携帯獣#121577-1及び-2は、捕獲された場所の近郊にあるカントー地方セキチクシティ第三支局にて収容されています。収容に当たっては一般的なガルーラと同じ対応をすればほぼ問題は生じませんが、後述する以下の追加対応を必要に応じて取ることで、収容の安全性と効率を高められることが分かっています。
対応に当たる局員を含むすべての在籍局員は、携帯獣#121577-1及び-2に対して安全のために保護されている旨の発言(※例1を参照)を不定期に行うようにしてください。また、収容フロア(平原を模しています)を通過する際は、携帯獣#121577-1及び-2を野生のガルーラとして珍しがるような発言(※例2を参照)をするよう心掛けてください。
※例1:「あなたは希少な野生動物として保護されています」
※例2:「珍しいな、野生のガルーラがいるなんて」
案件#121577は、ある一点において明確な異常性を持つ一組のガルーラの親子(携帯獣#121577-1及び-2)と、それに掛かる一連の案件です。
カントー地方セキチクシティ北部にある自然公園「サファリゾーン」にて、中を散策していた旅行者の家族が近くの休憩所にいた監視員に「変わったガルーラを見掛けた」との通報を行いました。通報の内容を受けた監視員は、詳細をセンターへ報告しました。センター側で異常事案発生の虞有りとの判断が下され、監視員にガルーラの保護を要請すると共に、当局へ通報がなされました。捕獲されたガルーラは、当局に引き渡され、携帯獣#121577-1及び-2として分類されました。
携帯獣#121577-1及び-2は、外見上特に不審な点の見当たらない一般的な体格のガルーラの親子です。親個体が携帯獣#121577-1、子個体が携帯獣#121577-2と指定されています。身体能力や知能についても、これまでのところ通常個体と明確な差は見つかっていません。技能や各種特性等についても同様です。後述するある一点を除いては、携帯獣#121577-1及び-2に異常な点はありません。
通常個体と携帯獣#121577-1及び-2の間に存在する唯一の相違点は、携帯獣#121577-1及び-2の首筋から背中に掛けて、外見上チャックのように見える由来不明の器具が取り付けられていることです。チャックは両個体の尻尾の付近にまで及び、そこで終端を迎えて途切れています。当初旅行者から通報がなされたのも、旅行者の一人が携帯獣#121577-1の背面にこのチャックのような器具を見つけたためでした。
器具の詳細な性質については不明です。初期調査でチャックを操作、具体的には中を開こうとした局員は携帯獣#121577-1の執拗な攻撃を受け、全治一ヶ月の重傷を負いました。以後数回に渡り、自然な睡眠中や麻酔によって意識を失わせた状態での操作が試みられましたが、それらはいずれも携帯獣#121577-1の即時の覚醒と強硬な反撃を誘発させ、手酷い失敗に終わっています。
初期調査に際して行われたX線検査では、内部に何らかの未知の生体が存在する可能性が示唆されましたが、その後同じ検査を行う毎に異常性のある結果(内部が空洞になっている/内部に人間らしき影が見つかる/内部に羽毛のようなものが詰まっている/内部に未知の球体が詰まっている)と異常性の無い結果(一般的なガルーラの臓器と骨格が撮影される)が不規則に現れ、統一的な見解は得られていません。携帯獣#121577-1及び-2の詳細について、さらなる調査が実施される予定です。
複数回に渡る内部調査の試みにより、携帯獣#121577-1及び-2は非常に強いストレスを感じているとの診断結果がなされました。担当局員は、これ以上携帯獣#121577-1及び-2を刺激するのは管理的にも、また倫理的にも問題があると判断し、少なくとも携帯獣#121577-1及び-2が関知しうる範囲では、彼女たちを一般的なガルーラ個体として扱うことが決定されました。それに伴い、カントー地方セキチクシティ第三支局に所属する局員に対し、携帯獣#121577-1及び-2向けの対応方針が通達されました。
本案件に付帯するアイテムはありません。