可能な限り繰り返し、クレッフィを電子機器に近付けてはならないというメッセージを広く拡散してください。当該Webサービスの利用を停止させるためのGoogle Inc.との協議が現在も続けられていますが、それとは別にこれ以上の被害が出るのを防ぐための活動も併せて行われなければなりません。局員が本案件に掛かる事項を記載しているサイトを発見した場合、直ちに当該サイトの管理者へ記事の削除を申し入れてください。記事の削除に際しては、クレッフィの身体に重大な悪影響をもたらすというカバーストーリーが使用できます。
実験、あるいは偶発的に本案件によって生成された写真を目撃した局員は、当該写真が指し示す地域に立ち入ることを制限されます。現時点で写真を視認する前の状態へロールバックするための方法は確立されていません。通常の道とそうでない道を判別することは極めて困難です。多くの「拡張」された道は周囲の風景に対して矛盾の無い形で出現し、視認しただけでは異常性を見いだすことができません。2005-02-07以前に作成された紙媒体の地図との比較は道が正常なものか異常なものかを判断するためのもっとも安全で確実な手法となります。これまでのところ、紙媒体の地図への「拡張」は確認されていません。
写真に曝露したことで「拡張」された道を認識可能になった局員のみで構成されたチームで、一般的な手順に基づいて進入路を封鎖してください。進入を試みた一般市民は警告の上速やかに退去させ、指示に従わない場合は非致死性の武器を用いて制圧・拘留することが認められています。現在確認済みの拡張された道はいずれも封鎖されていますが、定期的に封鎖が意図せず解除されていないかを確認しなければなりません。過去に延べ24回、理由が不明な封鎖の解除が確認されています。
案件#120602は、ある特定の条件を満たした状態で、Google Inc.の提供するWebサービス「Google Maps(グーグル マップ)」を利用した際に発生する事象と、それに付随する一連の案件です。現在のところ、条件を満たさない状態での事象の発生は観測されていません。
条件は三つです。
以上の条件を満たすと、該当する地域に本来存在しないはずの未知の道路が出現していることが確認できます。2014-07-28時点で確認している限り318箇所で地図が「拡張」されていますが、Google Inc.が保有するデータ量の膨大さのため、実際にどれだけの箇所で地図が「拡張」されるのかは判明していません。
クレッフィを側に置いてGoogle ストリートビューを使用した際に「拡張」されて出現する特異な道は、Google ストリートビューの持つ機能によって通常通り経路を辿ることができます。拡張された道は入り口を除いて通常の領域とは交差せず、地理的に見て明らかに矛盾した結果を示します。通常の道を辿った場合行き止まりになると想定される箇所であっても、拡張された道はさらに先へ進むことが可能です。拡張された道を参照している間、クライアントとGoogleのサーバ間では通常想定される程度の非同期通信が行われていますが、その間Googleがクライアントに返しているパケットは、一貫して正常な道を撮影した写真のみです。
一度でも拡張された地図を視認した場合、その後にクレッフィを遠ざけたり、セッションを初めからやり直したりしても、一貫して拡張された地図が表示されます。この効果は現在のところ永続的です。さらに、拡張された地図に基づくGoogle ストリートビューの画像が表示された状態で別の人間や携帯獣がそれを視認した場合も、同様の効果を発揮します。
拡張された地図を認識した状態で、地図に現れた未知の道路が存在する地点を訪れると、「拡張された道」が実際にあることが分かります。拡張された道は通常の道と同様に進入でき、ある程度の距離(およそ200m以内)までであれば、正常な道へ帰還することもできます。拡張された道に進入しただけでは特段の身体的または精神的異常は発生しません。拡張された道を認識している(拡張された道を見ている・拡張された道へ進入している/進入しようとしている・拡張された道から戻ってきた)状態はその光景を目撃した他者の認識にも影響を及ぼし、以後目撃者も拡張された地図を認識した状態になります。上記の特徴と併せ、拡張された地図/拡張された道は自らの存在を非常に強い力で他者に伝播させる能力を持ちます。
Google ストリートビューを使用する限りにおいては、拡張された道を安全に探索することが可能です。探索の結果、数々の未知の施設や建物、あるいは異常性があると思われる種々のオブジェクトが発見されています。以下はその抜粋です。
Google ストリートビューを使用しない拡張された道の探索は非常に危険です。これまでにのべ6名の局員が実地調査を行いましたが、いずれも未帰還のまま数年が経過しています。Google ストリートビューによって観測された未知の施設やオブジェクトへの物理的なアクセスはすべて失敗に終わっています。加えて、これまで各地域で届出がなされた原因不明の失踪事件について、本案件によるものと推定されるものが最低でも249件あると考えられています。
本案件は伝播力が非常に強く、また完全な回復方法が確立されていないことから、警戒レベルは通常案件における最大の「5」が設定されました。
本案件に付帯するアイテムはありません。