Subject #124729

Basic Informations:

Subject ID:
#124729
Subject Name:
イリュージョン病
Registration Date:
2009-07-11 15:30:45
Precaution Level:
Level 4

Handling Instructions:

疾病#124729に罹患した市民(罹患者#124729)は例外なくホウエン地方ムロタウン第四支局まで移送し、当局が運営するバイオメディカルセンターへ入院させてください。バイオメディカルセンターで患者の治療/看護を担当する者には携帯獣の局員が含まれていてはならず、人間の局員はいかなる理由があろうとバイオメディカルセンターへ携帯獣を帯同させることを固く禁止されています。バイオメディカルセンターへの携帯獣への侵入は即座に収容違反として扱われ、案件担当者判断で非致死性の武器を用いて制圧することが許可されています。

疾病#124729に関する情報収集を継続してください。ある程度の症状/症例については情報収集が完了していますが、細部について未知の点が複数残されています。案件担当者は罹患者#124729にヒアリングを行い、得られた知見をレポートへ取りまとめてください。これまでに集積されたレポートは、案件別サーバに暗号化された上で保管されています。レポートへのアクセスにはレベル4以上のセキュリティクリアランスが要求されます。

罹患者#124729の社会復帰の見通しは立っていません。案件担当者は疾病#124729の性質を調査するとともに、既に収容されている罹患者#124729の社会復帰に向けた道筋についても継続して検討を進めてください。社会復帰に向けた手続きの確立に際しては、倫理委員会及び裁定委員会に実施の判断を仰いでください。

Subject Details:

案件#124729は、携帯獣に対して重大な認知異常をもたらす未知の疾病(疾病#124729)とその罹患者(罹患者#124729)、及びそれらに掛かる一連の案件です。

2009年6月下旬頃、ホウエン地方トウカシティ第二支局の窓口に「ポケモンたちを手当たり次第に殴りつけている男性がいる」との通報が寄せられました。通報で告げられた地点に数名の局員が駆けつけたところ、近隣の草むらで携帯獣に暴行を加えている20台前半の男性が発見されました。男性はその場で取り押さえられ、ホウエン地方トウカシティ第二支局へ移送されました。男性へヒアリングを実施したところ、「ポケモンが寄ってたかって俺を騙している」と繰り返し発言しました。興奮状態が続いていたため、局員の判断により男性に鎮静剤が投与され、当日は支局内で拘留することとなりました。

翌日、ある程度落ち着きを取り戻した男性に対し、局員が再度ヒアリングを実施しました。男性は「気がつくとすべてのポケモンが『ゾロア』が化けたものに見えるようになっていた」と回答しました。何らかの認知異常を起こしている疑いが示されたため、男性から同意を得た上で、当局に雇用されている携帯獣の局員数名の視認テストを実施することが決定されました。テストの結果、男性はすべての局員について「ゾロアが化けている」と回答しました。当局の検査では、テストに参加した局員は全員ゾロア以外の種族であり、外見上の種族と実際の種族が一致していることが確かめられました。

当初本件は単発の事案として処理される予定でしたが、同時期に複数の支局から「すべてのポケモンがゾロアの化けたものだと主張する人間が現れた」という報告が寄せられ、同一事案として処理すべきとの見解が示されました。関係者間で協議が行われ、案件立ち上げを行うことで合意が形成されました。現在の取扱い手順は、各支局における調査結果を取りまとめた上で整理したものとなります。

疾病#124729は、ほぼすべての携帯獣について「ゾロアが変化したものである」と誤認する認知異常です。疾病#124729の罹患者は罹患者#124729として識別されます。罹患者#124729は対象となる携帯獣の種族に関わらず、そのほとんどを「ゾロアが変化したものである」と認識します。この認識はほぼすべての罹患者#124729に重篤な影響をもたらし、初期事案のような携帯獣に対する無差別暴行などの形で現れます。

疾病#124729の例外は、ゾロアまたはゾロアークを視認した場合です。これらの携帯獣については、例外的に「ゾロア/ゾロアークである」と正しく認識することができます。補助試験として、ゾロア及びゾロアークへ変身させたメタモンを視認させるテストを実施したところ、それらについては「ゾロア/ゾロアークに変身したメタモンにゾロアが化けている」と認識します。これは現在収容中のすべての罹患者#124729に共通する特徴です。

疾病#124729の具体的な由来は不明です。何らかの感染経路が存在するのか、発症に至るまでに何某かの条件があるのかといった顕現に至るまでの経緯は未だ明らかになっていません。記憶処理を含む一般的な認知異常に対する処置は何ら効果が無いことが分かっており、治療法は確立されていません。今後罹患者#124729の数が増加しつづけた場合、人間社会全体への顕著な悪影響が生じることが懸念されています。

Supplementary Items:

本案件に付帯するアイテムはありません。