個体#137238とみられる個体を確認した、あるいは個体#137238とみられる個体の目撃情報が寄せられた場合、担当局員は速やかに現場へ急行し当該個体を捕獲してください。捕獲には特定手順や特定機材は不要ですが、後述する#個体137238の特性から担当局員には携帯獣「ヌケニン」の属性・特性への知識を踏まえた上での捕獲行動が求められます。
捕獲された個体#137238は、モンスターボールに収納した上で通常の支局間携帯獣転送用回線を用いてカントー地方ニビシティ第一支局へ移送してください。当該支局では現在二十体超の個体#137238を収容、管理しています。個体#137238の収容を担当する職員は通常のヌケニンと同様に個体#137238を取り扱ってください。現在のところ個体#137238特有の措置は不要であると結論づけられています。
個体#137238が発生する現場に遭遇した場合、スマートフォン等所持している音声・映像記録デバイス各種を利用し可能な限りの過程記録を試みてください。その後は個体#137238および個体#137238-Bの双方を捕獲することが推奨されますが、択一すべき状況となった場合は個体#137238-Bの捕獲を優先してください。個体#137238-Bが捕獲された場合、速やかに最寄りの支局への簡易報告を行ってください。報告が入り次第ニビシティ第一支局において本案件の担当者による対応会議が招集され、個体#137238-Bに対する初期対応が決定されます。
その異常性に由来する捕獲の容易さから、一般のポケモントレーナーが個体#137238を捕獲している可能性が考えられます。市民から個体#137238であることが疑われる携帯獣を所持しているトレーナーの情報が寄せられた場合、速やかに当該のトレーナーに接触し所持携帯獣を確認してください。携帯獣が個体#137238であることが確認された場合、適切な許可を得た上で個体#137238を確保することが推奨されます。
案件#137238は、ヌケニンと共通する複数の性質を持つ未知の携帯獣群(個体#137238)です。ツチニンを由来とする一般的なヌケニンは本案件の取扱対象ではありません。
個体#137238が初めて確認されたのは、2013年3月頃のことです。ニビシティ在住の一般市民から「トランセルの抜け殻が動いている」という通報が寄せられ、急行した職員が野生の個体#137238を確認、通常の携帯獣と同様の過程を経て捕獲することに成功しました。
その後に確保個体(個体#137238-1)に対する詳細な検査を実施したところ、特性は一般的なヌケニンと共通するもの(ポケモンリーグ協会公式資料では「ふしぎなまもり」と呼称される特性)であることが判明しましたが、使用可能な技能は一般的なトランセルに準じており通常のヌケニンが使用できる技能はどれも行使することができませんでした。
モンスターボールや携帯獣図鑑などの携帯獣用機器類は、あらゆる個体#137238を一貫してヌケニンと認識します。種族属性・特性・行使できる技能を分析表示する機能を持つ機器を使用した場合でもその外見から推測される元の携帯獣の種族属性・特性等は確認されず、一般的なヌケニンと同様に「虫」「ゴースト」の属性を持つと表示されます。また各個体に対し実際に行った標準的な属性耐性確認テストの結果においても、通常のヌケニンと同様の種族属性法則に従った「虫」「ゴースト」の両属性に対し有効な攻撃においてのみ負傷することが確認されました。
また、すべての個体は摂食や睡眠、呼吸といった通常の携帯獣に必要な生命維持活動を行わないとともに、敵愾心を持つ個体の接近・使役者の命令等がない限り自発的な行動を行いません。これは一般に知られているヌケニンの生態と一致します。
この特性のため、個体#137238は通常の携帯獣に比して捕獲が容易です。
当局による個体#137238-1の捕獲後も類似した異常性を持つ個体の存在が複数件確認されたため、管理局は2013-6-28をもって案件#137238を立ち上げました。現在、これまでに発見されたすべての個体#137238を捕獲することに成功しており、捕獲された個体にはいずれも#137238-1と同様の性質が確認されています。しかし当局による個体#137238の発生の観測には未だ成功していません。また個体#137238の発生元となる携帯獣の属性や種族、個体確認事案の発生間隔などには法則性がみられず、今後の個体#137238発生観測および個体発生事案の予測は難航するとみられています。
ヌケニンおよびその発生元となるツチニン・テッカニンの生態から個体#137238の発生において同時に発生すると推測される個体(個体137238-B)の存在が推測されていますが、個体137238-Bが確認、および確保された事例は現時点では存在しません。
捕獲されたすべての個体情報の一覧は、リストL-137238を参照してください。
以下はリストL-137238の抜粋です。
・個体#137238-1
発生元はトランセルと推測される個体。カントー地方ニビシティ付近にて捕獲。
破れ目は通常のトランセルの抜け殻と同様に背中部分に存在。
・個体#137238-3
発生元はアーボと推測される個体。ジョウト地方キキョウシティ付近にて捕獲。
硬度は通常のアーボの抜け殻と同程度であり一般的なヌケニンや#137238-1には大きく劣る。そのため自重を支えきれず、通常のアーボよりも扁平な形状のまま活動する。
・個体#137238-6
発生元はフワンテと推測される個体。カロス地方ショウヨウシティ付近にて捕獲。
破れ目は頭頂部の雲に類似した形状をした部位に存在しており、その部分の原形が保たれていない。身体の球形部分は一様に萎んでおり、一見してフワンテと推測できる特徴は二本の触腕のみ。
・個体#137238-11
発生元はイワパレスと推測される個体。イッシュ地方18番道路にて捕獲。
破れ目は生体部分の腹部に存在。通常の個体が背負う岩石部分の原形もはっきりと残存しているが、通常の個体とは異なり岩石部・生体部が癒着しており継ぎ目が見当たらない。また、破れ目は岩石部を通過させられるような大きさではなく、個体#137238-11-Bがどのようにして抜け出たのかは不明である。
・個体#137238-17
発生元はランクルスと推測される個体。イッシュ地方ソウリュウシティ付近にて捕獲。
通常のランクルスが周囲に纏う液体の輪郭を持っており、#137238は不定形の物質であっても「ぬけがら」とすることが可能であると推測される。
硬度は#137238-3よりも低く、担当職員の一人はこの個体をゼリー、あるいは複数枚重ねたまま濡らしたオブラートと喩えている。高い硬度を持つ他個体との接触で容易に負傷するため、他個体とは隔離の上で収容。
本案件に付帯するアイテムはありません。