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ワイルドエリア巡回業務日誌 記録1:遺失物214172(バッジケース)①

作者:定時退社/赤星さん

北埜とら ☆☆☆

 タイトルだけ見てワイルドエリアの巡回業務員さん視点の物語でワイルドエリアで取得した遺失物にまつわるエピソードが一つずつ展開されていく感じかな?と思いながら開いたんですが、視点はジムチャレンジ中のトレーナーだし後半の展開も見るにそういうわけでもなさそうですね。ワイルドエリアで人が死ぬみたいな話って剣盾発売からしばらくは結構見かけがちだった気がするのですが、本作は遺失物にスポット当てているところが好きでした。よく食べ物とかも落ちてるしな……
 ワイルドエリアのスタッフらしき?彼が好きだったんですが、彼単にスタッフさんなのか大概怪しいな。最初に刺々しい様子を見せて後からタイラさんをからかって和ませたりする人のよさ?を見せる何か思いがけなさみたいなものが好きだったんですが、考えるとタイラさんがやってきた時点でブルーシートの下側について全く説明する気が見られないのも不自然だし、タイラさんが近づいてきた時の警戒感とか一番最後の「ああもう、ついてない」というセリフから考えてももしかしたらワイルドエリアで見つかる遺体で何か悪いことをしている人の可能性もある。そう思うと結構不気味に見えてきました。やっぱりただのワイルドエリアに死体あります系ではないような感じがしますよね……この後一体何が起こるんだ……?投稿お疲れ様でした!


まーむるもーま ☆☆☆

(コメントなし)


音色 ☆☆☆☆

あ~~~~好きだな。厳しい現実にようこそ!!!! っていう感じがとても好き。バッチケースのくだりもタイラちゃんの無謀な落とし物探しも世界観の説明がとても丁寧でかつコンパクト、そしてラスの流れから次回がとても気になる良い流れですね。素晴らしい。
ワイルドエリア、まじで強いポケモンにぶつかった時の“絶望”感ものすごいし、ちょいちょい人が立っているのを見るとマジで管理されているんだなぁっていうのがよくわかるんですよね。フォクスライ、今晩のごはんにするのかな~~。
でも、いったん埋めてしまおうとしていたのか、それとも別の理由があるのか。その辺も気になりますな。遺品だけ持って帰ったりするのかなぁ。いやぁ、ベンケイさんの「ついてない」が本当に色んな意味を含んでいそうですね。
果たしてタイラさんのバッチケースは見つかるのか? それ以上にそのブルーシートの下の中身は大丈夫なのか? 続きが楽しみですね。


スカイブルー ☆☆☆☆

ガラル地方自体ジムチャレンジに挑む子供達のために様々なところで大人達が力を尽くしているイメージがあるんですけど、ワイルドエリアももちろんそのひとつで、常に人間によって管理されている。そう、管理し続けなければならないほど危険な場所、という雰囲気がよ~く伝わってきました…。
タイラさんのように危険だとわかっていながらも無茶な探索をしてしまう子供、そもそも危険を理解していない子供など大勢いるわけで。どんなに人間の手を加えようとも最後のブルーシートの中身のような結末をたどってしまう者もいるのでしょう。広大な冒険の裏に隠れる残酷さがすっごくリアルに描かれていてどきどきさせられました。
タイトルからすると、どちらかというとワイルドエリアを管理する大人達にフォーカスする連作物なのでしょうか。果たしてバッジケースは無事見つかるのか、そして今後はどのようなドラマが生まれるのか?期待がかかりますね。


よしぇ ☆☆☆☆☆

ワイルドエリア怖いですよね。つい先般、初めてポケモンデビューしたウチの下の子が突入後ホルードLv40に無惨にもその身を散らしたこともあり、タイムリーすぎて妙に反応してしまいました!


円山翔 ☆☆☆

 主人公はタイラさん……ではなく、きっとこのベンケイさんですね。ワイルドエリアの恐ろしさの一端を思い知らされた感じです。丁寧で生々しい描写が緊張感漂うよい雰囲気を醸し出していると思いました。


浮線綾 ☆☆☆☆

(コメントなし)


逆行 ☆☆☆☆

冒頭の申請用紙を書くシーンを細かく描写してるのがとても好きです。役所とかで申請用紙書くのって誰もが経験したことがあることでありながら、あんまりここを描写してる小説を読んだことがなかったので新鮮でした。アブリーの使い方も見事で、『彼女の心と共振するように物悲しい羽音を奏でている』など主人公の感情を強調するのに一役買っていると思います。なんとなく「ポケモンに襲われるところで第一話を締めるのかな?」と思っていたので、この終わり方は不意をつかれた感じです。ここからどういう展開になるのか予想が付かないですね。


ion(ioncrystal) ☆☆

(コメントなし)


鈴志木 ☆☆☆☆

ありそうでなかった面白い設定ですね!
まずバッジケースを親から継承して子のジムチャレンジで使うところでなるほど納得です。これだけ歴史のあるリーグならば確かにそれもありますよね。自分だと思いつかなかったです。
ワイルドエリアは本編からして大変危険なエリアなので、落とし物や死者は多いのでしょう。それを回収する役割の人がいても何ら不思議ではないですね。以降はバッジケースを探しつつ、色々な落とし物を回収していくお話になるのでしょうか。どういったものが拾われるか気になります。


あしゃまん ☆☆☆☆☆

 日誌とは言いつつ、出会った相手の方から描写していく倒錯もいい味を出していますね。このベンケイさんが主人公で、彼が出会ったワイルドエリアのトラブルを綴っていくのでしょう。暗い部分も直視していて、どう絡むのかも気になりますし、タイラがバッジケースをどのように見つけるのか、ベンケイさんの今後の活躍に期待大です。


ミュウト ☆☆☆☆

(コメントなし)


フィッターR ☆☆☆

人の手が届いていない世界の猛威が、静かな文章の中にうまく表現されていたと思います。
五感の表現が多いのが特に目を引きました。主人公のおかれた状況のスリルさが読み手によく伝わってきていますね。


参加者A ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


葉穂々 ☆☆☆

アブリーのチョイスが可愛くて良いですね。
ベンケイさんがワイルドエリアで出会った色々な人たちのショートストーリーになるのだと予想しますが、どんなお話が待っているのでしょう?

>しかして職員の親切を無下にするのも忍びなく、彼女は用紙を丁寧に四つ折りにしてバックパックの底にしまいこむ。
かつての自身の記憶が蘇りました……私の落し物は見つかりましたが、タイラさんのバッジケースも見つかることを祈ります。


森羅 ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


はやめ ☆☆☆

(コメントなし)


照風めめ ☆☆☆☆

序盤の再発行届提出のくだりから、うまいなあと感じました。この5000字の制限下では、描写を削って展開に持っていく作品もいくらか見られたのですが、本作はそういうことなくストーリーも描写の深さも両取りする技量と構成力の高さを感じます。
主人公のバッジケースの思い入れの深さもさることながら、そこから頑張って探そうという健気さが胸に来ますね。
ワイルドエリアのような広大なスペースですが、確かに我々がゲーム中で通ったのはさらにそのうちの一部のエリアにしか過ぎないでしょうし、ゲーム内でも落とし物らしきものを良く拾えましたね……。
そして最後に待ち受けるのはブルーシートに隠された遺体。ショッキングなシーンで区切られたので、この後どうなるのかなと続きが気になります。
タイトル的にも他にもいろんなネタが出来そうですね! 遺失物だけじゃなく様々なケースも予想されそうです。


きとかげ ☆☆☆☆

 お仕事もの、好きです。
 ワイルドエリアでの死は背徳的な面白さを感じます。ガラル地方のリーグのスポーティな雰囲気と、一歩間違えれば死ぬ自然というちぐはぐさがその魅力を生み出すのでしょうか。
 まかり間違えばタイラが死んでいた状況ながら、物語としては別の人が死に、タイラが主人公格のベンケイに遭遇するという話の運び方に、丁寧さを感じました。
 アブリーの行動も良いですね。トレーナーの行動を止めきれないところも、ベンケイを見つけてそこへ飛んでいくところも。
 面白かったです。


タマゴサンド ☆☆☆☆☆

剣盾ではあまり描写のなかったワイルドエリアの過酷かつ壮絶な側面が描かれていて好きです。
ベンケイにとっては日常的な、しかしタイラにとっては非日常なワイルドエリアが広がっているのがいいですね。


加藤ブドウ糖液糖 ☆☆☆☆☆

(コメントなし)


rairaibou(風) ☆☆☆☆☆

 スタンダードに面白い内容だと思いました。5000字の中にいくつものパーツがありますしそれでいて最後にあっと言わせる展開もありますしとりあえず2話を見て見ようかなと言う感覚になります。ベンケイはベンケイソウからでしょうか


586 ☆☆☆☆☆

・作中で主にカメラが向けられているタイラの心理状態が手に取るように伝わってくるのと、それを仕草で描写している点に巧さを感じました。見事です。
・原作でもワイルドエリアでえらい目に遭った人は多数いるかと思いますが(私もです)、こうしてお話の中で描写されると迫力が段違いですね。
・こうしてワイルドエリアで様々な「落とし物」をした人が現われるのだなあ、という雰囲気が伝わります。中には命を落とした人も……。

<コメント>
投稿いただきありがとうございます。ワイルドエリアはソード・シールドの新要素として大変楽しませてもらいましたが、冷静に考えると凶悪なポケモンが無数にたむろする無茶苦茶危険な場所なんですよね……。この点について描写されたお話は意外と見なかったのですが、納得感がありとても楽しめました。このお話の作り方だとワイルドエリアにまつわる種々のエピソードを無理なく展開できそうであり、連載小説の第一話としての広がりも十分に感じられます。高水準でまとまったとてもいいお話だと思います!


空色代吉 ☆☆

(コメントなし)


じゅぺっと ☆☆☆☆

(コメントなし)


雪椿 ☆☆☆

(コメントなし)


早蕨 ☆☆☆☆☆

 これ好きです! ブルーシートの中身を見てしまって悲鳴を上げる、というところまでをオチとしてただ物語を展開するだけではなく、第一話として、父の話とかベンケイとどいう関わっていくのかとか、彼女自身の気持ちとか、次に繋がるものをしっかり匂わせつつ、一話として話に引き込むための展開としてブルーシートまで持っていく流れは、凄く良いなあと思いました。ケース毎に話が分かれているのでしょうから、色んな話が連作になっていくのでしょうか。連作の裏で一個の物語が動くような、そんな話を想像しました! 投稿、お疲れ様でした!


島ハブ ☆☆☆☆

(コメントなし)


秋桜 ☆☆☆☆

面白かったです続きはどこに。ポケモン世界の闇というか危険な部分を描いてはいるのに露悪的ではない塩梅が好きです。投稿お疲れ様でした。


ジェード ☆☆☆☆

うわあああ〜タイトルからして、この結末は……。
ワイルドエリアの遺失物って着眼点が非常に私好みです。こういったあまり表には出ないだろうけど、重要なお仕事っていいですよね。

アブリーというポケモンの存在感があっていいなと。図鑑に準拠した役割で、少女好みな見た目もあって、この主人公に合っているように思います。主人が新米トレーナーらしく、ちょっと振り回されがちというね。そのトレーナーとのバランス感もらしいなって。好きですね〜。
バッジよりもバッジケースの安否をずっと気にしているのも、あ〜この子のバッジケースとお父さんとの間にも、きちんとドラマがあったんだな、ていう部分が察せられる。
巡回業務の青年、いい感じにくたびれた社会人な空気ありますよね。
主人公が森を捜索する場面も、いつ大きなポケモンが飛び出してくるか。そんな臨場感と隣合わせな感じが十分に出ていて、これは怖くていいな〜!

これは好きなタイプの作品ですね。
バッジケースを巡る話もまだ続きそうなので、気になるなあ。
投稿お疲れ様でした。


花鳥風月 ☆☆☆☆

(コメントなし)


カイ ☆☆☆

あ~~~いいですね。ワイルドエリアの分不相応エリアに立ち入っちゃって怖い目に遭うの、王道って感じがします。原作ゲームの表現がマイルドなぶん(とはいえ圧倒的なレベル差のポケモンに襲われるのめっちゃ怖いですが)、リアリティのある表現にぞくぞくしました。
やぶの中でジグザグマの巣をあさる時の描写、迷子になったことに気づいて嫌な予感に徐々に押し潰されていく心理……大変上質な文章で引きこまれました。

はたしてバッジケースは見つかるのか、タイラのジムチャレンジはどうなるのか……記録1の続きと共に、この後はどんなワイルドエリア巡回にまつわる物語が待っているのかと、楽しみになる第一話でした!


水雲 ☆☆☆

(コメントなし)


匿名 ☆☆☆☆

(コメントなし)


オクトノリシゲ ☆☆☆

(コメントなし)


リング ☆☆☆☆

あぁ、死者が沢山……ヒスイでもガラルでも散々言われていましたが、ワイルドエリアで職員をしていたら絶対に出会うことになる問題ですよね。一般市民であるタイラにそんなシーンを見せて、タイラは何を思うのか。そして今後どんな影響を与えるのか、気になる引きでした。


久方小風夜 ☆☆

ああ、ワイルドエリアで絶対死人大量発生してる、って話は剣盾始まったころからありましたもんね……。
タイラはたまたまベンケイと会ったからよかったけど、一歩間違えたらブルーシートの下は自分だったかもしれないからね。
記録1ってことは他の落し物の話も来るんだろうけど、それはどういう風な展開にもっていくんだろう。


FOMA(FOMA_ug_px) ☆☆☆

(コメントなし)


あまよし ☆☆☆☆

(コメントなし)


セコイキング ☆☆☆☆☆

「ワイルドエリア怖いよね」という話題、剣盾発売当初はかなり盛り上がってましたよね。人々の語りを聞きすぎてそろそろ食傷気味だと思っていたんですが、いややっぱりこういうちょっとリアルなポケモンの話は面白いです。タイトルが『ワイルドエリア巡回業務日誌』なのもいいですね。保全協会スタッフを中心として色んな人達の遺失物を巡る話を書いていくのかな。オムニバス形式大好きなのでそこからわくわくしました。
このお話、登場人物の心情描写もすごく上手だなと思いました。冒頭の職員とタイラちゃんの感情がすっと入ってくるし、ベンケイさんの考えてることもこの描写量で大体分かる。三人称なんですけど、全ての人物の行動原理がしっかり理解できるようになっているんですよね。変に説明っぽいわけでもないのがさらにすごい。わりと行動の経緯とか理屈を気にしてしまう質なので、そのあたりがとても好きでした。
バッジケースは見つかるんでしょうか。いや日誌に記録されてるんだから見つかるものだと信じたいですが。この遺失物に限らず、誰かの落とし物に込められた人の思い、沢山見てみたいですね。


トビ ☆☆☆☆

ワイルドエリア内は落し物が多そうですよね、着眼点がいいなと思います。
レジェンドアルセウスでは高いところから落ちて気絶すると道具を落としてしまいますが、ワイルドエリアにもそういう設定があったら面白そうです。
シリーズ全体を通すと、ベンケイが主人公なのかなと思いました。死体は彼が殺したものではなく、巡回中に見つけた不運なトレーナーの死体なのだと想像しました。この物語の終わり方が絶妙ですよね…続きが読みたいなと思いました。
タイラはお父さんのバッジケースを見つけることができるのでしょうか。
投稿、お疲れ様でした。


赤星 (評価スキップ)

一話の展開力のなさを最初に三話更新することで強引に解決してそう。


門森 ぬる ☆☆

(コメントなし)


水のミドリ ☆☆☆☆☆

書き方的にブルーシートの下に何があるか読者に予想させつつも、『ああもう、ついてない』シーンの見せ方がお上手でした。日が落ちて暗い森に取り残され、ようやく出会えた人影に安堵したのも束の間――ワイルドエリアの脅威をまざまざと見せつけられる。読み手の心理を操るのに長けていらっしゃる……! 演出の塩梅がとてもちょうどよく、信頼して物語にダイブすることができました。
ただオチが綺麗につきすぎたゆえ、無くしたバッジケースとかもういいや……と読後感に満足してしまいましたかね。命あっただけよくない? お家帰ってゆっくりお風呂浸かろ? ママにぎゅってしてもらお? ヒキが弱いかなあ……と思いきや、タイトルからしてベンケイさん中心の短編連作みたいになるんですねコレ! ガラルリーグを裏で支える汚れ仕事集。いろんな人の視点から寡黙なベンケイさんの人となりが浮き彫りになってくるのでしょう。5000字のワイルドエリアを巡回してタイトルに戻ってきてそれに気づいたときの気持ちよさは、全裸でダイマックス巣穴に飛びこんだとき以上でした。今大会でタイトルいちばん好き……。


天波 八次浪 ☆☆☆☆

大切なものを危険地帯で落としてしまったら泣いちゃいますよね、どれだけショックだったかが自然な描写で伝わってきます。
アブリーの様子からベンケイさんが悪い人じゃないとわかること、とっさに遺体の頭部を足でブルーシートに押し込んだのが一般人に無惨な遺体を見せないようにした仕事慣れしたプロの所作で、ワイルドエリアで横死した遺体を扱う人だと自然と推測できる描写が見事です。


赤灯路 ☆☆☆☆

(コメントなし)


ポリゴ糖 ☆☆☆

 タイトル的に、遺失物係の日常とかそういう系統のお話かと勝手に思っていたのですが、実際はホラー的な雰囲気を漂わせているというところで意表を突かれましたね。恐らくは父親の形見?のバッジケースを失くしたタイラの落胆が文章のいたるところから伝わってくるようですし、焦りから危険な場所に踏み込んでしまう心の内というのも深く分かります。そしてベンケイとの出会いとブルーシートの下の正体。彼が窓口を訪れたのも何か探し物があってのことなのかな、と勝手に想像しました。
 ブルーシートの下のナニカについて掘り下げていくこととなるのか。それが何なのか知ってしまった彼女はいったいどうなってしまうのか? 第2話も気になりますね。
 投稿お疲れ様でした。


農協じゅんの人 ☆☆☆

タイトルからして淡々とエグい展開を持ってくるんだろうなあと期待して、まさにその通りでテンション上がりました。
「ワイルドエリアでブルーシートを見かけたら、近寄らない方がいいよ。きっとそこには誰かの死体が埋まっているから。」現実を突きつけるこの一文がもの凄く好きです。


若鷹 ☆☆☆☆☆

死という言葉を使わずに死を表現する。突然現れたわけではなく、さりげなく在ったものに再度フォーカスして不穏を描き、その異質さに気付かせる。後半からの空気に息を呑んでしまいました。不安を抱えながら歩く→一人だけになってしまう恐怖→誰かに合流できた安心→さらなる恐怖との出会い、5000字の中でこの流れがきれいにまとまっていることに、巧さを感じます。


夏十字 ☆☆☆

父から受け継いだ大事なバッジケースを探す少女の話――と思いきや。ブルーシートに何かが隠されているらしき描写が出てきた時点で悪い予感がしましたが、やはり……。
これは人間の死体なのか。ベンケイがやったことなのか。現状の主人公はタイラ……に見えますが、だとしても彼女はあくまで1エピソードの主役でしかない可能性もあり(タイトルから察するにその可能性が高いように思えます)、エピソードがどんな結末を迎えるかもまだわかりません。
どういうテイストに転ぶお話なのかまだ分からない状態での「引き」が巧みで、どきどきしますね。続きが気になって仕方ないです。


キノコです。福山雅治ではありません。 (評価スキップ)

公務のお仕事が妙にリアル感がありましたね。職員たち自体は優しいのだけれど、なかなか役には立ちません。現実を知ってしまったがゆえに、少女はどうしようもない焦りを抱き始めます。
そして彼女はとうとう危険な行動に出てしまうわけですが……。
いやぁ、ワイルドエリアの安全ルートを外れるとここまで怖い目に遭うんですね。剣盾の主人公が如何にバケモノなのかよく分かります。アイツどこでも行きますからね。
ベンケイという名の青年が本当に頼もしく見えました。私たち読者は少女に感情移入していますから、そんな彼女の恐怖は私たちにも直に伝わっているわけです。
そんな時に救いの手を差し伸べてくれるベンケイさん、本当にカッコいい。
アブリーの描写が、少女の感情とシンクロしている部分も良かったと思います。ポケモン二次創作でしか見られない表現というのは、見つけるたびに何だか嬉しくなるものですね。


マの字 ☆☆☆☆

(コメントなし)


りゅうおう ☆☆☆☆

(コメントなし)


小樽ミオ ☆☆☆☆☆

非常に読みごたえがあり、ぜひ企画内だけで終わらずに連載してもらえたら、と思う作品のひとつでした。
自分の持ち物を紛失して交番や警備室を訪ね、「届いていない」と言われた時の愕然とした気持ち。大切なものを紛失した焦り、そんなものを紛失した自分への憤り、いろんな感情がないまぜになって「愕然」と言うしかない――私にもこういう経験があります。ですので物語の始まりからいきなり主人公への共感を覚え、あっという間に物語に没入しました。
描写も非常に丹念です。行ったことがあるわけない場所なのに、木漏れ日の明暗や土のにおいが画面越しに広がってきそうでした。魅力的なキャラクターに、どう転ぶか分からない事件の勃発。第二話に進みたいと思う要素が盛りだくさんです。


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