【061】「死神の棲む空」の感想

まーむる

評価: ☆☆☆☆

四つ足のアブソルが戦闘機を人間の操縦する戦闘機を操縦出来るとはどうしても思えない。
ゲームみたいに少しのボタンで操作出来る訳でも無いだろうし、コストを考えてもアブソルが操縦出来るように戦闘機を改造するより、人を乗せた方が良いと思ってしまった。

円山翔

評価: ☆☆☆☆

 ポケモンが戦闘機に乗っているという時点で作者の特定ができてしまったわけなのですが、果たしてどうでしょう。私自身はそれほど知識がないのですが、戦闘機に関する知識が豊富な方でないと書けないだろうなぁと。ゲームだからこそクリアできるように作られている訳ですが、島めぐりの儀式というのはとても厳しいもので、グズマさんのような脱落者も出てしまう。成功者よりも脱落者の方が、もしかしたら多いのかもしれない。そんなことを感じました。
 死神と呼ばれた存在が、自らが仲間に従っていたアブソルだった――もし主人公が死神の機体を撃ち落としていたら、そしてその上でコクピットを確認していたら、彼はもっとあれていたのかもしれません。戦争がなかったとしたら、長く生きるポケモン――カメールやキュウコンなんかが主人公と同じように思ったのかもしれませんね……なんて。不条理にさらされることは、不条理に立ち向かう力になってくれる。ぜひとも、そう信じたいものです。

照風めめ

評価: ☆☆☆☆

アイデア:◎
読みやすさ:〇
読後持続力:◎
えー! ポケモンが戦闘機に乗り込むっていうのには完全に虚を突かれました。
しかもアブソルかよ!! 四足歩行の生き物がどうやって操縦? エスパー的なアレでかな?
個々のキャラクターのバックホーンが立っていて、散りゆく命一つ一つに悲しみをしっかり感じることが出来ました。
空戦に関しては全く専門外ですが、どういった状況なのか。どういう雰囲気なのか。がひしひしと伝わってきました。
相手の人外たる行動。突撃するホルニッセ、最後の未来予知。これが異常かつ尋常ではない恐怖を効果的に描けていたと思います。
そして最後に一人だけ残された主人公は、新たな夢を描く。ここが復讐とかでないのが悟り開いてるっぽくて良かったです。
0から歩き出す蹉跌と再生の日々。こういったキャラクター、好きですね。

あまも

評価: ☆☆☆

現実世界にポケモンがいたら本当にこんな戦争になってたのかもしれませんね。

来來坊(風)

評価: ☆☆

 自分が言うのも何ですが、趣味にポケモンを文字通り乗っけたと言う感じの小説ですね。
 これは作者さん本人もわかってやっているのでしょうが、ちょくちょく専門的な用語が出てきて入り込めなくなる場面があったような気がします。
 やはり全体的に設定に無理があるんじゃないだろうかという印象でした。

浮線綾

評価: ☆☆☆

 ☆三つ差し上げます。以前から思っていたのですが、オーデンスというのはドイツを指しているのだと思いますが、その言葉の由来を知りたいです。
 軍事的な箇所は目が滑る滑る……戦闘以外の場面を拾い読みするような形になりました、想像力が追い付かないのはストレスになるので……
 コストのイメージは人間>ポケモン>兵器という感じでしょうか。ファンタジーだとしばしばチート級の超能力者が一国の軍を凌駕するほどの戦闘力を有していたりするので、私もそのあたりの認識を固めたいです。武力や経済の面からポケモンを評価するとどうなるのでしょう。

カイ

評価: ☆☆☆☆☆

ああ……なんでしょう。とても辛く、悲しく、激しい話だったのに、最後は寂しさを伴った不思議な爽やかさに胸を打たれてなりませんでした。
この世界のような、遠い世界のような、はるか昔の話のような、今も通じる物語のような……戦闘機の機関銃に打たれたかのように、ぐわんぐわんと頭と心に響くお話でした。

はやめ

評価: ☆☆

(コメント無し)

虹乃空

評価: ☆☆☆☆☆

第二次世界大戦や軍隊、空戦についてはあまり明るくないのですが、分かりやすい言葉と圧倒的なスピード感で、ぐいぐいのめり込ませてくれた作品でした。
「ポケモンが操縦桿を握っている」という設定がすごく面白いですね。ポケモンの世界では、確かにそんなポケモンの戦争参加もありなのかもしれません。ポケモンVS人の空中戦、とても迫力がありました。特に、炎に包まれたかと思った機体から、おそらく炎ポケモン?の操縦士が反撃してきたところが、この物語ならではの展開で手に汗握りました。
アブソルと共に雲を見下ろす夢を、ゆがんだ形で叶えたことを自覚した終盤のシーンでは、思わず目頭が熱くなりました。あまりにも不条理な戦争の物語。その中で確かに生き、進んで行く人とポケモンの姿が、とてもよく描かれた素晴らしい物語でした。

SB

評価: ☆☆☆☆

評価としては、
ストーリー:よくできている。
文章:もうちょっと。
です。

ストーリーですが、これはお手本のようによくできています。
まず、ちょっとひねりが効いているのがいい。
ひねりがないストーリーだと「死神をやっつけてめでたし」というところでしょうか。でも、物語途中で明かされる「パイロットはポケモン」というというところから少しずつ雰囲気が変わっていき、最後は「死神とともに眺める空」というクライマックスを迎えます。
また、序盤にアブソルへの想いが出されているのもよいです。これがストーリーが良いと判断した理由の2つ目。伏線がしっかりといきている。主人公のアブソルへの想いがあるからこそ、クライマックスがより素晴らしい絵になりました。

スケジュール的に厳しい投稿となったのかもしれませんが、読んだ人が楽しめるように考えられた、そして実際とても楽しく読めた小説でした。
スカイ・クロラを参考にされたということでしたが、「よく読む者はよく書く」という言葉通りですね(といいつつ私は映画版しか観たことないですが。素敵な絵の映画でした。こっちの影響もうけているんでしょうか)。

一方の文章ですが、これはもうちょっと工夫できるところがあったと思います。
以下の文言は、良くないと思います。
『世間話でもしていようという算段だ・・・』
『ビショップに生き写しな得意顔をこちらに向けている。』
「算段」だという言葉を使っているのに、やっているのが世間話というのは明らかに変です。
また「生き写し」というとても強い言葉(インパクトのある言葉)をこんな場所に使うのはもったいないです。
戦闘シーンはよくかけているのですから、日常の会話シーンももう少し推敲してほしいと思いました。
重い言葉や強い言葉は使いどころを慎重に選ぶべきです。

とはいえ、お手本のような短編のストーリーでしたので、星は4としておきました。
作者様のほかの小説も読んでみたいです!

Ryo

評価: ☆☆☆☆☆

ミリタリー関連のワード(機体のスペックとか)がさっぱり入ってこない残念な頭なのですが、最後まで物語に振り落とされることなくしっかり堪能できました。
恐らくは序盤で地上でのシーンがしっかり書かれていたため、主人公を始めとする登場人物の背負った過去と心情、
一種独特なこのお話の世界観、ポケモン観などをじっくり頭に入れる余裕があったためだと思います。
さっきまで威勢よく叫んでいた仲間が次の瞬間には肉塊になっている、そのあっけなさや、
悲しみや憎しみが完全に静止した世界で見る「死神」の超然とした美しさなどが、
かえって無常感や哀感を湧き立てていて、とても良かったと思います。
惜しむらくは、かつてトレーナーだった主人公が抱いていたアブソルへの思い入れが今一歩感じ取れなかったところ。
そこをしっかり書いてあると、漫然とした日々を過ごしていた主人公が
敵である「死神」に出会って逆に生きる希望を見出す、という流れが、一層引き立ったのではと思います。
戦争という不条理な時代背景の中で、その不条理さをきっかけに生きる意味を見出す、という皮肉と人生への誠実さに満ちたラストがとてもいい。
どういう境遇にあっても、私達は何かしらのきっかけで希望や生きる意味を見出して生きていけるし、そうしていくしかない、という…

P

評価: ☆☆☆☆☆

主題は空戦シーンなのですが、基地にて語られるそこに至るまでの面々のバックグラウンドと考え方の違いが戦闘機を駆るポケモンを相手取った空戦シーンで如実に表れるという構成によって、空戦の様子をうまく想像できなくても個々のキャラクターに引き込まれ読み進めていけるようになっており、扱うテーマから想像される以上に間口の広い作品となっていると思います。
アローラを離れた主人公、オーレの山奥出身の上官、カロスからの難民である画家の卵、大学へ行く夢を持つ同僚、そしてポケモンでありながら戦闘機を操る「死神」と、この文字数の作品にしてはやや登場人物の多い印象を植えますが、前述の通りワンシーンであっても個々の個性やバックグラウンドがよく現れた集合シーンや空戦中の衝突、そして一人残された主人公の述懐によって無理なくそれぞれのキャラクターの差を実感できるつくりになっており、その全員が集合する理由付けとしても戦争中の部隊という背景は説得力を持って使われていると感じます。

エトワール

評価: ☆☆☆☆☆

動物が兵器を人間より上手く使えたら恐ろしいのに、更にポケモン生来の能力が加わったら。どこかXYを想起させる設定がワクワクするし、空戦モノとしても楽しい。
戦争の真っ只中にいた主人公が一周回ってドライな感傷に浸る話の纏め方が秀逸。

フィッターR

評価: ☆☆☆☆☆

 拙作でございます。第1回ホワイティ杯の作品を読んだお方ならば、あっという間に筆者が分かったことであろうと思います。今回も隠す気をゼンリョクで無視してゼンリョクで趣味に走らせていただきました。
 このお話も、ホワイティ杯参加作同様進んでいない長編の登場人物過去編――ただし、そのひとはこのお話にはほんの少ししか出ていないのですが――を書きたくて構想していたものです。そこにレギュレーションに沿う要素をねじ込んだため、舞台はアローラじゃないし、サンムーンの登場人物もいないし、新ポケモンも脇役でしか出てこないというレギュレーションにゼンリョクで喧嘩を売るような作品になってしまいました。そもそもポケモンじゃなくてP-47を書きたくて書いたお話でもあるんで、その時点で喧嘩売ってんのかという話ではありますが……
 ポケモン要素としては、ポケモンだって生き物だし飼うには実際かなり金かかるだろうな、という思いつきをお話に盛り込んでみました。そもそも主を倒せるような強いポケモンを養えるだけの経済力があるかどうか、というところで、アローラの"試練"ってかなりの人間がふるい落とされてしまう気がするんですよね。も・ニもとは支配するものとされるものを分けるためのものだったのかも、なんて考えが頭をよぎっています。
 ホワイティ杯で多数頂いた「ポケモンを兵器に乗せるメリットってなんだよ」というツッコミに自分なりの答えをきっちり返すこと、はかなり意識して書きましたし、書くことができたと思ってます。ですが、締切日の深夜まで書き終えることができず、投稿順ブービー賞になるくらい執筆に時間をかけすぎてしまって、内容をあまり練られなかったことは心残りです。
 最後になりましたが、この場を提供してくださった586さんに、そして読んでくださった皆様に感謝いたします。

久方小風夜

評価: ☆☆☆

今度は空軍かー。ミリタリーあんまり読まんので大会でいろいろ読めるのは面白いですね。
専門用語がいっぱいだとかっこいいし雰囲気出るけどついてくのが大変なんですよね。バランス難しいですね。
でも割と雰囲気で流してもストーリー追えるので良かったです。
主人公がアブソルにそこまで思い入れあるのは何か理由あるんですかね?

くろみ

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GPS

評価: ☆☆

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鳥野原フミん

評価: ☆☆☆

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砂糖水

評価: ☆☆☆☆

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オンドゥル大使

評価: ☆

戦闘妖精雪風か、あるいはスカイクロラか永遠のゼロなのか……何故、この題材でポケモン? 感がありました。しかも最後に乗っている奴がアブソルって……あまりドラマチックじゃないなぁと思いました。炎の中でも戦えるのなら炎タイプにすればよかったのでは? という感じで。敵が全部ポケモンで化け物ってのも人によっては好みが分かれそうです。

水雲

評価: ☆☆☆☆☆

ストーリー性 8/10
文章力 9/10
構成力 8/10
キャラクター 6/10
独創性 10/10

好みかどうか 50/50

 一言:非常に好みです、題材が。ミリタリー+ポケモンっていいですよね。いいですよね、いいですよね! 文章の構成的に親近感を覚えざるをえません。本音を言うと好みで70/50くらいボーナスで差し上げたかったくらいです。これ以上の、更にそっち系に食い込んだネタで交流しましょうか、と言われたら「うーん」な感じですが。
 さておきまして、とにかくめちゃくちゃ盛り上がりました。うひょーたまんねーと。メカニカルな内部描写。専門用語混じりでも引っ張っていける勢いと文章力、そしてテンションの高さと熱さ、緊張感。10番さん、11番さんのBVR戦バージョンといったノリ。ありがとうございますとしか言いようがない。

 合計 91/100 平均 4.55

逆行

評価: ☆☆☆

貧しいっていう理由で島巡りを断念してしまうっていうのがリアリティあっていいですね。
ホワイティ杯に出てきた、キマワリとかルナトーンみたいに食費がかからないポケモンならいいのですが……。
ドデカバシは結構食べそうですよねえ。
ポケモンを六匹育てるのって予算的な面でも中々難しそうですよね。
敵に情が入ってしまうからイワンコに構うのを止めなよとアドバイスしたりする所もなるほどなあと思いました。
死神の正体も含めよく考えられたお話であると思いました。
ただ、やっぱりメインとなる飛行機の戦闘シーンは、戦争物を全く読まない自分にはちょっと脳内で再生がしずらかったです。
すいません……。
それ以外の部分は非常に楽しませて頂いたので、好みの問題であると思います。
星の数は3ですが純粋に作品のクオリティだけで見たら本当はもっと高くても良いのだと思います。

禍月アオ

評価: ☆☆☆☆

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リング

評価: ☆

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門森 ぬる

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北埜とら

評価: ☆☆☆

これまた斬新な設定の作品ですね。こちら側の文化ではもうポケモンは武器に屈することが明らかになっていて、ポケモンバトルは衰退している。個人的にはあんまり目にしたことがない設定で楽しく拝読させていただきました。ビショップは死ぬだろうなあと思いながら読み進めてましたが、普通に自分以外全滅してしまった……。ベスの姿、ジェニーの姿が、なんとも言えず、物悲しいです。
個人的には、オーデンス側、ウルフパック達が、どんな思いで人間の作った戦闘機で戦っているのか、どんな気持ちで敵機に突っ込んで死んでいけるのか、そっちにも興味が湧きました。読んでみたいなあ。

小樽

評価: ☆☆☆

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にっか

評価: ☆☆☆☆☆

(コメント無し)

No.017

評価: ☆☆☆☆☆

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あきはばら博士

評価: ☆☆☆☆☆

専門用語とか交戦シーンはありますが、話の軸はあくまで人間の生き様なので、難しいところは遠慮なく読み飛ばして良いところが親切ですね。
『ポケモンは友達!』って表では言っているけど、やっぱり心の奥では得体のしれない人外の畜生だと軽蔑している、それが形になっています。
登場人物に自然な形で殺意を持って引き金を引かせて命を奪わせる過程って受け入れられにくいのですが、違和感なくそれが伝わるのが良かったです。

小樽(感想送付)

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ion

評価: ☆

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586

評価: ☆☆☆

お話を読みながら、自分には書けないタイプの作品だなー、と感じていました。軍事モノに疎いので時折擁護の意味を調べながら読みましたが、こうした作品は普段から知識を蓄積していないと書けないとつくづく思います。

とんとん

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5573

評価: ☆☆☆☆☆

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ワカサギ

評価: ☆☆☆☆

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匿名

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おそば

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ta

評価: ☆☆☆

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ロックファイター

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きとら

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かねの

評価: ☆☆☆☆

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クロコダイル

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自由感想フォームより

フィッターR

評価: -

ここをこのような場として使っていいのかわかりませんが、拙作の小ネタ、余談をここで語りたいと思います。

・マスクネームの『10まんボルト』は、10まんボルトの英語名が『Thunderbolt』であることが由来になっています。
・作中で登場する長さの単位は、すべてヤードポンド法のもので統一しています。
・冒頭の空戦シーンは、映画『スカイ・クロラ』の冒頭シーンのオマージュです。
・ドデカバシのニックネーム『ジェニー』は、アメリカの高名な複葉練習機カーチス JN-4ジェニーが元ネタです。
・地の文において形容などに使われているポケモンの名前は、すべてゲーム版でアローラ図鑑に登録されているポケモンの名前を使っています。
・第17駆逐航空団の部隊名は、アブソルの全国図鑑No.359→3+5+9=17 というプロセスで決めました。
・P-47Dは大きく2種類のタイプに分けることができますが、そのどちらかわかるような文章をこっそり入れています。マニアな人は見つけてみよう!
・『スマラクト』はドイツ語で『エメラルド』を意味する言葉です。アブソルが物語のキーパーソンなので、第3世代のソフト名から取っています。
・執筆中の作業用BGMは、映画『スカイ・クロラ』より『First Sortie』『Adler Tag』、久石譲氏の『Madness』、猫叉Master氏の『The Sky of Sadness』を用いておりました。これらの音楽をかけながら読んでみるのもいいかもしれません。