飲料水#121861は一般的な自動販売機に装填され、異常性の無い商品と混在する形で販売されているケースがほとんどです。市民に対し、飲料水#121861は毒性があるため危険であり、発見した場合は速やかに最寄りの管理局まで届け出るよう、各種メディアを通じて繰り返し呼び掛けています。窓口を通じて回収した、あるいは通報によって自動販売機から接収した飲料水#121861については、必要なサンプルを取得した後手順M-121861に基づいて破棄することになっています。
飲料水#121861の製造元を突き止める試みが続けられています。過去には要注意団体の一つである「アムリタ・ファウンデーション」が製造元であるとの疑義が持たれていましたが、別案件の調査の過程で同団体は本件に関与していないとの見解が示されました。かつてアムリタ・ファウンデーションの傘下にあり、現在は独立した団体となっている「ネクタール飲料株式会社」の関与が疑われています。
案件#121861は、「美味しいみず」とラベリングがなされた製造元不明のペットボトル飲料水(飲料水#121861)と、それに掛かる一連の案件です。
2008年6月下旬、市民から「不審な飲料が販売されている」との通報がジョウト地方コガネシティ第六支局に寄せられたことにより、当局は飲料水#121861の存在を認知しました。通報のあった自動販売機は当局により接収され、貯蔵されていた飲料水#121861が回収されました。自動販売機については、本来販売されているべき商品が飲料水#121861に差し替えられていたことを除けば何ら異常性が確認されなかったため、ディスプレイ用のサンプルを正常な商品のものへ差し替えた後、所有者に返却されました。
ほぼ同時期、ホウエン地方第四支局の局員が提出した日報に「近頃『飲む人によって味が変わる飲料水』が販売されている、という噂が流れている」との記載が確認されました。局員にヒアリングを実施したところ、一部のソーシャルネットワーキングサービスにおいて「美味しいみず」とラベリングされた飲料水に関する話題があり、飲む度に味が変わるという情報が複数寄せられていたとのことでした。当該飲料水はジョウト地方コガネシティ第六支局が接収した飲料水と外見的特徴が一致しており、同一の案件であるとの判断がなされました。案件管理はジョウト地方コガネシティ第六支局に一本化され、本格的な調査に着手しました。
局員により実際に飲料水#121861を口にした市民からのヒアリングを実施され、飲料水#121861に関する概要が整理されました。
飲料水#121861は、ほとんどの場合自動販売機に貯蔵された状態で販売され、正常な飲料水を購入する場合と同様の手順で購入することができます。価格は同じ自動販売機に貯蔵されている異常性の無いペットボトル飲料と同額か、または10円低いかのいずれかに設定されています。他の商品より高額に設定されていたケースは確認されていません。飲料水#121861は自動販売機が扱う商品のベンダーを問わずに混入されますが、飲料水以外の自動販売機(食品・煙草・アイスクリームなど)に混入されたケースは未確認です。
外見上、飲料水#121861は一般的なミネラルウォーターとほとんど差異が見られません。透明な液体であり、炭酸ガスの封入は行われていません。ラベルには毛筆体で「美味しいみず」と書かれています。大手ベンダーが販売している「おいしいみず」(ひらがな表記)との類似性を意図した名称と推定されますが、パッケージのデザインは大きく異なっています。当局による検査では、一般的に市販されているミネラルウォーターと成分上の差異は確認できませんでした。
飲料水#121861を摂取した場合、その時口にした人物が「美味である」と感じるものを思わせるフレーバーが口の中に広がるとの証言が得られています。過去に確認された事例では、ミカン・メロン・バナナといった飲料水のフレーバーとして一般的に使用されるもののほか、イチジク・ザクロ・ライチ・キイチゴのような一般的とは言い難いもの、醤油ベースのラーメン・カレーライス・スパゲティペペロンチーノなど、飲料水のフレーバーとして用いられることのない食品の味がしたとの証言が得られています。これまでに確認されたフレーバーのリストは、リストL-121861-1を参照してください。飲料水#121861を口にした市民は、例外なく「美味である」と感じたと証言しています。
同じ容器に入れられた飲料水#121861を異なる人物が口にした場合、それぞれ個別のフレーバーが感じられるとの証言が複数得られています。これは飲料水#121861をペットボトルから別の容器へ移し替えた場合も同様です。この事から、飲料水#121861自体が何らかの作用によりフレーバーを変化させているのではないかとの仮説が提唱されました。
特異なフレーバーを持つことを除き、飲料水#121861そのものに顕著な危険性は確認されていません。ただし、飲料水#121861の味を気に入り、一度口にして以降飲料水#121861のみを飲み続けていた市民が複数名確認されています。これは飲料水#121861が何らかの依存性を有しているのか、或いは単に口にする市民の嗜好に働きかけた結果なのかは定かではありません。当局では依存性のある飲料であると分類しており、全局員に対して一切の摂取を禁止する措置を執りました。また各種媒体を通じ、飲料水#121861を口にしないよう働きかける情報活動を展開しています。
異常な性質を持つ食品を大量に拡散するという手法から、当初から要注意団体の一つであるアムリタ・ファウンデーションの関与が疑われていました。しかしながら、2008年8月初頭に警察機関と合同で実行されたシンオウ地方クロガネシティにおけるアムリタ・ファウンデーション保有施設への強制捜査により、同団体が飲料水#121861の製造・販売に関与しておらず、むしろ市場から排除することを望んでいることを示す無数の証跡が押収されました。押収した資料の中には、飲料水#121861について「ネクタール飲料株式会社」が製造元であるとの記載が成されているものも存在していますが、これが事実かは未だ見解が分かれています。しかしながら、本案件の調査を進める上で重要な情報であると認識されています。
ヒアリングを通じ、複数の市民から「飲料水#121861にはうっすらと紫色が掛かっているいる」との証言が得られています。当局の調査では、飲料水#121861は無色透明であり、何らかの着色が施されているとの結果は示されていません。飲料水#121861が一部の人間に対して軽度の視覚的な情報災害をもたらしている可能性が示唆されていますが、現時点ではこれを裏付ける証跡は得られていません。
本案件に付帯するアイテムはありません。