エピソード4 アローラ

著者:小麦粉がないならパンケー(以下略

 遠い昔。

 遥か彼方のアローラ諸島で。




 アローラ諸島は長きにわたる4つの島の戦いに疲弊していた。

 ある時、遠くイッシュと呼ばれる地よりの難破船が辿り着く。

 難破船の船長は、文明の利器を振るい4つの島を平定。各島の王に連合王国を形成し、イッシュに仕えるように言い渡す。

 長く閉ざされていた4島だけの世界は隷属を余儀なくされた。


 そして、数百年ののち、彼らに独立の気運が高まってきた頃。嵐が過ぎ去った夜にメレメレ島に座礁した船があった。

 島民は海の民の掟に従い乗組員を救助した。

 彼らは救助のお礼に最新の科学技術を置いていった。

 各島の島民と王は、最新文明を手にし反撃に出る事にした。




 ……。




 …………。







 ………………。











「この品々をもっと揃えられれば、我々の独立が復活する」

 ある島の王は熱弁する。

「ああ、何とかしてこれらの品を密輸しなくては」

 別の島の王も頷く。

「して、どう使うのだ?」

 王達は黙り込む。使い方の分かる物もあれば、初めて見る物もある。

 王の一人が、丸いガラスの球体を手に取る。ガラスは口の部分が金属性の蓋で閉じられていて、その金属の蓋から2本の細い棒が飛び出していて、その2本の棒の間に細い毛の様な物が乗っかていた。

「これは何だ?」

「ふん? 何かを保存する物か?」

 ふと王達は、これを電気を発するポケモンに持たせると良いと言われていたのを思い出した。

「ポケモンが使う武器なのかもしれん。ライチュウを呼べ!!」

 召使いの一人が、王のライチュウを呼びに行く。


 呼び出されたライチュウは、ガラスの球体を渡された。

 ライチュウは悟った。金属のところを触ると電流が流れそうな事に。

 王達はどの様な武器なのか、楽しみに遠くから見ている。




 ライチュウは金属の所を握ると天に掲げて電気を流した。




「おお!! 明るい!!」

 アローラに最初の電気の光が灯った瞬間である。