当案件にて保全されたメールは、管理局のファイルサーバに保管します。メールが保管されているサーバにアクセスするためには、様式F-95823に則った特例申請を提出する必要があります。メールはサーバ上で三重に暗号化された上で保持され、研究目的以外での閲覧・持ち出しは禁止されています。
新たに当案件にて管理すべきメールが確認された場合、可及的速やかにメールの回収を行います。その際、受信者がメールのコピーを媒体を問わず保持していないことを確認しなければなりません。
2000年上半期から、一部のポケモンセンターより「トレーナーがボックスに預けたポケモンが、身に覚えの無いメールを持っている」という申し出が続けて寄せられました。案件管理局ではポケモンセンターの関係者にヒアリングを実施し、メールが発見された際の状況を調査すると共に、当該メールの確保に乗り出しました。申し出があったメールに付いては、いずれもメールの確保に成功しています。
ポケモンが持っているメールはいずれも「なみのりメール」と呼ばれるタイプのもので、発信者は「ユニティー・サイエンス」と名乗る団体です。時期や地域によって若干の差異が見受けられますが、内容は概ね「ポケモンと人との新しい関係」「一歩進んだポケモンとのコミュニケーション」を受信者に提案する内容になっています。メールの末尾にはパーソナルコンピュータ用と推定されるメールアドレスが記載され、同団体とコンタクトを取るよう受信者に促しています。
以下は文面の一例です:
ポケモンとの あたらしい コミュニケーション! あなたと ポケモンが ひとつになるための さまざまな おてつだいを いたします くわしくは しりょうの せいきゅうを ユニティー・サイエンス XXXXXXXX@unityscience.com
これまでのところ、案件管理局では「ユニティー・サイエンス」と名乗る団体とのコンタクトには成功していません。資料の請求を行ったところ、メールサーバは指定されたアドレスが存在しない旨のエラーを返します。広範な調査においても、「ユニティー・サイエンスと名乗る不審な団体からのメールを受け取った」という文脈においてのみこの団体の名前は登場し、具体的な素性は未だ明らかになっていません。
メールを受信したポケモンについての調査では、ポケモンには特段の異常は見受けられませんでした。ただし一部のポケモンについては、トレーナーにより預けられる以前と比べて、トレーナーへの信頼度が明らかに向上したとの報告があります。メールとの因果関係については未だ明らかになっていません。
本案件に付帯する資料はありません。