現段階では、行動#100675が持つ意味についてはほとんど解明できていない状態です。また、行動#100675を事前に抑止するための有効な方策についても見つかっていません。今のところ行動#100675には何の意味もなく、ただ時間を浪費するだけの無為なアクションと考えられていますが、当局が関知し得ない領域で何らかの変化が生じている可能性は残されています。しかしながら、それが事実であることを検証する術も、事実でないことを検証する術もありません。
インターネット上の電子掲示板や個人のジャーナルページへの投稿を監視し、行動#100675に関わる情報を収集してください。特に「ポケモンが何かに手を振るような様子を見せた」というような、明らかに行動#100675と考えられる記載を発見した場合は、可能な限り投稿者へコンタクトを取り、詳細についてヒアリングを実施してください。調査の過程で何らかの知見が得られた場合は、本稿の取扱い手順及び案件詳細を欠かさずアップデートしてください。
本案件の警戒レベルは暫定的なものです。行動#100675について新たな懸念が生じた場合、案件担当者は可及的速やかに警戒レベル見直しの申請を行ってください。
案件#100675は、特定の携帯獣が持つ技能の一つである「ゆびをふる」を行使した際、ごく稀に観測できる未知の行動(行動#100675)と、それに掛かる一連の案件です。
行動#100675は本件の中核に位置付けられる、携帯獣が見せる特殊な振る舞いです。「ゆびをふる」の動作が終了した後少し野間を置いてから、人間で言うところの「バイバイ」(さよなら)のような仕草を見せます。何かに別れを告げているような動作ですが、具体的な効果は無いか、または不明です。行動を起こした携帯獣、行動を受けた相手の携帯獣、双方のトレーナー、周囲で観戦している人々というすべての関係者について、行動#100675の前後で一切の変化が観測されません。その後の継続調査でも、例えばこの技能を受けた携帯獣が急死するといった一般的に考えられるような事象は、何一つとして発生していません。
この行動が初めて観測された正確な時期は不明ですが、当局が調査した限り、1980年代前半には既にカントー地方西部の一部地域で「ピッピが時折見せる不思議な仕草」として知られていたようです。これは野生のピッピが技能として「ゆびをふる」を自力習得することに起因するもので、当局でも初期調査の時点ではピッピ及びピクシーのみの行動と見ていました。しかしながら後の調査で、行動#100675はピッピまたは進化系のピクシーのみが見せる振る舞いではないことが明らかになりました。行動#100675は種族に依るわけではなく、あらゆる手段で「ゆびをふる」を習得可能なすべての携帯獣が、「ゆびをふる」後のランダムな振る舞いの一つとして行動#100675を取る可能性があります。
少なくとも現時点では何の効果も確認されておらず、行動#100675はただの無意味な振る舞いとして認識されています。しかしながら、何者かに別れの挨拶をしているような意味深長な仕草から、無数の都市伝説や流言の類が流布されているのも事実です。中には当局の調査によって事実であると認定された情報(上述した、ピッピ以外の携帯獣も行動#100675を取る可能性があるというものです)もあるため、これらを一概に確度の低い情報として見ることもできません。行動#100675についてはほとんど理解が進んでおらず、さらなる調査を行う必要があるというのが当局の認識です。
本案件に付帯するアイテムはありません。