムが言う通り、ガャラムドゥラスは絶命したのかなと思ったのですが、その後すぐ「魔獣は、神の果実に捕獲されて人に使役されることで、その存在は浄化されて赦される」とも書かれています。この辺り、どのように解釈すればよいでしょうか?
連載として、次以降は一体どのようなおはなしになるのかも非常に興味深い作品です。


キノコです。福山雅治ではありません。 (評価スキップ)

怪作であり傑作です。本作の冒頭は、旧約聖書の創世記のような記述から始まります。
大真面目な顔をしてヴォングリーなどと言い放った時は笑ってしまいました。まさにシリアスな笑いを生み出していると思います。
それにしても文章が本当に上手いですね。こちらの作者様、聖書をかなり読み込んだのではないでしょうか。
聖書と一言で言っても、その中にあるエピソードは数えきれないほど存在します。そうしたエピソードを土台にすることによって、幾らでも新しい話を描き出せそうです。続きがあるならば期待しています。
本作は主に創世記など聖書をベースにしていますが、他にもしかするとギリシャ神話などの話がかなりオマージュとして入っていると推察されます。間違ってたらごめんなさい。元ネタを知っていると読んでいて楽しいですね。
「ガャラムドゥラスは多分ギャラドスだ!」などと気づいた瞬間の快感もたまりません。このような楽しみ方ができる小説は稀有だと思いました。


マの字 ☆☆☆☆

(コメントなし)


りゅうおう ☆☆☆

(コメントなし)


小樽ミオ ☆☆☆☆☆

バトルシーンに英雄譚を読むような興奮を覚えるだけでなく、設定の掘り下げも見事な小説でした。
まず「楽園追放」の解釈からして目を見張るものがありました。その結果人類に残されたものが「ヴォングリー」であったこと、それを通じて人類と魔獣は互いの手を取り合うようになったということ。自分が想像したこともなかった解釈に、この段階から物語の世界へ引き込まれました。人類は地上において神の統治を代行しているという解釈も、魔獣は神の果実「ヴォングリー」を通じて人に奉仕することで浄化されるという解釈も、人類の権威を裏付ける教義として「いかにもありそう」な雰囲気が素晴らしいと思います。
戦いの場面を読むときの心持ちはさながら「英雄の戦いを遠巻きに見守り、英雄が勝つよう遠くで祈ることしかできない無力な民衆」のようでした。巨大な魔獣ガャラムドゥラスを、小さな体のヴィルヘルムとガーディアが打ち破る。自分はその様子に英雄のようなものを見たのかもしれません。設定面でもストーリー面でも非常に面白い作品でした。


Tweet