サイト#125030は専用の端末を使用して常時監視の状態を保ち、何らかの変更が加えられたことが確認できた場合は直ちに保全の措置を執ってください。特に、新たなログ#125030が追加された場合は速やかな採取が必要です。採取されたログ#125030は内容を解析し、既に採取された物からフォーマットが変更されていないことを確認してください。ログ#125030には個人を特定可能な情報が含まれているケースがあるため、保管に際してはレベル3の情報保護規定に沿った取り扱いが必須となります。
ログ#125030の記録を妨害するために、「タブンネの保護」というカバーストーリーに基づく活動を世界的に展開しています。担当する局員は本来の目的を伏せて、「タブンネは絶滅寸前の携帯獣であり、保護が必要である」と宣伝してください。この活動は、現時点ではログ#125030の記録が停止されるまで行われる予定です。ただし、ログ#125030の内容に著しい変化が見られたり、あるいは何らかの副次的な作用が見られた場合は、都度活動内容の見直しを実施します。
採取されたログ#125030には、未だ内容が明らかになっていない部分が32%残存しています。ログ#125030の解析に割り当てられたチームは、可及的速やかにログ#125030の記録内容を特定してください。解析チームには、採取されたログに対するフルアクセスの権限が付与されます。
案件#125030は、恐らく野生のタブンネが記録していると思われる詳細不明のログ(ログ#125030)と、それに掛かる一連の案件です。
本案件が当局の管轄下となったのは、2009年7月中旬頃のことです。休暇中の局員がインターネットサイトの巡回中、不審なログファイルが大量に保管されたサイト(サイト#125030)を偶然発見しました。ページのレイアウトから、Webサーバソフトウェア「Apache」が標準で備えるディレクトリリスティング機能により列挙された(あるいは意図せず列挙された状態になっている)ものと断定されました。局員はアクセス元を隠蔽しつついくつかのログファイルを採取し、内容について簡易的な解析を行いました。解析の結果明らかな異常性が見られたため、本部に案件立ち上げを申請し、受理されました。
ログ#125030は、サイト#125030に保管されているテキスト形式のログです。文字コードはASCIIをベースにしていると思われますが、マルチバイト文字のエンコーディングは既知の文字コードのいずれの方式とも異なっています。ログにはASCIIコードと一致する部分が約68%含まれていますが、残る約32%は非一致のために読み取ることができず、現状においては詳細な内容は明らかになっていません。
ただし可読部分の調査から、ログ#125030がどのような性質のログなのかはほぼ明らかにされています。ログ#125030は、調査した限りではすべての地域に於ける、携帯獣の「タブンネ」が受けた攻撃についての記録となっています。記録されているのは、攻撃者である携帯獣・携帯獣を使役しているトレーナーのID・攻撃を受けた際の日時・記録時の天候・地理情報・受けた技能の性質や威力・及びログの記録者が内部で管理していると思われる技能毎の固有番号等です。これらはASCII文字によって記録されているため、当局でも内容についての検証が可能でした。非ASCII文字によって記録されている箇所のほとんどは意味が読み取れませんが、末尾に記録されているものは他の項目とは異なり長さが不定であるため、記録者によるコメント/備考のカラムに相当するものと考えられます。
当局による調査の結果、記録内容については極めて正確であることが分かっています。サンプリングしたログに記録されていたIDを割り当てられたポケモントレーナーと接触し、日時や場所と共にタブンネに遭遇したかを確認した結果、トレーナーの記憶が不正確だったものを除き、すべてのケースでログ#125030の記録内容と実際の行動内容が一致していることが分かりました。複数回の調査で同一の結果が得られたため、ログ#125030の精度はほぼ完全なものであると見られています。
ログ#125030がどのような目的で記録されているのかは定かではありません。サイト#125030にはログ#125030以外のファイルが一切配置されておらず、ログ#125030を記録している理由や、ログ#125030を収集・管理しているのがどのような個人または団体であるのかも分かっていません。現時点で判明しているのは、サイト#125030にはログ#125030が集積されており、ログ#125030は野生のタブンネが受けた攻撃の情報を極めて精緻に記録しているということのみです。トレーナーによって捕獲されたタブンネについても記録の対象となっているかは、サンプルの少なさから明らかになっていません。
ログ#125030の記録目的が明白でないため、現状取り得る方策として、野生のタブンネへの攻撃を極力控えさせるというものが考案されました。当局ではタブンネを絶滅危惧種の携帯獣に指定させるロビー活動を展開するとともに、草の根活動を通じてタブンネへの攻撃を控えさせることをトレーナーに教育していく予定です。現在、フロント組織となるNPO団体の設立準備を進めています。
当局による妨害活動が開始されて一年近くが経過しますが、近年のタブンネの目撃例は増加の一途を辿っており、ログ#125030の記録を未然に防止する効果は低い水準に留まっています。タブンネ自身、あるいはタブンネを統率する未知の存在は当局による妨害行為を認識しているようで、ポケモントレーナーの前に積極的に出現し、自身を攻撃するよう促しているように見受けられます。
これに加えて、タブンネが使用する技能の一つである「シンプルビーム」について、通常とは異なる波長を生じさせるものを使用し、トレーナーに強い敵愾心を呼び起こさせていたという事例も複数件観測されています。タブンネが自ら積極的に攻撃を受け、それによってログ#125030を多く集めようとする動きと考えられます。当局の動きに対抗する措置を取ってきたことから、警戒レベルの引き上げが検討されています。
本案件に付帯するアイテムはありません。