デデンネ及びライチュウの生息地として知られる地域に在籍している局員は、特異個体#140867と同種の事例が存在していないかを継続的に調査してください。ライチュウを帯同させているトレーナーを目撃した場合、適切な形で許可を得た上で、ライチュウがピカチュウから進化したか、あるいはライチュウの状態で捕獲したかを確認してください。いずれでもないとの回答が得られた場合、対象の個体の精密検査を実施してください。
野生の特異個体#140867を発見した、または特異個体#140867と推定される個体を発見した場合は、捕獲の上カントー地方トキワシティ第四支局へ移送してください。支局ではこれまでに十数体の特異個体#140867を収容・保護しています。特異個体#140867の収容担当者に割り当てられた局員は、異常性の無いライチュウと同様の手順で特異個体#140867の保護に当たってください。これまでのところ、特異個体#140867特有の措置は必要ないものと見られています。
特異個体#140867のような通常と異なる系譜を辿って進化を遂げた疑義のある携帯獣を発見した場合、別の案件としての起票を検討してください。現在までに確認された疑義のある携帯獣の一覧については、暫定としてこの案件の関連資料に位置付けられているリストL-140867-1を参照してください。
案件#140867は、通常とは異なる進化の系譜を辿ったことが確認されているライチュウの特異個体(特異個体#140867)と、それに掛かる一連の案件です。一般的に知られている系譜であるピカチュウから進化した個体は、本案件の取扱対象外です。
特異個体#140867が初めて確認されたのは、2014年6月頃のことです。ポケモンセンターから当局へ「デデンネがライチュウに進化したのを見たとの申し出があった」という通報が寄せられ、対応した局員がポケモンセンターへ照会を行いました。ポケモンセンターの仲介を通じて申し出たトレーナーとの接触に成功し、ライチュウの実在が確かめられました。その後トレーナーからの申し出により、対象のライチュウは当局にて引き取ることが決定されました。
引き取ったライチュウの精密検査を実施したところ、通常の個体には見られないデータのパターンが確認されました。パターンは本来デデンネが持っているものと酷似しており、トレーナーから得られた「デデンネから進化したライチュウ」という証言と合致するものです。この結果に基づき標準的な耐性確認テストを実施したところ、事前に想定された通り、局員の使役するミニリュウの攻撃を一切受け付けませんでした。この事から、当該個体は標準的なデデンネと同等の属性耐性を持っていると結論付けられ、管理用として「特異個体#140867-1」という名称が与えられました。
各種モンスターボールや携帯獣図鑑などのデバイスは、対象の個体を一貫してライチュウとして認識します。ただし、携帯獣の持つ種族属性を分析・表示する機能を持つ機器の場合、通常表示されることが期待される「電気」に加え、デデンネの標準的な個体が持っている第二属性である「フェアリー」という分析結果が表示されます。これは先に挙げた耐性確認テストの結果とも矛盾無く一致するものです。
特異個体#140867-1は外見上一般的なライチュウと明確な区別が付かず、習得可能な技能も一般的な個体に準じます。生活様式や食性、性格に関しても、一般的なライチュウの範疇を出るものではありません。観察可能な数少ない差異として、通常の個体では学習できないとされている前歯を使った協力な打撃攻撃(ポケモンリーグ協会の公式資料では「いかりのまえば」(原文ママ)と呼称される技能)を習得しています。これはデデンネの一部個体に習得が確認されている技能です。
当局による特異個体#140867-1の収容後、デデンネまたはライチュウの生息域で同様の事例が相次いで報告され、これまでのところ通報があった全個体の収容に成功しています。収容された個体はいずれも通常個体と比較して外見的な相違は見受けられず、特異個体#140867-1と同様の属性及び一部習得技能の差異のみが確認できています。当局によるデデンネからライチュウへの進化そのものは観測できていませんが、報告の多さから遠からず観測事例を得られるという期待を持っています。
特異個体#140867と類似した事例が各地域から報告されています。報告されたすべての事案の一覧は、リストL-140867-1を参照してください。以下はリストL-140867-1の抜粋です。これらは将来的に事案と案件に分類されることになっているため、識別コードとして「U(unclassified)」を付与しています:
本案件に付帯するアイテムはありません。