Subject #116368

Basic Informations:

Subject ID:
#116368
Subject Name:
第38話
Registration Date:
2006-11-17
Precaution Level:
Level 1

Handling Instructions:

映像そのものに強い異常性は見られませんが、視聴した結果予期せぬ健康被害をもたらす可能性がありますので、発見次第速やかに保全の上アクセス遮断の手続きを取る必要があります。動画投稿サイトへの削除申し立ては、様式F-116368-1に必要な事項を記入してワークフローを回付してください。週次の処理で一括して削除の請求を行います。削除に際しては、権利者からの申し立てというカバーストーリーが使われます。

保全した動画ファイルは、異常性を持つ映像を収容するための専用サーバへ暗号化を施した上で保管します。研究目的で映像を使用する場合、様式F-116368-2に必要な事項を記入してワークフローを回付してください。承認が下り次第動画へのアクセスが認められます。映像の視聴に際しては、異常メディア閲覧用にカスタマイズと各種セーフティロックが施されたタブレット端末が一時的に支給されます。動画ファイルへの直接のアクセスは許可されません。

これまでに取られたデータの統計から、新たな動画の出現ペースが短くなっていると予測されています。便乗した形での動画投稿も少なくありません。動画の性質上、クローラーによって一律に異常な動画を検出することが困難なため、本案件へ割り当てる人員を増員することを検討しています。

Subject Details:

案件#116368は、アニメ「ポケットモンスター」の第38話「でんのうせんしポリゴン」を元にした多数の出所不明の動画と、それに付随する一連の案件です。オリジナルの第38話には異常性が無いため、本案件の管理対象ではありません。

2006年下半期頃から一部の動画共有サイト(主に「YouTube」)にて、「ポケモンアニメの欠番(「発禁」と表記されるパターンも複数目撃されています)回を公開!」といったキャプションが付いた動画が投稿されるようになりました。動画はいずれもオリジナルの第38話を元にしていると思われますが、一部の動画はオリジナルの内容から完全にかけ離れたものになっています。具体的な内容については後述します。

これまで発見された動画はオリジナルで問題とされた過度の点滅表現を必ず含んでおり、意図せず視聴した場合はオリジナルと同等の程度で健康を害する恐れがあります。しかし現在のところ、映像を視聴したことによる影響はそれ以上確認できていません。視聴者は動画の内容を正しく、論理的に説明することができ、不快な内容であれば相応の不快感を訴えることができます。これは動画そのものに異常性や情報災害に繋がる要素が含まれていないことを示しています。つまり、映像としては総じて異常で時として不快な内容ですが、それ以上の危険性は持ち得ないと見なされています。

本案件で注目すべきは、映像に対して行われている編集が、通常想定される個人あるいは小規模な団体では為し得ないほど突出して高度なものであることです。いかなる個人あるいは組織が、どのような意図を持ってこれらの映像を作成・頒布しているのかは分かっていません。現在の本案件への対応方針は、動画の作成元を突き止めることに焦点が当てられています。

これまでに管理局によって確認・保全された映像について、以下に抜粋しました:

映像#116368-1(投稿日:2006-07-12/投稿時タイトル:「第38話 rev.3」):
管理局が本案件について調査を開始した最初期に確認された動画です。大まかなストーリーの流れはオリジナルのエピソードに準じていますが、主人公の少年である「サトシ」と、このシーズンでヒロインを務めた少女「カスミ」(実在するカントー地方ハナダシティのジムリーダーをモデルとしています)に差異が見られます。サトシはこれまでのエピソードとは異なる服装をしており、カスミは未知の少女のキャラクターに置き換えられていました。カスミの代替キャラクターを演じているボイスアクターは不明です。

[2013-11-12 Update]
これまでカスミの代替とされてきた未知のキャラクターは、2013-10-17より放送が始まった第11シーズン「ポケットモンスター XY」に登場する「ユリーカ」(実在するカロス地方ミアレシティのジムリーダーの妹をモデルとしています)と完全に一致することが判明しました。動画が投稿された時点ではモデルとなったユリーカ氏は出生していませんでしたが、彼女の出生年に動画が投稿されていることは注目すべきファクターです。
映像#116368-2(投稿日:2006-08-22/投稿時タイトル:「第38話 rev.Δ」):
動画の前半部は、軽微な差異は見られますが概ねオリジナルのエピソードに準じていますが、コマーシャル映像を挟んだ後の後半部は本来の展開を明らかに逸脱しています。登場人物の一人「アキハバラ博士」が突如として鈍器を持ち出し、主人公たちが潜入しているサーバーコンピュータを片っ端から破壊し始めます。五分間の絶え間ない破壊活動の後、アキハバラ博士はポケットから拳銃を取り出し、自らの頭部を撃って自殺します。最終的に、本来登場するはずのピカチュウがおらず、ただモンスターボールが一つ転がっているスタッフロールが流れ、動画は終了します。アキハバラ博士の破壊活動に際して、サーバーコンピュータの爆発が画面の点滅によって表現されます。
映像#116368-3(投稿日:2006-10-10/投稿時タイトル:「第38話 rev.♯」):
タイトルの「♯」は「#(いげた)」ではなく、音楽記号の「シャープ」です。ストーリーの展開にオリジナルとの差異は見られませんが、すべてのキャラクターのボイスアクターが変更されています。変更後のボイスアクターについて調査を実施したところ、放送局及び制作会社がまったく異なる少女向けアニメのものに差し替えられていることが分かりました。キャラクターボイスは流暢で合成した形跡は見られず、管理局が目的を伏せて実施したブラインドテストでは、98%という明らかに異常な確率で「本人が演じている」との回答が得られました。ボイスアクターへのヒアリングでは、このエピソードへの出演は誰一人として認められませんでした。
映像#116368-5(投稿日:2007-01-01/投稿時タイトル:「第38話 rev.X」):
エピソードが全面的に差し替えられ、主人公一行はサーバーコンピュータ内に閉じ込められて約一年が経過しているという設定の元にストーリーが展開されます。サトシは「ポケモンマスター」なる、恐らくはゲームマスターや管理者的な存在について繰り返し言及し、自身がその立場を得ることでサーバーコンピュータからの脱出を目指します。このエピソードでは携帯獣が強大な力を持つ怪獣的存在として描かれ、しばしば主人公の近親者や同じく閉じ込められた人物の凄惨な死亡シーンが描かれます。主人公以外の登場人物は、第4シーズン(「ポケットモンスター アドバンスジェネレーション」)以降に登場するゲストキャラクターに酷似しています。
映像#116368-21(投稿日:2007-03-08/投稿時タイトル:「第38話 rev.38」):
映像はオリジナルのものと差異が見られませんが、主人公であるサトシのみ、すべての台詞が逆再生されています。映像を逆再生することで、サトシのみ台詞を正常に聞き取ることが可能です。逆再生された台詞はほぼすべてオリジナルに準じていましたが、一つだけ未知の台詞が含まれていました。台詞は「表現はいついかなる時も自由でなければならない」というものでした。
映像#116368-39(投稿日:2007-06-17/投稿時タイトル:「第38話 rev.-1」):
映像は前半部と後半部が二分割され、さらに「後半部後半→前半部前半→後半部前半→前半部後半」に順序が入れ替えられていました。登場人物はエピソードの順序が入れ替えられていることに戸惑い、終始具体的なアクションを起こせずに一方的にストーリーに翻弄されます。断絶したエピソードの合間合間にロシア語/キリル文字で書かれた過激なアジテーション的メッセージが60分の5秒間挿入されますが、この意図は不明です。視聴者はいずれもメッセージが挿入されたことに気付かず、静止画で確認しても意味を理解できませんでした。
映像#116368-106(投稿日:2010-09-12/投稿時タイトル:「第38話 rev.65536」):
明らかに管理局の局員と分かる人物(識別不能)が端末で映像を鑑賞しているという形で、オリジナルから左右反転及びネガポジ反転処理が施された映像が記録されています。セキュリティインシデントが発生した恐れがあるため、該当する拠点が一時閉鎖されました。この映像で流れた「左右反転及びネガポジ反転処理が施された映像」は、これまでに発見されていません。

Supplementary Items:

本案件に付帯するアイテムはありません。