この世の中には別の場所があるという。
いや実際にあるが、そんなことは詳しいことはわからない。
この筋肉!!
このたくましい体!!
別の世界があるのは知っているが、マッスルあふれるこの体では理解することが出来ない。しかし、理解出来なくとも筋肉!! マッスル!! 恐れるものは何もない。
時空が歪む瞬間、悟ってしまった。この先には筋肉を求める何かがいることを!!
迷いはない、信じるは筋肉!! そして鍛え上げたこの筋肉!!
別世界に飛び出した瞬間、目の前に2条の光が……。何が起きたかわからないが、大きな甲高い音を発しながら四角いそして大きな箱。それが、近づいてくる。
筋肉!!
咆哮と共に四角い箱を粉砕する。
轟音と共に箱が爆発する。我が筋肉に勝るものなし!!
粉砕された箱の残骸から、輪っかを握った生物が出てくる。この世界の生き物か。
筋肉!!
咆哮をあげ殴りかかる。生物は悲鳴をあげて輪っかを投げ出すと逃げ去った。
燃え盛る箱の残骸にはもう用はない。この世界のどこへ向かおう?
そんな時、大地を揺るがす地響きがした。何者かが押し寄せてきている。筋肉はそう告げる。なら我が筋肉で粉砕するのみ!!
筋肉!!
振り返り地響きへ咆哮と共に拳を突き出す。
我は押し寄せる水に飲み込まれた。マッスルは負けない!! 力の限り水に殴りかかる!!
それはそれとして、世界はダムの底に沈みました。
だから、筋肉ではどうしようもないのです。