Subject #125729

Basic Informations:

Subject ID:
#125729
Subject Name:
マトリョーシカ・タマゴ
Registration Date:
2009-11-04
Precaution Level:
Level 2

Handling Instructions:

ポケモントレーナー向けのソーシャルネットワークや掲示板を定期的に巡回し、異常な性質のタマゴについての言及が無いかを確認してください。本案件で取り扱う性質のタマゴが発見された場合、対象のトレーナーを特定してコンタクトを取り、タマゴを接収してください。併せて、出産した携帯獣の精密検査を実施します。過去に実施した精密検査の全結果は、案件別サーバの関連資料ディレクトリに格納されています。案件担当者は資料を自由に閲覧することができます。

接収したタマゴは、ジョウト地方43番道路よりアクセス可能な管理局のバイオリサーチセンターへ移送します。センターの職員はタマゴの様子を日々観察し、何らかの変化が見られた場合はレポートへ記録してください。これに加えて、タマゴ内部の超音波検査の結果/体温の推移等のデータが、一定時間毎に自動的に取得され蓄積されます。現状ではこれ以上の対応は必要ありません。

保管しているタマゴから異常な生物が孵化する可能性を鑑み、タマゴを配置する台座には例外なく小規模な可塑性爆薬をセットします。孵化に伴うバイオハザード発生が憂慮される場合、遠隔操作による速やかな爆破処理を実施してください。爆破に際して承認を得る必要はありませんが、みだりな処理が行われたと判断された場合は、管理局が定める規定により懲罰を受ける可能性があります。

Subject Details:

案件#125729は、携帯獣が出産した特異なタマゴと、それに掛かる一連の案件です。

2009年7月頃、ホウエン地方キンセツシティにあるポケモンセンターから管理局に「明らかに異常な性質のタマゴが発見された」という通報がありました。局員が駆けつけて事情を確認したところ、ホウエン地方カイナシティに籍を置くトレーナーが自身が育成している雄のオオタチと雌のマッスグマのつがいが持っていたタマゴを孵化させた際に、タマゴに異常があることを発見したとのことでした。トレーナーから同意を得てタマゴを回収し、オオタチとマッスグマの精密検査を行うことが決定されました。

異常なタマゴは外見上一般的なものと区別を付けることができませんが、外殻を割って現れるのは携帯獣ではなく、新しい別のタマゴであるという特徴があります。通常、孵化の時期を迎えたタマゴは、内部の携帯獣の運動に伴って外殻が破壊されます。本案件で取り扱うタマゴについても同様のプロセスを経て外殻が破壊されますが、中から出てくるのは携帯獣ではなく、ほぼ同じサイズのタマゴになります。

一般的に実施されるタマゴ内部への検査の結果は、対象のタマゴが無精卵であることを示しています。しかしながら、孵化の直前に行ったチェックでは、内部から何らかの生物が発していると思われるバイタルサインが確認されました。この時も超音波検査やX線写真撮影による検査結果は一貫して無精卵のそれと同一であり、携帯獣を含む生物が存在している可能性は示されませんでした。

タマゴから孵化したタマゴも、性質は先のタマゴと同様です。一般的な孵化のプロセスを経て、中からまた新たなタマゴが出現します。当局が収容している個体については、これまでのところ元のタマゴから明確に性質が変化した個体は存在していません。また、複数回の孵化を経て、何らかの正常な生物、あるいは異常な生命体が孵化したという記録もありません。収容中のタマゴは、いずれもほぼ同一タマゴを孵化するサイクルを一貫して繰り返しています。

案件立ち上げ当初は、初めてタマゴを出産したと思われるオオタチ・マッスグマのつがいについて、一方または双方に何らかの原因があるという仮説が有力だと考えられていました。しかしながら、情報学的スキャンを含む管理局標準の精密検査では一切の異常が見つからず、さらに後日同じつがいが複数回出産したタマゴからは、いずれも異常性の無い正常なジグザグマが孵化したことが確認されため、親の個体に原因を見出すことが困難になりました。

さらに、最初のタマゴの回収から一ヶ月以内に、各地域で合わせて26個の同様の性質を持つタマゴが回収されました。すべての親個体に上記と同様の精密検査を行いましたが、やはり何らかの問題、あるいは一貫した特徴を発見することはできませんでした。親個体の種族は完全にバラバラで、タマゴについても同種族間で産まれたものと異種族間で産まれたものがほぼ半数ずつ存在しています。親に原因があるとする仮説はまだ撤回こそされていませんが、得られた物証はこの仮説の根拠が脆弱であることを示しています。

現在もっとも有力であると考えられている仮説は、タマゴから孵化するのは「携帯獣のタマゴに酷似した特徴と性質を持つ未知の生物」であるというものです。孵化を繰り返すのは、代謝機能の活発化による老廃物の排泄と解釈されています。この仮説に基づいた調査が進められていますが、このタマゴに似た生物がどのような経緯で誕生するのかは今も不明なままです。

[2010-01-20 Update]

個体#125729-6について、定期的に撮影されるX線写真を整理していた局員が、タマゴ内部に何らかの生物と思しき影が写り込んでいることを報告しました。対象の個体を撮影したすべての写真が再チェックされましたが、影が写っていた写真は一枚のみで、その他の写真には同様の影は見当たりませんでした。個体#125729-6の定期検査の間隔を早めることが決定されました。

[2010-06-08 Update]

個体#125729-17について、複数の職員から「個体から呻くような声が聞こえる」との報告が寄せられました。対象の完全な検査が行われましたが、これまでと同様に、タマゴ内部に生物が存在するという証跡は得られませんでした。現在も24時間体制での監視が続けられています。

[2010-11-29 Update]

個体#125729-2について、2010-07-03に発生した孵化イベント以降、新たに現れるタマゴにわずかながら質量の増大とサイズの拡大が見られることが判明しました。これらの変化は孵化を経るごとに繰り返されています。個体#125729-2の監視を強化することが決定されました。

Supplementary Items:

本案件に付帯するアイテムはありません。