今も続いている出来事で、害はないのですがどうにも不気味なことなので書かせてください。
かつて両親が暮らしていた家があるのですが、現在はどちらも亡くなり私も住んでおらず空き家となっています。
かと言ってそのまま放置しておくのも良くないので、月に一度くらいのペースで訪問して掃除や片付けをするようにしています。
将来的に売ることも考えてはいるものの、成人するまで過ごした場所でもあり、なかなか踏ん切りが付かないのが現状です。
不用品を処分したり、使えそうなものは自宅に持ち帰ったりして少しずつものを減らしているのですが、その際に時折出てくるものがあります。
買い物をした際に発行されるレシートです。レシートが落ちていたりすること自体は、散らかった家では特に珍しくないと思います。
ただ、そのレシートに書かれた内容がことごとくおかしいのです。
最初に見つけたのはヤマダ電機のレシートでした。近隣にヤマダ電機はなく、私も両親も買い物をした記憶がありません。
単一から単四の乾電池をそれぞれ20個ずつ購入したとあり、発行日は今から半年前。両親は既に他界しており、明らかに二人が買ったものではないです。
乾電池自体は家にいくつかありましたが、20個まとめて出てくるようなことはありませんでした。
次に見つかったのは書店のレシートで、発行日はまだ父親が生きていた三年前の五月。なので、これはまだあり得ます。しかし、他におかしな点がいくつもあります。
購入した書籍は「コーガミンピーチ古典」というものらしいのですが、ネットで検索してもそのような題名の本はなく、家を探してみても本自体が見つかりません。
さらに書店の名前が「天牛堺書店」となっており、三年前の五月には既に全店舗が閉店しています。レシートに書かれた電話番号は、当然ですが繋がりませんでした。
この後に出てきたのはユニクロのレシートです。こちらは車で行ける程度の距離に店舗がありますが、レシートには「北九州店」と印字されています。
生前の両親が九州へ足を運んだことはなく、調べてみても「北九州店」という名前の店舗は見つかりません。
購入したとされるのはおそらく子供用らしき下着14着で、これまでと同じように家の中をどれだけ探してもそのような物品は出てきませんでした。
直近で発見したのは「ヲザワ堂」というまったく聞き覚えのない店舗で、並んだ商品名を見る限り食品スーパーのように見えます。
白菜やカマボコなど常識的なもの、牛の目玉やスズメなどスーパーでは手に入らないようなもの、「セセー」「たんだい」など何の商品か見当も付かないもの。
これらがずらりと並び、計28,925円の支払いがされています。言うまでもありませんが、家にそのようなものはありませんでした。
誰かが不法侵入しているのかと疑い家の鍵を交換したりしたものの、その後も変わらず身に覚えのないレシートが不定期に見つかっています。
貴重品が盗まれたわけでも部屋が荒らされたわけでもないので警察にも相談できず、どうすればいいのか分かりません。
このレシートはどこから出てきているのでしょうか? 誰がこの買い物をしたのでしょうか? なぜレシートが見つかるのでしょうか?
……これらのレシートを発行した店は、本当に私たちが行くことのできる場所にあったのでしょうか?