Subject #137905

Basic Informations:

Subject ID:
#137905
Subject Name:
マイム・ライフ・ライブ
Registration Date:
2013-09-13
Precaution Level:
Level 5

Handling Instructions:

映像#137905の出現を事前に予期することは極めて困難なため、現在は映像#137905がどのような原理で出現するかの研究に案件対応の比重が置かれています。過去に録画された映像#137905には異常性が見受けられないため、案件担当者は研究のために閲覧することが許可されています。ただしその場合、事前に様式F-137905-1に沿って閲覧申請を提出し、閲覧の記録を残さなければなりません。

案件の副担当者として割り当てられた局員はリストL-137905-2に列挙された動画配信サイトを交代で終日巡回し、映像#137905が放送されていないかを監視してください。過去の統計から、放送は日時を問わず前触れなしに開始される事が分かっています。放送を発見した場合は直ちに主担当者へ報告の上、録画を開始してください。報告を受けた主担当者は、警察機関の担当窓口にに事案#137905の発生を連絡してください。放送から24時間以内を基準として発生したすべての不審死事件について、警察機関から概要の報告が行われることになっています。

映像#137905に登場する携帯獣#137905の身体的特徴から、過去に当局が起票したいくつかの案件に関わっている可能性が示されています。映像#137905-49で発生した重大なセキュリティインシデントから、携帯獣#137905が当局の存在を認知している可能性が極めて濃厚です。携帯獣#137905の収容プロトコルについての議論は現在も継続しています。

Subject Details:

案件#137905は、由来不明のバリヤード(携帯獣#137905)が登場するライブ形式の動画(映像#137905)と、それに伴って発生する不審死事件、及びそれらに掛かる一連の案件です。

2013年初頭頃より、当局に「不審なバリヤードが生放送をしている」という通報が幾つか寄せられました。通報を受けた局員は通報の都度映像を録画し、10本ほどの録画映像が取得できた段階で解析を行うスケジュールを設定しました。最新の映像を録画した後数日が経過してから動画を確認したところ、後に携帯獣#137905と認定されるバリヤードがパントマイムで「人間の頭部を引きちぎっている」と形容できる異様な動作をしている映像が収められていました。

携帯獣#137905の動作を見た局員は、映像が放送された当日、頭部が切断された状態で死亡している成人男性が発見されるという事件が起きていたことを思い出しました。過去に録画された映像を再度確認したところ、それらはいずれも何らかの形で人間を殺害していると思しき動作をパントマイムで表現しており、そして同日中に映像で表現されたものとまったく同じ方法で殺害されている人間が発見されるという事件が起きていたことが判明しました。局員は直ちに上長へ過去事案を取りまとめて報告し、その危険性から即日中に案件の立ち上げが決定しました。

上述の通り、映像#137905は携帯獣#137905が何者かを殺害するかのような動作が収録された映像です。映像は「マイム・ライフ・ライブ」(日本語が使用可能なサイトの場合)または「Mime Life Live」(日本語が使用不可能なサイトの場合)というタイトルで出現し、末尾に「#30」のような形式で連番が付与されます。最新の映像に付与された連番から、これまでに計62回の放送が行われたと推定されています。

映像#137905には不気味で崩れた笑みを浮かべるマスクをつけた携帯獣#137905が登場し、背景は必ず特徴の無い白い部屋になっています。放送開始直後に携帯獣#137905は視聴者へ向かって一礼し、パントマイムを開始します。その後、パントマイムを終えた携帯獣#137905は視聴者に向かって一礼し、その後配信が終了するという流れはすべての映像#137905で共通しています。

これまでの検証により、映像#137905は事前に収録したものではなく、リアルタイムに録画され放送されたものであることが分かっています。これまでに出現が確認されたのはいずれもライブ配信のための専用サイト(USTREAM/twitch.tv/TwitCasting等)か、ライブ配信機能を備えた一般的な動画配信サイト(YouTube/ニコニコ動画等)です。放送はランダムなタイミングで開始され、概ね30分以内に終了します。

映像#137905が配信されてから遅くとも24時間以内に、放送されたものと完全に同一の方法で人間が一人殺害されます(事案#137905)。映像の視聴の有無は関連性が無く、映像を視聴できない環境にいた被害者が殺害された事例も複数存在します。被害者は確認された限りで7歳から73歳までの男女で、居住地域や個々人の特徴に一切の法則性が見つかっていません。ただし、いずれも被害者が完全に一人になったタイミングで殺害され、殺害される瞬間を目撃した人物が居ないことが共通しています。

何らかの特異な技術を用いているのか、映像#137905はサーバーの各種ログを始めとする放送の記録がほとんど残しません。このため情報を得るためには、映像#137905を録画する必要があります。またこれまでに数回、当局の介入による映像#137905の配信中断が試みられました。配信を妨害する事自体には成功しましたが、その後の事案#137905の発生を防ぐことはできませんでした。最後まで放送が行われた時と同様に、ランダムな人物が映像#137905で表現された方法によって殺害されています。このため、映像#137905が開始された時点で、事案#137905の発生を止めることは不可能であるという結論が下されています。

携帯獣#137905は視聴者に向けて一礼することと、被害者を殺害するパントマイムのパフォーマンスを除いた一切のアクションを取らず声も発さないため、どのようなパーソナリティを持っているのかは明らかになっていません。また、携帯獣#137905がパントマイムのライブ配信を行う意図についても不明です。

[2014-06-17 Update]

当局による複数回に渡る放送妨害の後、49回目のライブ放送が行われました(映像#137905-49)。当時制定されていた対応プロトコルに基づいて担当者が放送妨害を試み、放送は開始から12分30秒の時点で強制的に打ち切られました。その際携帯獣#137905は「対象の両腕を引きちぎり、引きちぎった両腕で被害者を激しく殴打する」というパフォーマンスを実演している最中でした。

放送妨害が行われた翌日、就業時刻を過ぎても担当者は姿を見せませんでした。不審に感じた局員が担当者の自宅を訪ねたところ、映像#137905-49で表現されたものと同一の方法で殺害されている担当者が発見されました。司法解剖による死亡推定時刻は昨日23時頃で、放送から24時間以内に対象が死亡する事案#137905の条件と合致します。

当局は携帯獣#137905が当局による監視と妨害を把握し、担当者を殺害することで警告を行ったものとの見方を示しています。これに伴い対応プロトコルから放送妨害についての記述が削除され、映像#137905及び携帯獣#137905の起源を探ることに対応の重点が置かれることが決定しました。

Supplementary Items:

本案件に付帯するアイテムはありません。