本稿執筆時点においては、浮遊体#114759が人間や携帯獣に攻撃を仕掛けて来たという事例は存在しないため、危険性の評価については保留されています。現在の案件取り組み方針は、確認済の浮遊体#114759を継続的に観察することにより、浮遊体#114759の性質及び由来を明らかにすることが主体となっています。これまでに確認されている浮遊体#114759の一覧については、リストL-114759-1を参照してください。案件担当者は必要に応じてリストL-114759-1を更新してください。
当局では浮遊体#114759の由来について、社団法人ポケモンセンター管理協会が何らかの形で関与しているという疑義を持っています。現在社団法人ポケモンセンター管理協会へ質問状を送付し、回答を待っている段階です。状況によっては、関係者からさらなるヒアリングを実施しなければならない可能性も指摘されています。
案件#114759は、一部地域で目撃される携帯獣の霊的存在(浮遊体#114759)と、それに掛かる一連の案件です。
本件は、カントー地方セキチクシティ在住のポケモンブリーダーから通報の形で持ち込まれました。当該ポケモンブリーダーの証言によると、一週間ほど前に、かつて自分が育成していた携帯獣の霊体らしき存在が、手放した時からある程度成長した姿で自分の前に現れたとのことです。後に提供先にその携帯獣の現状について照会したところ、提供先は「現在は第三者に渡っており、状況を把握できていない」との回答がありました。これを不審に思ったブリーダーは、当局へ追加調査の依頼を行いました。
ポケモンブリーダーから提供された情報として、育成していた携帯獣は「ゼニガメ」、霊体として姿を表したのは「カメール」、そしてゼニガメの提供先は、同じカントー地方に位置するハナダシティのポケモンセンターでした。ゼニガメを手放したのは2年近く以前でしたが、身体的な特徴からブリーダーは間違いなくハナダシティのポケモンセンターへ提供した個体であると証言しています。
このゼニガメについて当局からポケモンセンターへ照会を行ったところ、ポケモンブリーダーが照会した際と同様に「現在は第三者へ提供している」との回答があるのみでした。これ以上の調査は難しいと判断され、本件は一旦保留の扱いとなりました。その後は未解決事案として残され、進展が見られるまで一覧表上で管理される状態が続きました。
本件が再び持ち上がったのは、複数の支局に対して同種の事案通報がほぼ同時期になされたためです。通報があったのはカントー地方ニビシティ、ジョウト地方タンバシティ、シンオウ地方ミオシティにおいてです。通報者がすべてポケモンブリーダーで、かつ出現した携帯獣が「初心者向けとされる携帯獣が一段階の進化を遂げた姿」という点で一致していました(それぞれフシギソウ/ワカシャモ/ポッタイシ)。これは先述した事案も満たす条件であり、同種の事案であることは明白でした。当局は情報を整理した上で改めて案件として立ち上げ、担当者を募って本格的な調査に乗り出しました。
浮遊体#114759については、当局でもその存在について裏付けを取ることに成功しました。前述した条件を満たす携帯獣そのものの姿をしていますが、身体は半透明であり実体は存在せず、悲痛な表情を浮かべたままその場に立ち尽くす以外のアクションを見せません。こちらからの呼びかけは通じているようですが、発声する能力は失われており、身振り手振りで意思疎通を取るのが現状の限界と見られています。出現時期は完全に不定期であり、またごく短時間しか出現できないことから、このような状態に至った経緯を調査することは困難を極めています。
調査の過程で、シンオウ地方ミオシティ在住の通報者から「ポケモンセンターは引き取り手が見つからないまま成長して進化を遂げたポケモンを、秘密裏に間引きしている噂がある」という情報が寄せられました。残る三名のブリーダーについてもポケモンセンターへ携帯獣を提供しており、二名についてはこの「間引き」に関する真偽不明の情報に聞き覚えがあると答えました。通報者は、殺処分された携帯獣が何らかの形で元のブリーダーの前へ現れたのではないかという疑義を持っているようです。
当局による調査では、ポケモンセンターによる間引き/殺処分が実際に行われたという証跡は得られていません。しかしながら、一部の会計処理に不明瞭な点が見られ、さらに資産として計上されている携帯獣の総数について一部計算結果に矛盾が見られる箇所が見つかりました。案件担当者からの上申を受け、当局では本部局長名義での質問状を作成の上、社団法人ポケモンセンター管理協会へ送付しました。回答は未だ保留されたままです。
本案件に付帯するアイテムはありません。